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Life After Big Tech - Where Are Laid Off Workers Now ?(全4記事)

米テック業界での大量レイオフは「日常茶飯事」 突然解雇された人々が語る、トラウマを乗り越えた先の働き方

世界的なイノベーション&クリエイティブの祭典として知られる「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」。2024年も各界のクリエイターやリーダー、専門家らが多数登壇し、最先端のテクノロジーやプロダクト、トレンドについて講演を行いました。本記事では、米テック企業での大規模レイオフを経験した人たちが登壇したセッションの模様をお届けします。離職して初めて気づいたハイテク企業の課題や、フリーランスになって得たものなどを語りました。

米テック企業での大規模レイオフを経験した人たちの今

ジョン・スワーツ氏(以下、ジョン):私たちの業界では、技術部門のレイオフが日常茶飯事で、誰も安泰ではないようです。私は数年前、約20年間勤めたUSAトゥデイを解雇され、今はダウ・ジョーンズで働いているので、その辛さを知っていますし、これからも苦しいと思います。

ここ数年、シリコンバレーでは緊縮財政の波が押し寄せ、今年だけで5万人以上が解雇されました。さらに、2023年以降はアルファベット、Meta、X、セールスフォース、eBay、アマゾン、マイクロソフトが約26万人を解雇するという非常に危険な状況が続いています。

このような状況が生じているのは、さまざまな要因が複雑に絡み合っているためです。製造業、技術職、経営陣に関わらず、状況は非常に厳しく、企業は難しい決断を迫られています。これらの決断は継続的になされていますが、残念ながら見通しが立っていません。そして、これにAIが大きな役割を果たすことになるでしょう。

まずアレックスに、彼が以前どこで働き、彼に何が起き、どう立ち直ったかについて聞いてみましょう。次にカルメン、そしてジョーに聞いていきます。

アレックス・ウェドン氏(以下、アレックス):私が最後にフルタイムで働いたのはInstagramでした。そこで、インフルエンサーのための投稿システムの構築に取り組みました。その前は、Stitch Fixでテキストベースのレコメンドシステムを作ったり、GlassdoorやIndeedを所有する270億ドルの日本の持ち株会社(リクルートホールディングス)のリサーチ部門でも働いていました。

研究結果を発表して、インフラを構築し、過去200のニーズに対応する製品を開発しました。そして、academia .eduで働き、1億人のユーザープラットフォーム向けの最初のNLP(自然言語処理)と機械学習を構築しました。

現在はコンサルティングと、その傍らでSAS(Statistical Analysis System)を立ち上げています。私の優先順位はSASにシフトしていますが、過去11ヶ月間で最大26件の企業向け生成AIプロジェクトも監督してきました。専門はAI、特に生成AI、そして自然言語処理です。

ジョン:Instagramに雇われたのはいつですか? また、解雇されたのはいつですか?

アレックス:私は2022年の5月に採用され、2023年の4月に解雇されました。私がInstagramに最後に入社した人間であり、最初に解雇された人間でもあります。でも正直なところ、辞めて自分の仕事をしたかったので、解雇は本当にうれしかったですね。

解雇を知ったのはメールアカウントの停止

カルメン・キウ氏(以下、カルメン):みなさん、こんにちは、私はカルメン・キウです。私はTwitterで働いていたので、このセッションに参加しています。Twitterではブランド戦略家として、Twitter Nextチームで働いていました。トップブランドと一緒にTwitter戦略を最適化する方法を考えていました。

その前は、代理店でメディアバイイングやメディア戦略の仕事をしていました。今はCodeword Agencyに所属しています。まさかエージェンシーに戻るとは思ってもみませんでしたが、今は戦略部長としてそこにいます。

私がどうやって解雇されたかを、私のトラウマを知りたいですか? 確か2019年に採用されて、2022年11月4日に大勢の人と一緒に解雇されました。解雇を知ったのは、外出中にメールをチェックしようとしたらメールアカウントが停止されていたからです。前日イーロンがメールを送ってきて、誰もオフィスに来ないように、そして多くの人を解雇することを伝えました。そして私もその中の1人でした。

ジョー・レイザー氏(以下、ジョー):私は少し2人と違います。私はレイオフされたことはありませんが、過去10年間、解雇された人たちをサポートする組織を作ってきました。世界中の20万人以上のクリエイターのネットワークContentlyに8年間いましたが、多くがメディアビジネスの大不況でレイオフされた人々でした。ジャーナリストやライターの仕事は限られており、私たちは彼らが高い報酬を得られる場所を提供しました。

そして、今は再びA.Teamに在籍して、大規模な離職の波に立ち向かっています。A.Teamには、アレックスのような優れたプロダクトビルダーがたくさんいます。彼らは、1年中広告サーバーを最適化し続けるようなフルタイムの仕事の堅実さや柔軟性の欠如から離れ、自分たちにとって本当に意味のあるものを構築したいと考えています。

1社に依存しないフリーランス化を考える人たち

ジョー:私自身は元ジャーナリストで、市場や業界をリサーチすることをとても大切にしています。この2年間、私は知識労働者がレイオフに対してどのように感じているかを調査してきました。特に近年のGoogle、Twitter、Metaのレイオフを契機に、ソーシャルメディア上で怒りの声が高まりました。

