「飼い主について犬のボクが思うこと」

ビリー・コリンズ氏:皆さんはお気づきか分かりませんが、最近犬の認識力や感情を熟考または推測している本が多数出版されています。犬は考えたり、感じることが出来るのでしょうか……出来るとしたらどうやっているのでしょう?

ということで今日は、私の限られた時間の中で、「話して」という言いつけにしっかりと従ってくれたこの2匹の犬を紹介しながら、そのことを当てずっぽうですが推測してみたいと思います。

最初に紹介する犬は、こちらです。彼は飼い主と自分の関係を深く考えています。タイトルは「飼い主について犬のボクが思うこと」です。

「見た目は若いけど、ボクは飼い主よりも早く歳を取る。7歳対1歳の割合らしい。数字はどうであれ、ボクはいつか飼い主よりも年上になって先導するんだ、いつも林の中を一緒に散歩する時みたいに」

「そして、もしそのことに飼い主が気がつくことがあったら、ボクが今まで雪や草の上に落とした影の中で、それは一番素敵なものになるだろう」

(会場拍手)

ありがとうございます。

飼い主に会いに戻って来た犬の魂

そして、次の犬は幽霊として話をしてくれています。飼い主に会いに戻って来た魂というわけです。

「ボクはあなたに安楽死させられた犬だ、あなたが忘却の針と呼ぶやつで。1つ言いたいことがあって戻って来た。ボクはずっとあなたが嫌いだった」

(会場笑)

「あなたの顔を舐めた時、あなたの鼻を噛みちぎってやろうといつも思っていた。あなたがタオルで自分を拭いているのを見た時、跳びかかって噛み付いて、去勢してやろうとも思っていた」

「あなたの行動や動物への思いやりのなさ、ナプキンを膝に置いて、ナイフを片手にご飯を食べる時の椅子の座り方、全てにいつも腹を立てていたんだ」

「逃げることもできただろうけど、ボクは臆病すぎた。お座りやヒールなんていう芸も教え込まれたけど、何より屈辱的だったのが、手のないところで握手をさせられたことだ」

「たしかに散歩用リードには興奮したけど、それはなぜなら、あなたの匂いのしないものを外に嗅ぎに行けるということを意味するからだった」

「あなたはこんなこと信じたくないかもしれないけれど、ボクには嘘をつく必要なんてない。車もゴムのオモチャも嫌いだった。あなたの友達も大嫌いだったし、あなたの親戚なんてもっと最悪だった。首輪から鳴るチリンチリンっていう音にも頭がおかしくなりそうだった。あなたはいつもボクが痒くない場所を掻いた」

(会場笑)

「ボクはあなたから食べ物と水だけもらえればよかった。月が空に昇ってあなたが寝ている間、あなたが寝息を立てるのを見ていた。頭を上げて遠吠えしたい気持ちを抑えるのに、全神経を集中させたよ」

「今やっと、ボクは首輪から解放され、黄色いレインコートやモノグラムのセーター、不条理な庭の芝生からも自由になったんだ。あなたがすでに知っていること以外で、この場所について知っておくべきことはこれだけでいいだろう」

「もっと早くにできるようにならなくてよかったと思っているんだけど、ここではみんな読み書きができるんだ。犬は詩を書くし、猫や他の動物は散文でね」

ありがとうございました。

(会場拍手)