グッズも使う、親孝行の春画?

島貫泰介氏(以下、島貫):こちらも、おせんさんですね。

クドウ氏(以下、クドウ):さっき買ったものを使っているという絵になるんですけれども(笑)。これ、張型ですよね。結構大きい張型を装着して入れているんですね。

浦上満氏(以下、浦上):これもさっき言ったように、若いんですよ、男性がね。それで、これだけじゃないけれども、女性がちょっと年増でしょ。このシチュエーションが、さっきの「喜能会之故真通(きのえのこまつ)」(注:前出の葛飾北斎「蛸と海女」が載っている艶本)にもありましてね。詩が書いてあるから読むとおもしろいんですよ。なんと、親子なんです!

近親相姦かと思ったらそうじゃなくて、養子なんですね。美形の男の子をもらい受けてきて、未亡人が養子にするんです。それで何をするかというと、「親孝行に励みなさい」と言ってね。大変なんです。「おっかさん、もう勘弁してください」「何を言っているんだ、まだもっと親孝行しなさい」っていう。そういう笑い話なんです。これなんかも、ちょっとそれに近いんです。最後に張型を使ってまで。

クドウ:雁高で。

浦上:あぁ、雁高だね。本当だ。

クドウ:張型の雁高を使ってやっている。結構、この紙くずがすごい気になってしまうんですけど。

浦上:そうなんですよ。この春画っていうのはめちゃくちゃなんですよ。読むと、「7枚あったけど、あと3番いこうぜ」とかね(笑)。訳のわからないことがいっぱい描いてあって。

これは、クドウさんも気がついたようですけど。僕、香港のサザビーズで2年前に展覧会したんです。サザビーズってオークション会社なんだけど、「売り物じゃない」っていう状況なのにすごく感じのいい会場作ってくれて。ものすごいたくさん人が来て、若い女性が圧倒的に多かったんだけど。

その時、一番話題になったのは、「Oh, many tissues !」(笑)。そんな感じで、いっぱい描いてあって。その時に、雁高と描いてあるのが、そのことですよね。実は、北斎の隠号というのがあるんです。春画を描く時、名前を変えたりするんです。あの人は、「紫色雁高(ししきがんこう)」というんですね。紫色の雁高なんですね。みんなすごい名前をつけているのね。

例えば、広重って真面目なんです、結構。でも、春画書いてます。みんな描いたんです。浮世絵師で描かない人いないです。広重の隠号は、「色重(いろしげ)」っていうんです(笑)。あと、「婦喜用又平(ぶきよていまたへい)」(注:歌川国貞の隠号)とか、「淫水亭開好(いんすいていぼぼ)」(注:歌川国盛の隠号)とか、すごいの名前をつけて、それだけでもおもしろい。

江戸時代の性具は今と同じ

島貫:まさに性具だけを描いた春画をいくつかご紹介していきたいと思います。これはもう、もろに張型ってやつですね。

クドウ:そうですね。真ん中にどかんとあるのが張型で。水牛とか鯨の歯で昔は作っていたみたいですね。硬くて痛そうな……。一番右のこれなんですけども、おそらく兜型。兜型って、昔のコンドームなんですよ。どうやって使うのかというと、張型の上の部分を切り取ったものなんですけど、男性器の上の部分に装着させて挿入すると、精子が漏れないっていう使い方をしていたみたいですね。TENGAでいうと、TENGAコンドームです!

島貫:なるほどなるほど! 普通に、外れたりしないのかなっていうのが。

クドウ:そうですね。

島貫:ちょっと不安もありますけども。次行きましょう。これは、肥後芋茎(ひごずいき)ってやつですね。装着された状態で。左側は、多分。

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