過保護な親は要注意!
子どもにやらせたほうがいい5つの危険なこと

5 Dangerous Things You Should Let Your Children Do: Gever Tulley at TEDxMidwest

世の中には子どもたちが危険にさらされているというニュースが氾濫しています。ゲーバー・タリー氏はメディアから得た情報を元にリスクを認識している状態を危惧し、子供が自らの経験によって危険を察知する能力を磨くための5つの方法を提案しました。親があまりにも過保護に子供を育てることは、実は子供のためにはならないのかもしれません。(TEDxMidwest より)

子供が電池を舐めても問題ない

ゲーバー・タリー氏:あまり時間がありません。18分間のプレゼンテーションを用意しているのですが、8分間でやらなければいけません。ですから準備してください。危険についてお話しますので。

まず、ボランティアが必要です。

(ガムテープを持ち出す)

(会場笑)

それは冗談ですが……。私と妻は「50の危険なこと」という本を書きました。

裏にいるスライド担当が、私のノートを映し出してくれると助かります。これから大事な数字を用いてプレゼンテーションするのですが、もうそれを忘れてしまったので……。

私たちはこの本を書きましたが、オーストラリアの児童心理学者は、この本は子どもたちを傷つけ、死なせてしまうような活動に参加することを奨励するものだと言いました。

彼は実際に本を見ることも、読むこともなくそのコメントをしたのです。彼はこの本が実は安全について書かれているということを完全に見逃しています。

では、この子どもを傷つけ、死の危険にさらす本の最初のトピックを見てみましょう。「9V電池を舐める」です。

(会場笑)

では、9V電池を舐めたことがある人は手を挙げてみてください。

(会場笑)

この会場には良い子だらけですね。

(会場笑)

では、今夜電池を舐める人は手を挙げてください。

(会場笑)

私と妻は、みんなこれはやったことがあるだろうと思い、これを本の最初のトピックに選びました。

間違っていましたね。9V電池を舐めることのリスクには、感電死、舌の火傷、味覚消失があると思われています。そして実際のリスクはというと、無害なのです。

このような家庭での事故を記録する疾病対策センターによると、9V電池を舐めて怪我をしたという事故は1件も報告されていないのです。

ではこれらの間違った認識はどこからきたのでしょうか? 最近は、どこからそれがきたのか簡単にわかりますね。

どれほどメディアが危険にさらされた子どものニュースを好むかは、言う必要はありませんね。

カザフスタンの人々は現地時間朝の3時にこのニュースを見ているのです。私たちの社会の子どもたちは過保護にされていると思いませんか?

子どもたちが危険の中にいるという錯覚

このように子どもたちが危険にさらされているというニュースが氾濫していることが、実際に子どもたちが危険の中にいるという錯覚を作り出すのです。

そして私たちのリスクに対する認識は、論理的分析に基づいているのではなく、ニュースやメディアから聞くことに基づいているのです。この話をするために、新しい言葉を作りました。

Dangerism(デンジャーリズム)です。

(デンジャーリズム:名詞:特定の行為を危険だと見なす思考体系または信念体系)

この言葉を覚えておいてください。これはCarnism(カーニズム)という言葉に基づいています。

メラニー・ジョイの「なぜ私たちがブタを食べ、馬に乗り……」違いますね。「なぜ私たちがブタを食べ、犬をかわいがるのか」という本の中で創作されたものです。本のタイトルが間違ってますね。ごめんなさい、メラニー。

しかし、家族の歴史、文化の内容、幼少時の個人的な経験のほうが、実際の目に見えるリスクよりも危険認識に関係しているということがわかりました。

そして私たちの恐怖症や、どの動物を食べるかという選択のように、これには合理的根拠はないかもしれません。

そして私たちの持つ恐怖感はメディアに毒されすぎていて、親が子どもについて心配するトップ5(1位:誘拐、2位:学校での銃撃戦、3位:テロリスト、4位:危険人物、5位:ドラッグ)は、実際のアメリカでの子どもの死因(1位:車事故、2位:他殺、3位:虐待、4位:自殺、5位:溺死)とはまったく異なっているという状態です。

