あなたはなぜ仕事に“情熱”を持てないのか--毎週違う仕事をした若者が学んだこと

夢中になれるものは何ですか? #1/2

なぜ仕事に情熱を持って取り組めないのだろうかーー。週ごとに違う仕事に従事する「1週間仕事プロジェクト」を立ち上げたSean Aiken氏が講演しました。仕事を通じて生き生きとした人生を送っている人たちに共通することとは何でしょうか。(TEDxVancouver より/この動画は2012年に公開されたものです)

学校教育では大事なことを何ひとつ学べなかった

Sean Aiken氏:4年生になると、先生たちは私の成績を出し始めました。それがどういうものなのか理解するまで何年か掛かりましたが、8年生(中学2年生に相当)になる頃には、学校の評価システムの秘密を解明したように思えました。結局のところ、何を学ぶかは問題ではなく、どうしたら先生が良い評価をくれるか、その方法を見付けることが重要だと気付いたのです。

よって学校では、科目を勉強する代わりに、先生たちを調べていました。彼らが望むものを提出し、その見返りに良い評価をもらうのです。私はこれをビジネスの学位を取るまで続け、そこでは4.0GPAで、クラスで一番でした。しかし卒業の日、私は気づいたのです。私は何もわかっていない、と。

とにかく、大事なことは何ひとつ知らないのです。自分自身のこと、人生で何がしたいのか……。幸せになりたい、充実していたい、人生を何か意味あるものにしたい。そういうことはわかっていましたが、それ以外は本当に手掛かりすらありません。それを考える時、孤独を感じました。周囲のみんなは、今後の方向性をきちんとわかっているようでした。少なくとも、私にはそう見えたのです。

私は、不安と周囲からの期待に押しつぶされそうになり、落ち込みました。そんな時、父がこう言いました。「ショーン、おまえが何をするかは問題ではない。それが何であろうと、情熱を注げるものにしなさい。私はもう60年近く生きているが、未だに夢中になれるものには出会えていないのだ」。

今では、自身の"情熱"を見つけることは重要だ、とよく耳にします。もし「幸福」や「達成感」を見つけることは重要だ、と言えば、多くの人は賛同するでしょうが、あなたの情熱を注げるものは何ですか? と聞かれても、ほとんどの人は全く答えられないでしょう。いったいどれだけの人が、それを知っているのでしょうか?

毎週違う仕事に携わる「1週間仕事プロジェクト」

自分の夢中になれるものを探す為、私は「1週間仕事プロジェクト」を始めました。丸一年、毎週違う仕事をしたのです。52週で、52個の仕事です。oneweekjob.comというWebサイトを立ち上げ、そこに世界中の誰でも、どんな場所からでも、私に1週間仕事を依頼できる、と書きました。そして雇い主には、私の働いた分を全てチャリティーに寄付するよう、お願いしました。

何と、これが上手く行きました。ハワイではパークレンジャーとして火山の調査をし、ニューヨークではファッションバイヤーとして春物のコレクションを選び、トロントではDJとして曲を紹介……消防士、リポーター、株の仲買人、ヨガの先生、NHLのマスコット、広告、銀行員など、全てやってみました。

私がここから学んだのは、情熱探しにおいて私は一人じゃない、ということです。新卒だろうが、退職間近の人だろうが、大きな転換期に差し掛かった時、みんな何らかの形で繋がることができるのです。人生において度々、私たちは自分の内面を深く見つめ、自身に問います、本当にやりたいことは何だろうか? 私の才能とは? 世界に対してどんな貢献をしたいのか? もし私たちがこういった問題にきちんと向き合わなければ、後に後悔するやもしれません。

例を挙げると、先月私は飛行機で、84歳のお母さんを訪ねる為に出向いていたリンダという女性の隣に座りました。彼女は私に、お母さんの隣にどう座り、どう手を握ったかなど教えてくれましたが、お母さんをどう元気付けてよいか、わからなかったのです。お母さんは死が近づくにつれて、やりたかったことが一度も叶わなかった様に思え、死ぬことが怖くなりました。