LinkedInでは、夜遅くまで働いて献身的に会社に尽くしてきたのに、カルメンのように目が覚めたらメールへのアクセスが遮断されていた、といったエピソードがたくさん共有されています。この状況は、2010年代のテクノロジーの中で育ち、理想主義の表面に触れてきた私たちミレニアル世代にとって非常に衝撃的です。

過去2年間、私たちは全米の知識労働者を対象に調査を行いました。その結果、3人に2人が、雇用の安定性の不足や正規雇用に対する虚偽の約束に失望していることがわかりました。

興味深いことに、73パーセントの人々がレイオフの影響で、1つの雇用主に依存せず、複数のクライアントを持つフリーランスになりたいと考えるようになったと回答しています。そして、AIがこの傾向を加速させていることがわかりました。現在、私たちが目撃している態度の変化は、非常に興味深いことだと思います。

離職して初めて気づいたハイテク企業の課題

ジョン:アレックス、あなたはフリーランスになってそれまで以上に忙しくなり、もしかしたら今のほうが幸せかもしれない、と言っていましたね。Metaでの経験については、特に終わり方に関してはあまり満足していなかったかもしれませんが、今は自分がやりたいプロジェクトを選ぶことができている。

アレックス:その通りです。私の考えるフリーランスの良さは3つあります。1つ目は、ETF(上場投資信託)に投資するようなもので、1つの企業ではなく複数の雇用主や関係先にリスクを分散することができます。2つ目は、特化できることです。1つの企業で働くと、その会社の優先事項に縛られてしまいます。

複数の企業にまたがって仕事をすると、業界全体の優先順位や特性がわかり、影響の大きい問題だけに特化して取り組むことができます。これが私にとっての3つ目のポイントです。というのも、Stitch Fixではテキストベースのレコメンドシステムを構築するという、大きな課題解決に取り組んでいましたが、その後飽きてしまいました。でも、残された課題はそれほどおもしろいものではありません。

でも、フリーランスの私は、いろんな会社の最もクールなプロジェクトや、最もインパクトのあるプロジェクトを見ることができるんです。企業も、新しいプロジェクトを経験がない社員に任せてみるか、これまでに10社で実績のある外部人材を雇うかを選べるのです。すべての人にとってWin-Winであり、私にとっては本当に楽しいプロセスです。

ジョン:カルメンはどうですか? もしかしたら、あなたはたくさんの興味深いことに取り組んでいるかもしれませんが、今もテック業界にいるのですか?

カルメン:まだテック業界にいます。もちろん、それ以外のこともやっていますが、私が時間を割いているのはその分野です。

ハイテク企業で働くと、企業が求めるものすべてに従わなければいけません。仕事は楽しかったですよ。無料の食事や無制限の有給休暇など、会社が滞在を促すためのあらゆる試みが好きでした。しかし、その状況から離れて初めて、たくさんの問題があることに気づきました。

テック企業では、多くの仕事がクライアント向けで、クライアントに提出した後に大規模な批評が行われます。その時、彼らはそこに費やした仕事の量をあまり評価しませんでした。厳しいカルチャーだったと思います。

今のCodewordに来てからは、私の提案や仕事に対する人々の感謝の大きさに驚いています。以前の状況では、自分が無力であるとか、自分は思っていたほど優れていないという誤解の下にいたことに気づきました。そこから離れて、私には価値があるとわかったんです。

フリーランスになって得たもの

ジョン:転職にあたって、少し異なる方向に進もうとしたり、キャリアを再構築したりしましたか?

カルメン:他の人もそうかもしれませんが、私は履歴書を書くのが嫌いで、何をしたらいいのかわからなくなります。自分の行っていることの説明は難しいので、何をしたのかや、どんな市場価値のあるスキルを持っているかに焦点を合わせるようにしました。

私が行った変革は、自分に自信をつけることでした。この会社は仕事のできる人がたくさん働いているので、彼らに追いつくことよりも、私がこの文化に貢献できるか、私がここにいる価値があるかに焦点を置く必要がありました。

アレックス:とても興味深い視点だと思います。この11ヶ月間で私が得た最大の教訓は、自分が貢献していること、自分が付加価値を与えていることを認識することでした。1つの企業に勤めている時は明らかに提供する価値に上限がありましたが、この11ヶ月間で行った仕事の斬新さや影響力に驚いています。今は自分の付加価値を最大限に活かすことができています。

なので、私の変革は自信と、自分の仕事や関わる人々を選択することに焦点を当てることでした。1つの会社に雇用されないことの大きな利点の1つは、特定のクライアントやチーム、または特定の目的や仕事を選択できることです。この再発明は、本当に強力なものです。

カルメン:解雇が自信につながるというのは奇妙なことですが、本当にそうなりました。

ジョー:アレックスは、AIプロセスの特定のフェーズを構築するエキスパートです。それは、複数のクライアントを通じて経験を積んでいるからでしょうね。

アレックス:私は完璧なタイミングで解雇されたと思います。私のスキルがこれほど求められている時期はなかったので、あと半年くらい早く解雇されていたら、話は変わっていたかもしれません。

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