ご覧のとおり、忍者はそのリストには入ってません。

(会場笑)

そして最も良くないことは、私たちは子どもたちに対し、どれほど知らない人が危険であるかという話をするために何時間も費やしていますが、その時間は、子どもたちが外に出て、家族で過ごし、泳ぎ方を教えることに使ったほうが有効だということです。

これらのことはおもしろいニュースにはなりません。この無用な心配と戦い、子どもたちが現実の世界の本当の危険に対応できるよう、私は「子どもにさせるべき5つのより危険なこと」を紹介します。

私たちは、子どもたちが危険を認識し、軽減することを学べる機会を故意的に作ることで、このまん延した恐怖心に対応することができます。では発表しましょう。

子どもにさせるべき5つのより危険なこと

1つ目は、学校まで歩くこと。

アメリカでは車の事故が、子どもたちの死因の1位になっています。単純に車の中で過ごす時間を減らすことで、その危険を減らすことができるのです。

この国の親が一番恐れていることは、誘拐です。家族でない者による誘拐は、子どもを危険にさらすものランキングの上位5,000位にも入っていないのです。

そして学校へ歩いていく子どもたちは、人を見る目、状況認識に優れているため、被害者になりにくいという研究もあります。

そして歩くという習慣は、生涯にわたり記憶力の向上、運動習慣、独立心、長期的な幸福感という利益を生みます。

2つ目は、木に登ることです。

子どもたちは自然の中で遊ぶとき、より大きな認識力を発揮します。これはドイツで行われた有名な研究ですが、子どもたちは遊ぶという活動に、より注意を払うようになるのです。

そしてジャングルジムと違って、木を登るときには、一瞬一瞬どうやって登っていくか考えなければなりません。木は1つひとつがユニークなので、ユニークな挑戦をもたらすのです。

そして木に登った子どもは、自分自身に責任を持たなければいけません。木の上に登ってしまえば、両親からは届かなくなってしまうからです。それに木の一番上まで登ることで特別な感覚の自由を手に入れることができます。

3つ目は、虫眼鏡を使っていろいろなものを燃やすことです。

子どもたちは早い段階から、ほぼすべての地球上の生命の源が太陽であることを学びます。小学生のときに理解しますよね。

しかし、実際に太陽光を利用するまでは、太陽光がどれだけの力を持っているかという直観を感じることは本当に難しいものです。

そしてそれはまた、何が燃えて、何が燃えないかを発見するという新しい実験をする素晴らしい自発的な方法でもあります。

もし火が心配でしたら、水の入ったペットボトルを渡してください。反射は屈折よりも直感的であり、レンズで遊ぶことは、子どもたちがそれを理解することを助けます。

4つ目は、袋の中で爆弾を作ることです。

私たちは、化学物質から構成され、化学物質に囲まれ、化学物質を消費しています。しかし、探検という目的で、私たちが化学と遊ぶ機会はあまりありません。

私たちが実験できるシンプルな化学反応は、私たちの世界の基本的な自然界への深い理解に対する概念的基礎をもたらします。家庭できる化学実験セットはなくなってしまったし、今では学校は重層とお酢を使って火山を作る実験を禁止しています。

だから子どもたちのために実験の機会を作ってあげなければいけないのです。小さな爆発を作りだすことは子どもたちに化学の概念を教えることになりますし、分量を間違えることは科学的方法を経験する素晴らしいやり方です。

そして5つ目は、指を接着剤でくっつけることです。

一時的な障害を持つことで、自分たちの持つ身体的能力に感謝することができます。必要性は、発明の先駆けです。親指を使わずにピーナッツバターの瓶を開けようとすることで、私たちは創造的にならざるをえません。

1時間ずっと瓶を開けようとし続けることで、脳は実際に、この身体的制限に対応するために、新しい運動感覚の地図を作りだすのです。

そして接着剤がはがれた瞬間、普段の能力が特別なものに感じるようになるのです。子どもたちの安全を確保するために最も効果的な方法は、危険の味を少し味わわせることなのです。

ありがとうございました。

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