元クロックスCMOに学ぶ「開放性」

アン・ハイアット氏:では、3つ目の特質の「開放アンディ・ジャシーがジェフ・ベゾスにしたように性」です。ここからは、みなさんが想像していたような話から少し外れます。開放性とは、自分の考え以外のアイデア、思考、課題、視点を持ち込むことです。

これは、社会学者が「強い絆から近い絆へ」と呼ぶものです。強い絆とは、あなたと同じ学校に行った人、同じ訓練を受けた人、同じ文化的遺産を持っている人のことです。彼らはあなたと話し方も似ていて、共通点が多いのです。

このようなことは、チームでよく起こります。そのため、結局は同じような人ばかりになってしまうので、弱いつながりが必要なのです。私たちはチャンスを見つけたいのです。例えば、スポーツ観戦に行った時、隣に知らない人が座っていて、2人とも同じチームを応援しているとします。そして、あなたはその人と(強い絆のある人とは)まったく違った会話をすることになります。

最高の起業家たちは、チームやプロセス、手続きにオープンさを取り入れるシステムを持っています。自信は謙虚さと共存できると私は信じています。自分とは違う考え方をする人、自分の思い込みやアイデアについて背中を押してくれる人。アンディ・ジャシーがジェフ・ベゾスにしたように、自分の好きなアイデアに穴をあけてくれる人をチームに招き入れるには、謙虚さが必要です。

その好例がテレンス・レイリーです。テレンス・レイリーは、クロックスがかっこよくなるずっと前にCMOを務めていました。私はクロックスを持っていませんが、彼はこの転換期にいました。彼は2つの組織で、私が不可能だと思っていたことをやってのけた、信じられないような例を持っています。

では、クロックスを例にとってみましょう。彼はクロックスのCMOでしたが、当時まだ10代だった彼の娘たちは、「クロックスで働くことはできない。とても恥ずかしい」と言っていました。でも、彼は製品を心から信じていて、自分の仕事にとても熱心でした。

会社で一番年下の社員から得たアイデアで、クロックスのイメージを覆す

その1ヶ月前にインターンを終えたばかりのトーリアという女性が、彼のオフィスに入ってきました。これは CMOとしての彼をよく物語っていると思います。(米国の著名なラッパー兼シンガーの)ポスト・マローンが、皮肉ではなくクロックスを履いている写真を持っていました。

彼女は「これがあれば一瞬で変わります」と言いました。そして彼は「なるほど。あなたは正しいと思うよ」と言いました。繰り返しますが、レイリーはとてもクレイジーです。というのも、ポスト・マローンを知らない人のために説明すると、彼は顔全体に落書きのようなタトゥーを入れています。 当時、私が想定していたコアな層とはちょっと違いますね。でも、ポスト・マローンは偶然にもクロックスの大ファンでした。

そこでトーリアは、CMOのレイリーに、「彼に連絡を取り、何か写真撮影をしませんか?」と提案しました。そのクレイジーなアイデアで、ポスト・マローンとの本格的なコラボレーションをしました。そしてウェブサイトをクラッシュさせ、瞬く間に完売し、クロックスのイメージを変えたのです。私にとって、これは役員のオープンさの究極の例です。

彼女は少し前までインターンでした。おそらく彼のチームだけでなく、会社全体で一番年下の人間からアイデアを得たのです。うまくいくことは明らかではなかったと思いますが、ある意味本当にうまくいきました。それは一過性のもので、レイリーの功績というよりは、トーリアの功績かもしれません。

でもその後、また同じことが起こりました。彼は、2020年4月にスタンレーのCEOに就任しました。(コロナの流行のため)組織の新しいCEOになるのに、これほど恐ろしい時期はないと思います。彼は社外からの採用でしたが、これは常に非常に困難なことです。そして彼は、これから何が起こるのか誰も脚本を知らない危機的な時期に、完全リモートで対応しなければならなかったのです。

110年の歴史を持つ老舗ブランドがSNSで大バズり

そしてまた、こんなパターンもありました。ある日、チームメイトのローレンが彼のところにやってきて、「The Buy Guide」 というものを聞いたことがあるかと尋ねました。ユタ州に住む女性たちの小さなグループで、彼女たちが本当にワクワクする商品をシェアしていました。その彼女たちが、スタンレーのタンブラーに夢中だと言うのです。

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