急激に減り続けているカエル 人類にどんな影響が?

Disappearing frogs #1/2

カエルは人間の生活に大きな助けをもたらしています。例えばハエなどの病原菌媒介生物を食べ、そのことによって私たちをマラリア、デング熱、その他の病気から守っています。また、カエルの皮膚に存在するいくつかの抗菌ペプチドはHIVを殺すことができるなど、薬の材料としてもとても優秀です。実は、生物学・薬学におけるノーベル賞のうち10%以上は両生類を用いた研究を行った研究者たちに贈られているのです。カエルや両生類にはこのような多くの価値があるにもかかわらず、その数は減少しています。過去数十年にわたりその数を減らし、今では3分の1にあたる両生類が絶滅の危機に瀕しており、すでに100種類以上が絶滅しています。そしてその原因は人間にあります。このような状況を抜け出し、人間にとってもカエルにとっても住みやすい世の中になるためにはどのような取り組みが必要になってくるのでしょうか?(TED-Edより)

人間の影響で100種類以上が絶滅している両生類

あなたは夜に鳴くカエルの声を聞いたことがありますか? 数億年ものあいだ、このゲロゲロと鳴く子守歌は夜の空気を満たしていました。しかし、最近の研究ではカエルたちが危機に瀕しているというのです。

過去数十年にわたって、両生類の個体群は世界中で急激に消滅していっています。ほぼ3分の1にあたる両生類種が絶滅の危機に瀕しており、100種以上がすでに絶滅してしまいました。

でも、心配しないでください。まだ望みはあります。カエルを救う方法に進む前に、なぜカエルたちは絶滅しようとしているのか、またなぜ彼らを保護するのが大事なのかについて見てみることにしましょう。

世界中のカエルの個体群にとって、生息地の破壊が一番の問題です。地球上には70億人の人間がいて、住む土地をめぐり私たち人間はカエルと争っています。私たちはカエルの生息地の上に街、郊外、農場を作ります。そして森を切り開き、多くの両生類個体群にとって家の役目を果たす湿地から水をはかせるのです。

気候変動は降水量を変えてしまい、池、小川、雲霧林(注:雲霧林は雲や霧のかかる場所にできる森林でコケが密生している。熱帯雨林地域に見られる)は干上がり乾燥しました。地球の人口が増え続けるにつれ、両生類が直面する脅威も増大していきます。

カエルが終末に近づく要因は他にも様々なものがあります。ペット用の乱獲や食用の取引で、毎年何百万ものカエルが野生から外に運び出されています。外来種のトラウトやザリガニのような導入種がやって来ると、彼らは元々そこに住んでいたカエルを食べてしまうのです。

人間は毎年100万匹以上の両生類を世界中に船で運ぶことによって、感染症の拡散を促進しています。運ばれたカエルは食品、ペット、餌として使用されるほか、研究所や動物園にも送られますが、輸出入時の規則や検疫はしっかりしていません。

感染症のうちの1つであるツボカビ症はアフリカ、オーストラリア、北・中央・南アメリカで、小川に生息する両生類の個体群を絶滅に追いやりました。

これら問題の一番上に、毎年何百万キロも私たちの生態系に撒かれる殺虫剤のことを付け加えておきます。

化学薬品は両生類の持つ浸透性の皮膚から簡単に吸収されて免疫抑制を引き起こすか、もしくは免疫系を弱めるか、発達上において奇形を発生させます。

カエルを保護することが大切な多くの理由

では、これらの小さな緑くんたちをなぜ保護するべきなのでしょうか? カエルは多くの理由から重要な存在です。 彼らは食物連鎖において不可欠な存在であり、ハエ、シラミバエ、蚊やその他の病原菌媒介生物を食べ、そのことによって私たちをマラリア、デング熱、その他の病気から守ってくれるのです。

オタマジャクシは藻を食べて水路をきれいに保ってくれます。そして私たちのコミュニティが持つろ過システムへの負荷を減らし、水にかかるコストを低く抑えています。

カエルは、鳥、魚、ヘビ、トンボや、サルにまでも食料源として役立ちます。カエルがいなくなると、食物連鎖は乱されて他の動物たちも同様に消えてしまうかもしれません。

また、両生類は人間の薬としても非常に重要です。10%以上の生理学・薬学におけるノーベル賞は、両生類を用いた研究を行った研究者たちに贈られました。

カエルの皮膚に存在するいくつかの抗菌ペプチドはHIVを殺すことができ、いくつかは鎮痛剤として働き、また他は自然の虫よけになります。もしカエルを救えば、多くの発見が私たちを待っているでしょう。しかし、カエルがいなくなれば人間の健康改善への期待はもはやなくなります。

運よく、あなたがカエルを助けられる方法がたくさんあります。始めるのに一番良い方法は、あなたのエコロジカル・フットプリント(注:人間がどれほど自然環境に依存しているかを、わかりやすく伝える指標)や日々の行動を改善することです。あなたが夜の子守歌を聞く次の機会には、単にうるさい音がまた聞こえてきたと思わずに、助けを求める声だと思ってください。ケロケロと完璧なハーモニーを奏でる声だ、と。

(編集協力:伊藤勇斗)

<続きは近日公開>

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