「自分がやりたいことをやる」スープストック創業者が福沢諭吉に学んだ、ビジネスで大切な3つのこと

やりたいことをやる | 遠山正道 | TEDxKeio

スープストックトーキョー創業者・遠山正道氏が母校・慶應義塾大学で行われたTEDxKeio2013に登壇。ビジネスを行う上で、コンサルティング会社の提案や流行の商品を取り入れて利益が出なかったとき、外部の要因のせいにしてしまいがちです。遠山氏はそういった外部の要因に流されないための3つのポイントについて、福沢諭吉の「独立自尊」という言葉をキーワードにしながら語りました。(TEDxKeio2013 より)

「独立自尊」という言葉のすごさ

遠山正道氏:今日は何のテーマで話そうかなっと思ったんですけど、慶應ですからね、ここはやっぱりド直球で「独立自尊」。

皆さん、ご存知ですよね。私も小学校からだから、歌が最初「独立自尊の」ってところから始まるんですね。

これ知ってました? 意外とマイナーなんですよ。「独立自尊」って。私、身近で聞き取り調査すると、だいたい3割ぐらいですね、認識率。

4人いるでしょ。4人いて「独立自尊って知ってる?」って聞くと「知らない」って。全然普通にありますから。日本でそうですから、世界でいったら、まぁどうでしょうか。

0.002%ぐらいでしょうかねぇ。逆に言うと、我々は貴重な0.002%に入ってる人たちってことですよね。

そんな貴重な言葉を知っている仲間でお話をしたいと思うんですけど「独立自尊」って言葉はすごい。

字がすごいですよね。「独りで立って自らを尊ぶ」。独りで立って自らを尊敬するということですよね。

私、これすごいなと思ったのは、この4~5年くらいから。自分でビジネスやりだしてから、なんかこの「独立自尊」って言葉のすごさを感じるようになりました。

今日は、そのことを自分のやっているビジネスに絡めて、三つぐらいのことをちょっと、お話しようかと思います。三つ、同じような話なんですけど。

一つはやりたいことをやるってこと。もう一つは、人のせいにしないってこと。もう一つは、自分の庭先。この三つの話をします。

やりたいことをやる

一つ目。私は新しいリサイクルショップのPASS THE BATONっていうブランドをやっているんですけど、その本が先週出たんです。その本のタイトルが『やりたいことをやるというビジネスモデル』っていう本なんですね。

タイトルの通りって感じなんですけど、我々、スープストックもPASS THE BATONも、giraffeも、まさにやりたいことからスタートした。

我々は最初のスタートのところをすごく大事にしてるんですね。やりたいこととか、自分で気づいちゃったとか、なんかときめいちゃったとか、きらめきとか。

それに意義みたいなこと、社会的な意義だとか、元が大事ですよね。やりたいっていう気持ちとか。社会的な意義とか社内的な意義。

そういうのをすごく大事にする。どうしてかっていうと、仕事って大変じゃないですか。大変なことのほうが多い。全然うまくいかないっていうか。

我々スープストックもPASS THE BATONもgiraffeも、全然自慢じゃないですけど、安定するまで何年も掛かるんですね。

売り上げとかご評価とかは頂けるんだけども、最後の利益が出るかどうかはなぜか別問題で、大変……。仕事ってね。

それで、いつでもブランドが無くなるタイミングってあり得たんですよね。「これってどう? もう赤字なんだけど」みたいに言われて「ですねぇ」みたいな。

だけど、やりたいとか意義があるとか、あるいは「この景色を見ようって決めたじゃんかよ」とか。そういうのが無いと、本当に続いていかなかった。

でも、それがあると、粘れたりとか踏ん張りがきいて、気がついたらビジネスとして成立してたと。本当、そんな感じなんです。だからその根っこを大事にしている。

自分でジャッジして、自分でやる

逆にいうと、外の要因。儲かるらしいとか流行ってるらしいとか、そういうのは本当無理です。儲かるらしいっていう話は、儲りゃいいですよ、ビジネスだから。株主もにっこりですけど。

儲からなかったときって「なんだっけ?」みたいな。例えばね、みのもんたさんが「ブルーベリー、目にいいですよ~」っていうと、ブルーベリーが売れる。

「よっしゃ、ブルーベリーだ!」とか「ブルーベリー煎餅作るぞ!」とかいって、ブルーベリー煎餅を売る。

売れりゃいいけど、売れなかったときに「社長、どうしてブルーベリー煎餅でしたっけ?」。「みのもんたがブルーベリーって言ってたのに、つべこべ言うな!」とかね。

あるいはアンダーセンが「マグロのDHA、頭が良くなるんですよ~」「だよね。知ってる」とかいって。

「よし、DHAプリンだ!」とかいって「頭の良くなるプリンです!」とかいって、売れりゃいいけど、売れなかったときに「社長、なんでDHAプリン?」。今、アンダーセンはアクセンチュアっていうんだっけ?

