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今話題の「人的資本経営」とは。中小企業こそ取り組むべき理由とkintone実践事例を解説(全2記事)

2024.04.05

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「経営者の仕事は環境を用意すること」 人的資本経営でオンリーワンを目指す、ある中小企業を変えた“kintone活用法”

提供:サイボウズ株式会社

昨今は人材を「資本」と捉え、価値を最大限に引き出すことで、企業価値の向上につなげる「人的資本経営」が注目されています。人手不足な中での人材定着、採用難、次世代リーダー育成など、人にまつわる悩みは企業規模や業種を問わない共通課題。本記事では、実効性のある人的資本経営を進めるために必要な手法や成功事例をお届けします。後編は、「モノづくり開発企業」をパーパスに掲げる、日東金属工業株式会社のさまざまな取り組みについて、同社代表が語りました。

「モノづくり開発企業」を掲げ、付加価値向上を重視

吉永庄吾氏(以下、吉永):先ほど徳谷さんのパートで、人的資本経営を実践するにあたって、まずパーパスや理念の整備が必要だという話がありました。ここからは、日東金属工業さんのパーパスについてお伺いできたらと思うんですが、どんなパーパスを掲げていらっしゃるんでしょうか。

大山正記氏(以下、大山):私が2023年の4月に代表取締役に就任した時に、まず最初にやらなきゃいけないと思ったのは、会社の方向性をしっかり示すこと。それが必要だと思ったので、「モノづくり開発企業」をパーパスに挙げました。

もともとモノづくりにすごくプライドを持ってやっていたんですけど、それだけだとやはり付加価値がつけられない、売上を上げられないということで「モノづくり×サービス」。

もともとお客さんがモノづくりの会社で、我々もモノづくりの会社です。お客さんのお悩みに、一緒になって開発していこうというような意味で「モノづくり開発企業」というパーパスを掲げました。

製造業の方もたくさんいらっしゃると思うんですけど、製造業とかメーカーってどうしても、中のことばっかり見ると目線が内向きになりやすいんですよね。

生産効率がどうだとか品質がどうだとか、そんなことばっかなので「いや、そこには付加価値がないよ」と。もっともっと外を見ようよと。「お客さんのことを見ないと付加価値なんか上げられないよ」ということをこのパーパスに込めて、メッセージとして打ち出しました。

パーパスを体現するための行動指針「3C」

吉永:ちなみに、このパーパスにひもづいた行動基準や原則が3つほどあると聞いてるんですけど、ご紹介いただいてもいいでしょうか。

大山:はい。私が着ているこのTシャツ……「何か書いてあるな」って、もしかしたら気づいた人もいるかもしれないんですけど。

これが我々のパーパスを体現するための3つの価値基準です。うちでは「3C」って呼んでるんですが、「Creativity」「Challenge」「Communication」をわかりやすいメッセージとしてみんなに伝えて、浸透させようとしています。

吉永:ここから1個1個掘り下げてお話ししていけたらと思うんですが、まずはCommunication。こちらの領域に関して大山さんが意識した、目指す世界観をお話しいただいてもいいですか?

大山:Communicationはやはり、一人ひとりが自由に発言ができることがすごく大事だなと思っています。そもそもたくさんの会社がある中で「一人ひとりが自由に発言をしてはいけない」なんてルールがある会社、あるはずがないんですよ。だけど、多くの人が自由に発言ができないと感じている。

それはなんでなのかと感じた時に「発言できる場がない」とすごく思ったんですね。それを発言できる場をkintoneにしようと。なので、私はkintoneで発言することを評価するし、どんどん発言しようぜと発信しました。

吉永:実際いろんなことをされたと思うんですが、こちらに投映いただいてる3つについて、ご説明いただいてもいいですか。

大山:私がやったのは「モノづくり開発企業」と「3つのC」を、とにかくこまめに発信すること。だいたいみなさんも、全体集会を1年に1〜2回はやると思うんですけど。だいたい半年に1回やって終わりじゃないですか。お題目になって終わってしまうということで、それじゃ意味がない。

やっている意味がないから、私は常にkintoneを通じてみんなにパーパスや3つのミッションを発信しました。kintoneのすごく良いところは、とにかくいつでも、どこでも、誰でも、何度でも発信ができること。これがやはりすばらしいんじゃないかなと思っています。

