多くの人が経験する「燃え尽き症候群」

フェイ・マクレイ氏(以下、フェイ):ここに来ることができて、 みなさんにお会いできてとてもうれしいです。Well+Goodのコンテンツ責任者兼副社長のフェイ・マクレイです。

ゲストを紹介します。エリザベス・レイバさんは作家、大学教授、黒人の女性起業家の支援者、ポッドキャスト『Black Power Moves』のホストであり、『I'm Not Yelling, A Black Woman's Guide to Navigating the Workplace』の著者です。そして、Center Education Groupの教育デザインとイノベーションのディレクターも務めています。ようこそ、エリザベス。

次はキャサリン・マニングさんです。キャサリン・マニングさんは、25年以上にわたってトラウマや被害者の問題に取り組んでこられました。『The Empathetic Workplace: 5 Steps to a Compassionate, Calm, and Confident Response to Trauma on the Job』の著者であり、Blackbird LLCの社長でもあります。

そして最後が、タラ・マハトラ・ファインバーグです。彼は20年以上にわたり、社会正義の揺るぎない支持者として、また伝統的メディアと新興メディアの両方でクリエイティブな力としても活躍。Wayfarer Studiosのシニア・バイス・プレジデント兼エグゼクティブプロデューサーであり、『​​THE MAN ENOUGH PODCAST』のプロデューサーです。

ゲストのみなさん、ようこそ。ありがとうございます。今日のテーマは、多くの人々が経験したことがあると思う「燃え尽き症候群」です。私にも経験があります。この分野の専門家の方々とお話しできることをとてもうれしく思います。

女性のほうが燃え尽き症候群の影響を受けやすい

フェイ:まず、燃え尽き症候群の兆候についてお話ししたいと思います。疲労、不眠、頭痛や体の不調、自己否定感や集中力の低下など、他にもたくさんあります。心当たりのある方は手を挙げてください。おっと。私たちだけではありませんね。

研究によると、50パーセント近くの人がキャリアのある時点で燃え尽き症候群を経験する可能性があります。燃え尽き症候群は誰にでも起こる可能性がありますが、ストレスの多い会社員や救急隊員など、特定の職業ではより起こりやすいのです。

燃え尽き症候群は、単に燃え尽きたと感じると職場に来なくなるだけでなく、深刻な結果をもたらす可能性があり、時には身体的なかたちで現れることがあります。そして、男性よりも女性のほうが影響を受けやすいという調査結果もあります。

今日ここで取り上げているテーマは、非常に多くの交差的な要素を持っており、人種、性的指向、性自認によって、人々に異なるかたちで現れます。まず、私たちはどのようにしてこのテーマにたどり着いたのでしょうか?

キャサリン・マニング氏(以下、キャサリン):全体を整理してくださって本当にありがとうございます。そして、基準を設定するのは有益だと思います。手を挙げた人の数を見るのも興味深いことだと思いますが、燃え尽き症候群の1つの特徴は、見つけるのが本当に難しいということです。

「のどが渇いた時には、すでに脱水状態になっている」という表現を聞いたことがあると思いますが、燃え尽き症候群はそのようなものです。私たちは、私たちは燃え尽き症候群に陥っても、それに気づかないことがあります。短気になったり、集中力が低下したり、不眠症になったり、さまざまな身体的な不調が現れることもあります。

職場における“休むことを許さない文化”

キャサリン:今、燃え尽き症候群のレベルが非常に高くなっているのは、この2、3年が大変だったからだと思います。トラウマは、2020年代に私たちが吸っていた“空気”のようなものだと感じることがあります。2020年以来、パンデミックやジョージ・フロイド氏の事件、環境災害、銃乱射事件など、振り返るたびに何度も同じような出来事が繰り返されています。

ワクチンが出たことは素晴らしいことでした。みんなでハッピーアワーでカップケーキを食べながら戻ってきたわけですよね。ただ、私たちの問題の1つは、仕事に戻ることができたとしても、歓迎されることがなかったと感じることです。

「これは本当に大変なことだった」と認める時間が欲しいと思います。そして、私たちが経験してきたことを認めないことが、燃え尽き症候群の急増につながっているのだと思います。

フェイ:一息つく時間ですね。何か付け加えることはありますか?

タラ・マルホトラ=フェインバーグ氏(以下、タラ):私にとっては、人種差別はそれほど新しいことではありませんが、今はもっと注意を払っているという感じです。「私たちは努力すれば何でも成し遂げられる」というメリトクラシーに基づく国の結果として、私たちはこのハッスルカルチャーの中にいるのだと思います。

そして、それはトップダウンで生まれる職場文化の多くを正当化しています。文化は常にトップダウンから生まれます。休息が必要な時に休むことを許さないようなやり方で物事に取り組むという、多くの行動や常態化が正当化されているのです。

このような文化は私たちの風土に根付いたもので、業界特有のものでもなく、会社の種類や仕事の種類に関係するものでもないと思います。

フェイ:そうですね。以前はその文化の中で生きているだけで、言葉はついていませんでした。

多くの人は、休むことを恥ずかしいと思ってしまう

フェイ:では、ハッスル・カルチャーについて、何か付け加えることはありますか?

エリザベス・レイバ氏(以下、エリザベス):資本主義と私たちが置かれているシステムは、自分の価値が自分の生産したものであるように仕向けていると思います。だから常に何かを生産したり、生産しようと考えたり、何かを思いついたりしていないと、多くの場合人々は休みたいと思うことを恥ずかしく思うのだと思います。

だから私たちは、常に次の達成を目指そうとする“ハムスターの輪の中”に入ってしまいがちで、その瞬間に自分自身を置いておくことができないのです。私たちは、自分が今どこにいるかよりも、「次に何をしなければならないか」のために生きているのだと思います。

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