「人」に売るか「人以外」に売るか

セブ山:マーケティングというところを、全面に押し出していくサイトだったじゃないですか? 「我々がマーケティングしますよ」みたいな感じで、バーグがマーケティングしていく。でも、マーケティングって、そんなひとりひとり……。まあシモダさんはお詳しいかもしれないですけど、山口さんって、そんな詳しくないじゃないですか? マーケティングについてまで。

山口:(シモダさんには)詳しいイメージがあって、(自分には)詳しくないイメージがあるんですか?

セブ山:いやいや、(シモダさんは)前職、やられてたんで……。

シモダ:前職はね。

山口:完全ナメられている。完全にナメてる。

シモダ:まあまあ……。

セブ山:いやいや、(山口さんは)そうことは今までやられてこなくて……。

山口:やってないですよ。

セブ山:前職もまた、違うじゃないですか?

山口:そうですよ。

セブ山:だから、そこは大丈夫だったんかな? ってところで……。

山口:いや、大丈夫じゃないですよ。

セブ山:そうですよね。

山口:基本は何もわかんなかったんで、関わってくれた人とかに、マーケティング用語とかいろいろ聞いて、こういうのがあるとか。その……ポジショニングがどうとか、今のHondaさんの車は、この位置にいて、競合他社はこのへんにいるから、ここ狙おうか? とか。

セブ山:ああ、ボキャ天みたいなやつ。

(注:ボキャ天=『ボキャブラ天国』という番組のこと。その番組の中で発表された作品を評価して「ボキャブラマトリックス」というボードに貼る。貼られた数の多い順に、バカパク>バカシブ>>シブ知>>インパク知 貼られた数が少ないほどレア度が高いため、評価も高い。)

山口:そうそう、バカパクにいるけど、シブ知に行かなきゃね。

セブ山:なるほどね。マーケティング用語として、そういうのがあるんですか?

山口:そういう考え方があったりとか、「人間に売るか、人間に売らないか」に軸を設けたんです。僕が。そしたら、人間に売らないエリアがガラ空きやったんです。

セブ山:車の話ですよね?

山口:こっちのゾーンも欲しいだろうとか。

セブ山:車が欲しい層がね……。

シモダ:ブルーオーシャンが広がる、っていう。

セブ山:「ブルーオーシャン」ってのも、マーケティング用語?

シモダ:マーケティング用語。まだ、どこも行ってないようなジャンルを攻めると、先行者利益が手に入るっていう。

山口:だから、カマキリ人間がいるんじゃないかなぁ? って。

セブ山:(笑)。なるほどね。

シモダ:そのまあ、薬物をちょっと打ちすぎて、何言っているかわかんない状態になってるんですけど。

セブ山:なるほど。

山口:そうですね。

セブ山:そこでの苦労がそういうふうに、サイトに反映されていったんですね。

シモダ:そうです。

急遽のアイデアが元の企画を吹っ飛ばして本採用に

セブ山:アイディア誕生の瞬間!

はい。ということで毎回みなさん、ビックリされるんですけど……。僕が大きい声を出しちゃうんで……。

山口:そうですね。もっとスムーズに。

セブ山:今回の案件の、そもそもの企画、アイディアの誕生の瞬間を聞いていきたいんですけど。そもそも、世界のHondaさんなわけじゃないですか。

シモダ・山口:はい。

セブ山:今回なんでバーグなんかと組んでくれる気になったのかな?

シモダ:いやーほんと、不思議な話ですよね? 僕らもはじめ、お話頂いた時に「Honda!?」ってなりましたから。代理店からお声がけいただいたんですよ。「打ち合わせするから、来てください」って言われて行ったんです。僕と山口で。で、行ったらもう、企画がほぼほぼ決まってたんですよ。

セブ山:企画が決まっていた?

シモダ:これで行こうみたいな感じで決まってて、「え? ウチ、何やったらいいんですか?」って言ったら、「デザインをお願いします」って言われたんですよ。

セブ山:はあ、サイトのデザインを?