気になった記事のシェアも、行動基準を浸透させるきっかけに

吉永:こちらは、まさに大山さんが社員のみなさまに発信してるところですけど、社員の半分以上の70人が「いいね」を押してるってけっこうすごいですよね。

大山:そうなんですよ。めちゃめちゃうれしかったんですけど。これは私がパーパスとか3つの行動基準に近しいことを言ってる記事をシェアしたものです。ラーメン屋さんが値上げした記事かなんかだと思うんですけど、私自身もすごく感動したのでシェアしました。

そうしたら、めちゃめちゃ感動してくれる社員がいるんですよ。僕は文才がないので、人の記事をシェアするとめちゃめちゃ楽だし、すごく説得力があるなと思って。すごく良い使い方だなと自分でも思っています。

吉永:実際そのほかにも、まさに我々NewsPicksのニュースとかも日々、全社向けに発信いただいてるということなんですけど。ここの価値とかもどう思われてますか?

大山:NewsPicksさんには、めちゃめちゃ良い記事がたくさんあるので、そこからもシェアをさせていただいてます。

我々は、さっきCommunicationでも「一人ひとりが自由に発言できる」と言ったので「ルールも変えられるよ」と。「会社を変えることができるよ」というメッセージを、この記事を通じて……これは確か、高校生が何か理不尽な校則を変えるという記事だったんですけど、非常にいいなと思ってシェアさせてもらいました。

吉永:自分の言葉でもそうですし、同じ思いを持ってるニュースなどをシェアして伝えるってことですよね。ありがとうございます。

「成長するためには新しい仕事に挑戦するしかない」

吉永:ここまでがCommunicationで、次はChallengeに移っていけたらと思うんですけど。意識されていること、具体的にやったことを教えていただけますか。

大山:Challengeは要するに「成長するためには新しい仕事に挑戦するしかないよ」って言いたいわけですね。大前提として、この日本の経済の環境で、同じことだけを続けて売上が右肩上がりに上がることなんてありえないわけですよ。そんなことはみなさんももう十分承知だと思うんですね。

なので我々は、会社として新しいことをするのはマストだと。やらないと生き残れない。そのためには従業員のみんなに、やはり新しいことをやってもらないと困ると。みんなが新しいことをやってくれれば新しい仕事ができて、売上を上げることができる。

それで、新しい仕事をみんながやれば、みんなが成長するじゃないですか。成長したら賃金が上がるじゃないですか。「挑戦したら給料上がるぜ」というサイクルをね。みんなにもベネフィットがないとやってくれないから、そういうことを会社のパーパスと合わせて説明したっていうことですね。

やる気があれば誰でも使えるkintoneが、社員の成長機会に

吉永:僕も大山さんと話してていつもおっしゃっていると思うのが、経営者の仕事ってやはり「環境をまず整理することだ」と。投映いだいているページにもあるとおり、日東金属工業さんは大山さん主体でいろんなツールを導入いただいてるんですけど、ここも少しお話しいただいてもいいですか。

大山:はい。新しい仕事をしろしろって言ったって、なかなか一社員が新しい仕事とか新しいアイデアなんて思いつかないわけですよ。なので私は、全部の業務に使うシステムだから、一番わかりやすいのはkintoneだということで、みんなに使ってもらおうと。

kintoneの何がいいって、やる気があれば誰でも使えるんですよ。ノーコードでできるし、プログラミングがわからなくたってできるから。それで今までの業務を変えることができるんですよ。

1年目、2年目の社員の子たちが業務を変えることができるって、こんなに成長することないじゃないですか。だからその土台を作ってあげたことがめちゃめちゃ大きいと思っていて。

あとは我々は設計の会社なので、2DのCAD、3DのCADを導入したり。もう1つはNewsPicksさん。もともと私がめちゃめちゃおもしろいなと思っていて、法人契約させていただいたんですけど。従業員のみんなにも、そういうビジネスのおもしろさ、「仕事っておもしろいじゃん」と感じてほしいなと思って導入させてもらいました。

kintoneでの情報共有から生まれた効果

大山:新しい仕事を始める、新しいアイデアを作るなんてことは凡人にはできないんですよ。私は凡人にできるのは、そういう情報を得て真似するだけだと思っているので。NewsPicksさんで記事を読んで新しいことにチャレンジしようと、kintoneで気づきをシェアさせてもらっています。

NewsPicksさんのすごく良いところは、経済だけじゃなくて文化とかスポーツとか、いろんなものがある。(その記事をkintoneで共有すると)そこでまたコメントをつけられるんですよ。社員がおもしろいと思ったことにほかの社員がコメントをつけられる。そこで新しいコミュニケーションが行われることが、めちゃくちゃすばらしいなと思っています。

