失敗との向き合い方
ジェニファー・リュー氏(以下、ジェニファー):会場から素晴らしい質問がありました。「あなたの成功のほとんどは、失敗への恐れを克服することから生まれたようです。キャリアの中で、恐怖心を抱かなくなった時期はありましたか? ちなみに、私は今も怖いです」。
ケンドラ・スコット氏(以下、ケンドラ):失敗はいつも怖いですよ。ビジネスだけでなく、私は結婚も何度か失敗しています。人生には時に予期せぬことが起こるものです。離婚をするつもりで結婚式で永遠の愛を誓う人なんていませんよね。
人生で失敗するたびに私は経験から学び、その理由を理解するようになりました。次に進むための橋が必要だったんだと思います。常に計画通りにはいかないけれど、それでも、次は明るい場所に導いてくれるはずです。
失敗した時は泣いたり、床に座って1人でじっとしていてもいいんです。楽観主義者の私だって、時には涙を流すこともあります。でもその後、自分を取り戻して、『ここから学ぼう』と言います。この苦しみや困難が、私に何かを教えてくれるからです。恐れの扉の向こうには素晴らしい何かが待っているからです。
ジェニファー:次の質問。「あなたはジュエリーのエキスパート(専門家)であることを世界に示すために何をしましたか? どのようにしてその評価を得たのですか?」。
ケンドラ:ジュエリーの専門家になろうとしたわけではありません。ただ、美しいジュエリーを作りたかっただけです。人々が喜び、心地よく感じるジュエリーを作りたかった。そして、消費者に焦点を当てた時、他の誰かに勝とうとしなくなりました。「ああ、私はこれをやるんだ」と。
ただ毎日、顧客が何を求めているかに集中し、それを毎日確実に提供するようにしました。私がエキスパートになれたのは、お客さまをとても大切に思っていたからです。最終的には、お客さまが私をジュエリーのエキスパートにしたのです。彼女たちはデザインを、創造性を愛してくれました。私たちがやっていることを愛してくれたのです。
そして、私は彼女たちの声に耳を傾け続け、もっと興奮させたい、もっとワクワクさせたいと思うようになりました。だから毎回のコレクションで、私はただ、彼女たちが顎を落とすようなものを作りたいと考えています。
顧客とのつながりを持ち、彼らが何を求めているのか、何を必要としているのかに耳を傾けることができれば、どんな分野であれ、あなたを専門家にしてくれるでしょう。
取引先やパートナーに求めるもの
ジェニファー: この質問は間違いなく経営者仲間からのものだと思います。「どのようにメーカーを評価していますか? 同じ品質の価値観を持つメーカーを見つける方法は何ですか?」。
ケンドラ:これは本当に重要なことです。一緒に仕事をするパートナーは、あなたの核となる価値観を共有していなければなりません。