シモダ:ウチのポリシーとして、「企画込みじゃないとやりませんよ」ってスタンスなんで、「すいません。デザインだけってやってないんで」って言ったら、「じゃあ、何かブレストで出してください」みたいな。で、その場でブレストをすることになって、バーーー! って。

バンパー送りつけてやるとか、バラバラにするとか、大喜利やりましょうよ! とか。キャッチコピーはこんなんつけて、って話をやっていったら、元にあった企画が、だんだんだんだんそれに侵食されていって、気づけば、「バーグハンバーグバーグ×Hondaでいこう」みたいな形になっていって……。

セブ山:へえー。最初にあった企画ってのは、けっこうまじめな企画やったんですか?

シモダ:けっこう、素敵な企画。

山口:そう。素敵な企画。

シモダ:素敵な企画だったんですよね。毛色で見てもぜんぜん違う。まさか、脳みそ丸見えの、5,6人組の奴らが、間違ったコンサルにつく、みたいな企画じゃなかったんで。

山口:そうそう。

シモダ:だから、おしゃれ企画から、そっちに持ってった。

セブ山:すごい力技で持っていったんですね?

シモダ:(背負投げで)バターン! みたいな感じだったんで。

山口:夢があったよね。あの元の企画に。

セブ山:元の企画に夢があった!?(笑) 今回の企画に夢がないみたいじゃないですか?

山口:夢はないですね。

シモダ:悪ふざけですからね。

山口:悪ふざけだけですからね。

「やっぱり笑かしたら勝ちなんですよ」

セブ山:そこでのブレストで、ポッと出したネタが、アイディア誕生の瞬間だったんですね?

シモダ:そうですね。

セブ山:今回のはすごい特殊なケースだと思うんですよ。普通のサラリーマンが、そんな全然違う企画から、自分たちのとこに持ってくるなんて出来ないと思うんですけど。そういうコツというか、相手を口説き落とすには? っていうところを聞いてみたいんですけど。

シモダ:ダメ元で喋る、ですかね。ほんとは決まってたもん、もう。

山口:やっぱり笑かしたら勝ちなんですよ。

セブ山:あ、なるほどなるほど。

シモダ:その場の空気ってのがあって、その場でみんなで「楽しいかも」って、思い合わないと「やろう!」って思わないじゃないですか。

セブ山:はい。

シモダ:パッというもので、笑っていただくことで、「あ、おもしろい」って思ってもらうと、みんな結局、いいもの、おもしろいものを作りたいわけなんで、だからその場で楽しく盛り上がる。笑ってもらう。

山口:そうだね。

ボツネタにはさすがのHonda社員も苦笑い

セブ山:そこでいろいろ話、ブレストでネタを出していったって、おっしゃられていましたけど、やっぱ中には、ボツになったネタとかもあるんじゃないかな? と思うんですけど。

山口:そーっすね。

セブ山:その辺、どう思いますか?

シモダ:ボツネタは……。ブレストの時になのかな? こちらカーセックス研究所……。

セブ山:(笑)。

シモダ:やっぱこう、車が売れる秘訣って何なんだろう? って考えた時に、若者は車は欲しいと。でも、ラブホテルにも行きたい。家だとお母さんとかの見張りが強い。若者の悩みって、くだらないところだったりするじゃないですか。だったらもう、ラブホテルと車が合体してたらいいんじゃないか? と。それなら、どこでもやれるわけじゃないですか? 選び方次第で……。

セブ山:そうですね。それは、正しいです。

シモダ:正しいじゃないですか。駐車場でもできれば、高速のちょっと脇でもできるし……。ね。

セブ山:(笑)。カーセックスの説明はわかりましたけど……。

シモダ:あと、どんなとこ?

山口:どんなとこだろう?

セブ山:場所はいいです。それを出してですよ。出してどうだったんですか? やっぱり笑ってもらえたんですか?