吉永:ありがとうございます。まさにkintoneを活用してニュースをシェアして、相互のコミュニケーションや社員のエンゲージメントの向上が自然発生しているというところで。我々としてもすごくうれしい気づきだなと思っています。

大山:パーパスを浸透させる上で、私だけ言ってもしょうがないので。たまに社員から、パーパスや行動基準に近いNewsPicksの記事をシェアしてくれる人たちがいるんですよ。

それを目ざとく見つけてコメントしたり「ありがとう」と言う。たぶん経営者の仕事って、そういうふうに仲間を一人ひとり見つけていくことがすごく大事なんじゃないかなと思っています。

大事なのは努力ではなく工夫すること

吉永:ありがとうございます。では3Cの最後のCreativityに移っていければと思います。クリエイティブというとデザインといったことを着想しがちだと思うんですけど、大山さんの解釈をお話しいただいていいですか?

大山:Creativityはけっこう後づけですよね。「3Cでまとまったからかっこいいかな」みたいに思ったんですけど、僕が一番大事だと思ってるのは「工夫する」こと。努力ではなく、工夫することが大事だと思っています。

努力っていうと、人からやらされるイメージがありませんか? 汗水垂らして夜遅くまでがんばるのは、長続きしないと思ってるんですよ。なので工夫することが大事だと思っています。工夫って結局現場で起きるし、自分で自発的にやることで、少しでも仕事が楽しくなってくれればいいなと思って、Creativityとつけました。

吉永:実際いろんな発信もされてると思うんですけど、この「ブルシットジョブ」のところ、お話しいただいていいですか。

大山:今は時間がないじゃないですか。人がいない、時間がない。チャレンジしたり、クリエイティビティを発揮する時間がないんですよ。だから「無駄な仕事をやめようぜ」というメッセージをまず一番最初に出しました。

2~3年前に流行った『ブルシット・ジョブーークソどうでもいい仕事の理論』という本があるんですけど、「これ最高。いいな、傑作だな」と思って。だいたいみんな、「くだらないなこの仕事」みたいに思うことってあるじゃないですか。それをやめようぜと「まず時間を作ろう」と、私のほうで発信しました。

年間2,000件近くの改善テーマが上がってくる

吉永:こういうことを発信していくうちに、現場から業務改善の動きがあったと聞いているんですけど。そこらへんはいかがですか?

大山:そうですね、もちろん現場からものすごい数の改善提案が上がっています。我々はもともと改善運動をやっていたんですが、今はだいたい月に150件とか、年間で言うと2,000件近くの改善テーマが上がっています。

これ(改善提案)も、もともとは紙でやってたんですよね。たぶんそういう会社さんもたくさんいらっしゃると思うんですけど、結局紙でやってると提案者と承認者の2人しか見ないんですよ。もしかしたら一生懸命工場内に貼ってる会社さんもあるかもしれないですけど、我々の場合は紙だと誰も見ないですよ。

吉永:(笑)。

大山:我々はそれをkintoneで共有しました。kintoneで発信すると情報を共有できると。そこで評価やアドバイスをコメントで入れられる。だからコメントは、kintoneにおいてめちゃくちゃでかい機能。もうkintoneは、本当にコメントだけでいいですよ。私はそういうふうに思ってます。

吉永:(笑)。

大山:これがもう10年前にやってた改善とぜんぜん違うんですよ。kintoneでは、気づいて共有してみんなが評価して、これがどんどん回っていく。そういうことをすごく感じています。

ツールやシステム導入も、パーパスとのひもづけが重要

吉永:徳谷さん、現場の従業員の方が自発的に改善活動を起こすって、やはり人事のプロフェッショナルの目で見てもけっこう難しいと思うんですけど、いかがですか。

徳谷智史氏(以下、徳谷):私は、大山さんのお話を対面で直接おうかがいしたのは初めてなんですけど、ほかの会社さんにも使えるポイントがめちゃくちゃあるなと思ってて。

大山:本当ですか(笑)。

徳谷:ツール・システムを入れる前提として、やはりパーパス(が大事です)。御社の場合は3Cですよね。結局制度とか仕組みだけがあっても、やる人もいればやらない人もいる。我々が何を目指すのか、何を大事にするのかというところがあって入れないと、従業員の方も何のためにやってるのかよくわからなくなるので。