仕事に情熱を持っている人の共通点

俗に言う「充実した人生」とは、安定を提供してくれる、または単に支払いをする為に給料の良い仕事を見つけることであり、更にもしその仕事を楽しめれば、勝ち組です。

しかし今日では、この安定は幻であると証明されています。より多くの人々が、この時を好機と捉えています。それは大きな転換地点であり、仕事意識の革命であり、共通の価値観として、仕事と私たちの関係の見方を変えることでもあります。

「仕事」はもう、ただ単に我慢しなければいけないものではありません。「仕事」は今までになく、私たちの「ライフワーク」と結び付いてきています。個々の才能を世界と共有する絶好の機会です。

52週それぞれ、私は同僚たちに「仕事で最も好きなことは何か?」と聞いてきました。彼らは重要としながらも、お金や安定については触れません。これらは一番に語ることではないのです。代わりに、仕事仲間に恵まれている、自分が何かを変えることが出来ると信じている、などど言いました。

44週目、私はアイダホ、ボイスの小学校を運営するケンに会いました。彼はだいたい6.2フット(約190cm)、220ポンド(100キロ)で、保育従事者どころかフットボールのラインバッカーのようでした。

ケンに、仕事の中で一番何が好き? と尋ねると、彼は目を輝かせて言いました。「子供が初めてモンキーバーに登ったり、靴紐を初めて結べたのを見ること。私は自分が、その成功の一部を担っていると知っているから。素晴らしいことだよ」。

8週目に酪農場で働いた後のこと。そこでは朝5時に起きて牛舎へ向かい、乳を搾り、肥料をシャベルですくう日々で、私には、いったい誰がこんな仕事を楽しめるのか、全く理解できませんでした。そこで、農場主で、この仕事を愛しているジョージに目をやると、彼はこう言ったのです。

「人間は食べなければならない。自分は何千人もの人たちに食べ物を与えているし、この有機農場は環境にも良い」と。

自分たちの仕事に情熱を持っている人たちは、その背後にある「意義」と結び付いている人たちです。実際の仕事は、その関係ほど重要ではありません。彼らは毎日仕事をすることによって世界に貢献していて、これにより世界はより良くなっているのです。

どうすれば生き生きと過ごせるか

私たちの職業は、自分たちの才能を示す方法のひとつであり、私たちの情熱を満たす方法のひとつでしかありません。支払いをする為に何らかの仕事をすることで、仕事以外の場に自分の情熱を探すこともできます。大切なのは、人生のいくつかの側面において、自分の才能を表現する場を、自分で作り出せるということです。これは、生きていることを真に実感できる時です。

ハワード・サーマンは言いました。「自分自身に、世界が何を求めているのか聞いてはならない。どうしたら自分が生きていることを実感できるのかを問い、それを実行しなさい。なぜなら、世界が求めているのは、生きていることを実感できている人たちだからだ」。

何が私を生き生きとさせるのか? それは、可能性を呼び起こすこと。お互いの繋がり合いを大切にすること。感謝しつつ、自分の目指すライフワークに近づけるような対話を、積極的にすることです。

それぞれのライフワークを介して才能を分かち合う時、そして活気に溢れ、充実し、より慈悲深く、自分たち自身、家族、友人、地域社会と、順に潤うことで、私の言う意味がわかるでしょう。私たちが大きな挑戦に立ち向かう時、生物学的、経済的、また社会的レベルにおいて、これはもはや自分勝手な行為ではありません。これは私たちの、お互いに対する責任であり、約束なのです。

今がその時です。チャールズ・エイゼンシュタインが記した様に創造するのです。私たちの心が訴えるような、より美しい世界にできるでしょう。既に答えを知っている自分へ変わることは、あなたの心に向けた私の願いです。あなたの才能は何か? 世界にどんな貢献ができるか? そして、何があなたを生き生きとさせるのか? ……あなたはもう答えを知っています。ありがとうございました。

<続きは近日公開>

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TED(テッド)

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