「だから、アクセンチュアに2000万払ってるんだよ。つべこべ言うな!」って(笑)。

あるいはお客さんにアンケートとって「やっぱりワカメよね、髪の毛黒くなるし」って。「そうか、ワカメだよね。じゃあ、ワカメババロアいきましょう!」とかいって。

売れなかったときに「お客さん、ワカメって言ったじゃないですか!」とかいっても話にならない(笑)。これ、どういうことかっていうと、べつにお客さんが悪いわけでも、アクセンチュアが悪いわけでもなくて。

それを鵜呑みにしている私が悪いわけですよね。情報ってのはもちろんあって、世の中の流れもある。

だけど、自分でジャッジして、自分でやる。その順序が無いと、失敗したときに、本当に失敗しがいが無いっていうか、人のせいにして。

「またテレビでみのもんた見るの?」みたいな。なんだかよくわからないですよね(笑)。

だから、自分たちの中にあることじゃないと、どうもスタートできないっていうことを大事にしてます。それを一言でいうと、やりたいことをやるっていうこと。

誰かのせいにしない

二つ目は、誰かのせいにしないっていうこと。これはうちの会社でよく言うんですけど、似たような話かな。社会や会社や上司や他人のせいにしない。

例えば、ある人が仕事が辛いと。「この上司の下じゃ、ロクないい仕事ができません。あんな上司の下じゃ嫌だ」というひとがいる。

そういう人は、たぶん会社辞めて、次の会社に行っても、同じようなことを言ってると思うんですよね。

例えば、ポーカーやってて、カードを配られて、いきなりフルハウスなんてあり得なくて。その配られた環境の中で、どうやってそれを勝負するかってところがおもしろいわけであって。

だから、その中で自分としてどうするかっていうと、仕事なわけですよね。他者のせいにしない。

まずは自分のところだけしっかりやろう

それから三つ目が、自分の庭先っていうこと。「自分の庭先は自分で整えようね」。人の庭のことばっかり文句言って、自分の中だけ荒れてるって、どうかな。

まずは自分のところだけしっかりやろう。大きな庭の人は大きな庭なりに、小さい庭の人は小さい庭なりにやる。

それぞれ自分の好きな個性的な、大きなところには大きいクスノキがあったり、小さい庭は自分で好きなタンポポ植えたり、ハーブを植えたり、芝生を植えたり。

そういう自分たちの個性的なものをやればいい。みんながそうなるといいですよね。

日本ってそういうの向いてると思いますよね。人の批判をするよりも、まずは自分のことをやろうっていうのが、すごく性質にも向いてると思うし、あるいは日本の風土、地形。

鎖国状態のような島国。これもある種ドメスティックだけど、これもひとつの民族で成立しているから、一人ひとりが自分の庭先を整えて、まずは日本という国全体がそういうものになっていくっていくのは、すごくやりやすい環境にあるんじゃないかなと思います。

今言った三つのようなことは、当たり前のようなことみたいな感じなんですけど。要するに、意外にそうじゃないものって多い。仕事のための仕事みたいなね。「昨対105%。103%じゃダメでしたっけ」みたいな。

「何の為だったんだっけ?」みたいな、よくわからないことがグルグル、その中で回っちゃっているようなこととかね。

そうじゃなくて「元々どうしてやっているの? なんでやるべきだったんだっけ? 意義はなんだっけ」っていうところをやっぱり大事にしないと、本当に一生掛けて何やってるんだかわからなくなっちゃう。

そういうようなことを、冒頭の「独立自尊」。福沢大先生の言葉をお借りするのもね、ちょっと憚(はばか)られるので「独立自尊的なるビジネスモデル」みたいなね。

そんな言い方で、一人ひとりが、みんながそういう会社を作って、会社で働いて、一人ひとりがそういうことで満たされた、穏やかで個性的な国。そんな国に、なんか住みたいですよね。

私もそんな景色を見たいと思います。皆さん、どうでしょうか。

ありがとうございました。

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