そこが一貫されてるところと、アウトプットする機会をちょっとずつ作ってあげることが、めちゃくちゃ大事だと思うんですね。人間はインプットをどれだけしてもなかなか自発的にならないので。

最初は書き込みに「いいね」することでもいいんですよ。読むだけじゃなくて「いいね」をする。それで、ちょっとずつ発信をする。発信したことに誰かしらが「いいね」をする。やはり人間は、少しずつ行動していくことで、だんだんハードルが下がってきます。そこがやはり一貫されている。

そこでバリューやパーパスとひもづけながら社長が承認する。逆に違うものは「違う」と言うと思うんですけど。こういうサイクルをやりながら、ちょっとずつ成功体験を積み重ねやすいような土台を作られてるのかなと感じましたけどね。

若手社員の改善提案で新人研修を刷新

吉永:ありがとうございます。大山さんは製造業を営まれてると思いますけど、中には新人研修ですら現場から改善案が上がってくるって話も聞いてますけど、いかがですか。

大山:研修って1回カリキュラムが組まれると、改善なんてぜんぜん起こらないと思うんですけど。うちでは、入社1年目の子が展示会に行って「何か気づいたことを100個書け」みたいな、ちょっとむちゃくちゃな新人研修があったんですけど。

ある時、若い子がちょっと気づいてくれて。「それだと1年目の子なんて何もわからないで、見て終わるだけですよ」と。だったら半分は自社のブースに行って、営業マンが話してるのを聞いてみる。それで、お客さまの話してるのを聞いて、最後にはお客さまにちょこっとでもいいから商品説明ができるようになろう、みたいな。そういう改善提案をしてくれたんですね。

私は固定概念で「高校を卒業したぐらいでそんなことできる?」みたいな気持ちがあったんですけど、やはり現場でいる人たちの目は違うんだよね。「やればできるじゃん」みたいな。「そもそもこの研修をやっても意味なくね?」というほうが強いかもしれないですよね。そういう意欲があって改善してくれました。

この改善は奇しくもというか、我々のパーパスが「モノづくり開発企業」ということで、一番大事なのはお客さまを知ることなので。ある意味、新人研修を通じて、初めにお客さまを知ることができたので、めちゃくちゃ良い改善だなと思いました。

kintone活用は「全社員」かつ「オープン」に

吉永:まとめになりますけれども、日東金属工業さんでのkintoneの活用の大方針を、あらためてご紹介いただいてもいいですか。

大山:1つ目は「全社員で利用するシステムに」。2つ目が「全社員が自由にアプリを作れる」。3つ目が「全社員閲覧可能なシステムに」ということで、とにかく全社員ということですね。

ここに共通する考え方は、要するにオープンであることだと思うんですね。そもそもデジタル化とかIT化、クラウド化って、オープンじゃないとダメなんですよ。だからまずクローズであるっていう考え方は、たぶん捨てたほうがいいんじゃないかなと、個人的には思っています。

吉永:ありがとうございます。2023年4月に代表取締役に就任されたということですけれども、あらためてまとめとして、意識してきたことも共有いただけたらなと思ってます。

大山:私がやったのは、何回もパーパスをまとめて発信すること。3Cもそうですけど、発信すること。あとは挑戦する土台を用意することですよね。それだけだと思います。1つ気づいたのは、経営者のみなさんはあんまり細かいこと言わないほうがいいかなと思ってます(笑)。

そもそもパーパスを浸透させるだけでも、めちゃくちゃ難しいですよ。130人いるんだけど、たぶん「うちのパーパスを言え」と言っても(答えられるのは)半分ぐらいじゃないかな。まだまだそのくらいだと思うので、経営者のみなさんは細かいこと言わなくていいんじゃないかなと思います。

吉永:ここまで聞いて徳谷さん、何かご感想などあれば。

事業成長とつながる価値基準を打ち出す

徳谷:非常におもしろくて、今のお話は私が先ほどお話ししたこととまさにつながってると思うんですけど。私はいろんな会社さんを見ていて、まず大事なのは「事業の成長とちゃんとつながる価値基準にする」ということです。

先ほどのラーメンの記事を共有したというのは、たぶんその事例がお客さまに向き合う時にも共通すると。顧客対峙もそうだし、経営者の場合は少し先を見た事業の成長と連動させたバリューを設定する。