シモダ:「ははんー」で、次の話題ですね。

セブ山:いっしょに行ってたんですよね。

シモダ:行ってましたよ。

セブ山:それを出した時に、山口さんはどう思いました?

山口:「こちカセ」かぁ。

セブ山:(笑)。略してね。「こちらカーセックス研究所」略して、「こちカセ」。

山口:twitterとかで流すときは、アカウントの中に、「kochikase」ってのをつけて、流すんかなー? と。

セブ山:文字数、決まってますからね。

シモダ:なんやろ? 長期連載かなぁ。

セブ山:「こち亀」に寄せていったわけですね。

シモダ:そうね。秋本(治)先生にね。両津勘吉が、Hondaさんの車の中で、ガンガンガンガン麗子とヤる。

セブ山:失礼な! いろんな人に怒られますし!

Hondaの懐の深さは世界一!

セブ山:さて、いろいろお話伺って来ましたけれども、最後に、シモダさんに社長目線で見た今回の案件のお話を伺っていきたいと思います。いろいろ尖った企画やりましたけれども、最初、それを出す前に、どういう目標とか目的というものを設定されていたのかなと。

シモダ:今回は本当にビッククライアントというか、世界的な企業じゃないですか。

セブ山:世界のHondaさん。

シモダ:ブランディングもすごいわけですよ。Hondaさんて、やっぱり。みんながすごい会社だって知ってるし、そこに対してどういうギャップを付けれるか? ってのが1番ギャップが効きやすいですよね、むしろ。すごい、良い物ばっか作ってきた場所なんで。

そこに、おフザケしてギャップを効かせた場合、Hondaさんが「あれ? ちょっとなんか、こんなカワイイところもあるんだ」とか「え? そこOKするんだ。すごいね」「度量が大きい」みたいな感じに思ってもらえたら勝ちだな、って思ってましたね。

セブ山:うーん、なるほど。山口さん、数値的なところは不明じゃないですか?

山口:数値はわかんないですよ、正直。インターネットのプロモーションと、実際、車が何台売れた? ってのは、なかなかいっしょにデータ取れないんで。さっきシモダが言ったみたいに、それでHondaさんのブランドイメージがよくなるんだったら、これはいいことかなー、ってのはゴールだと思いますね。

セブ山:どうなんですか? 実際、出してみて反響というか、想定してたとおりの反応はあったんかな?

シモダ:そうですね。「Hondaやるな」みたいな声とか、「Hondaがガンガンいってるぞ」みたいな感じの。ウチとしても「Hondaとやってるんだ」むしろ、「HondaさんがOKなら僕が持っている担当もいけるんじゃないの」っていうので、いっぱいお話頂くようになったりとか、お仕事の相談頂いたりとか。

山口:そうですね。

セブ山:ほんじゃもう、バーグ的にも、もちろんHonda的にも、大成功!!

シモダ:すごいよかったです。それは。

山口:マネーの波が止まんないっす。

シモダ:うん。

山口:マネーの波がね。

シモダ:すごいですよ、もう。脱税&脱税ですよ。ウチでやることは。

セブ山:いやいや、違うでしょ。ダメですよ。

山口:経費に計上。

シモダ:バンバン行きますよ。

山口:バンバンバンバン。

セブ山:それだけね。懐が大きく広いHondaさんですけど、聞くところによると、さすがにボツになってしまったネタがあると聞いたんですが……。これ、お聞きしてもいいですか?

山口:ダメです。

セブ山:いやいや、折角これ、バーグハンバーグバーグTVの裏側の話をしてるんですからね。

山口:わかりますけど、無理なんです。

セブ山:お願いします。

山口:もう、無理なんです。これは……。

セブ山:いや、大丈夫です。ダメならバーンとカットしますから。

山口:いやいやいや。言えないです。

セブ山:ダメですか? シモダさん、いいでしょ?

シモダ:本田宗一……。