だからパーパスがあって価値基準があって、それらを徹底しながら進むような土台(を作るために)、やはり成功体験が重要ですよね。自分が発信して認められたり、自分がkintoneを使ってちょっとでも変えられたという成功経験がないと、どれだけきれいごとが掲げられても進まない。そこがつながっているのがすばらしいと思います。

あとはやはりシステムを入れるという点でも、オープンであることはめちゃくちゃ大事です。上司と部下は、密室では昔も同じようなことをやってたと思うんですけど。それが公開になって、みんなが認め合ったり承認し合う。それで良い事例が一気に循環する。

これを組織的に整えていくっていうのは……堅く言うと人的資本経営なのかもしれませんけども、会社の目指す方向に向かってみんなが自律的に進むための大事な考え方かなと。本当にこれは各社に共通すると思いますね。

中小企業が生き残る道は「オンリーワン」になること

吉永:ありがとうございます。ではお二方から最後に一言、コメントもいただければと思います。大山さまから、今日来ていただいてるみなさまにメッセージをお願いします。

大山:ここにいらっしゃるのは、たぶん中小企業のみなさんだと思っているんですけど、中小企業が生き残るためにはユニークな存在になるしかないです。要するに、独特でオンリーワンの存在になるしかない。もう絶対これしかありません。

機械やAIは人との違いは作ってくれません。人間にしか違いは作れないですし、自社の違いはパーパスと行動指針に現れると。そのためにkintoneがマストハブだということを、力強く言わせていただきたいと思います。

吉永:ありがとうございます。では徳谷さんも、最後にメッセージをお願いします。

徳谷:私は、人的資本経営という言葉自体にあんまり意味はないと思っていて。こういうことを整えていくために大事なのは、実は経営者自体が本気でどうありたいかだと思うんですね。

例えば社長・経営者がパーパスやミッションを掲げているけど、そこに対してあまり腹落ちもしてなければ本気度もないものは、やはり絶対に浸透しないです。「3つのC」も、たぶん大山さんが誰よりも体現していないといけなくて、「社長がやってないじゃないですか」というものは基本的に絶対浸透しないんですよね。

事業が忙しく、これまでも一定継続してきたので、なんやかんや「まぁこんなもんかな」で置いてきたものを、経営者・社長自体が1回立ち止まって「本当にこの方向でいくのか、この基準でいくのか」と整理することがすごく大事です。「人事の方がやっといて」とか「誰か担当がやっといて」っていうものではないので。

その本気度があったからこそ、大山さんの場合はすごく浸透してるんだなと思いましたし。悩むことももちろん、私も社長業をやってますのでよくわかりますけど、1回立ち止まって原点に帰るのがすごく大事なのかなとあらためて思いましたね。

人的資本経営を実現するためのハードとソフトの両輪

吉永:お二方、貴重なコメントありがとうございます。では本日のまとめです。人的資本経営の実践にあたってはパーパスを掲げるだけではまったくダメで。一方でkintoneだけ導入しても人的資本経営は実現できない。「ハードとソフトを両輪で回していくことが重要」というのが、今日一番伝えたいメッセージになっております。

加えてコミュニケーションツールって、例えばTeamsやChatwork、Slackとかいろいろあると思うんですけど。kintoneだと業務の上にそのまま乗るかたちでコミュニケーションが実現されるので、人的資本経営を体現していく上で一番適してるんじゃないかなと、我々3人としては本当に心の底から思っております。

ぜひkintoneを活用したコミュニケーションとか、人的資本経営の体現は、みなさまも意識してやっていただければなと思っております。

今日のお話を聞いても、「まだちょっと不明点が多いな」「kintone、どうなのかな」という方は、経営者の方や管理職の方向けに、サイボウズからセミナー等々も無料でやっております。ワークショップなどもやっておりますので、ぜひチェックいただければと思っております。

そして、このセッションを共催させていただいたNewsPicksは経済メディアですが、今869万人ほどの会員さまがいらっしゃいます。その中で日東金属工業さんは法人でご契約いただいて、まさに人材の育成やコミュニケーションの活性化を強烈に推進していただいております。

今、全国の中小企業さまを中心に、NewsPicksを法人で見ていただく企業さまがたくさん増えております。出口にNewsPicksの事例や、先ほどのサイボウズさんのウェビナーの詳細をまとめたチラシを置いていますので、ぜひそちらもお手に取っていただければと思っております。

では、こちらで本セッションを終了とさせていただきます。ご清聴いただきまして、誠にありがとうございました。

(会場拍手)

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