「困難はチャンスへの扉です」 難病を抱えた15歳の少女、人生を意味あるものにするための秘訣を語る

Life of Impac #1/2

嚢胞性線維症(CF症)という難病を抱えて生きてきたクレア・ワインランド氏。同氏は自らの病気について考えた結果、困難こそが人生のチャンスにつながると語ります。困難を情熱や人生のインスピレーションに変える彼女の生き方とは?(TEDxMalibuより)

幼い頃から難病を抱えて生きてきた

「この若い女の子は酸素器をつけて、一体こんなところで何をしているんだ?」と思われている方、すぐにご説明しますから安心してください。皆さんには私のストーリーを他の見方で捉えて欲しいのです。

というのは、私のストーリーを知った後、多くの人は「それは大変でしたね。何かできることがあったら言ってくださいね」と同情してくれるのですが、そうではなく世界に影響を与えるストーリーとして聞いてほしいのです。この困難を、問題があることがチャンスになると知って欲しい。それを忘れてしまう人が多いからです。

今日のこのイベントもそうです。私は夢や自分のしていることにワクワクしている人々の周りにいると、物すごくエナジーを感じてワクワクしてきます。でもそうではない人もいるのだということに気がつきました。世界からワクワクする気持ちが減っているようです。ベッドの上で何時間も何時間も考えた結果、私達が人生の中で問題だと思うことは実は全く問題ではないということを多くの人が忘れてしまったことが理由だという結論にたどり着きました。問題のように見えることはすばらしいことに繋がるチャンスなのです。それを思い出してほしい。

私の名前はクレア・ワインランド、15歳で嚢胞性線維症(CF症)を患っています。この疾病は遺伝性疾患の一種ですが、アメリカ人だけでも30,000人がこの病を患っています。多くの人がCF症について何の知識も持ち合わせていません。ここにいらっしゃるお医者様はご存知だと思いますが。私はこの病と生まれた時から付き合っていますので、人生の辛い時期や困難な時期、常にCF症が私と共にありました。

もちろん社会が言うところのいわゆる「普通」の女の子に生まれていたら、と思うこともあります。しかしそれよりも「異常」であることで私が学んだことを世界と共有したいという気持ちが強いです。この病気との付き合いから私は多くのことを学びました。人が私と同じように彼らの抱えている問題から学ぶことができるのだと気づいてくれるのがとても嬉しいのです。それが私が今日ここに立っている理由です。

CF症を生まれながらに患うということは多くの人が考えるほど困難ではありません。私はこれまでの人生の30%程度を病院内で過ごし、25の手術を受けてきました。私はこの病気に屈することなく、その瞬間瞬間を生きてきました。病気のおかげで常に前に進まざるを得ない人生を送ってきました。以前医師から言われたのですが「ある意味やらなければならない仕事のようなものね、特にいつ命を落とすかわからない時は。」

命を落とすことよりも怖いこと

死ぬことは最も恐れることではありません。それよりも怖いのは情熱無しの人生を生き、人生の終わりが近づいて初めてそれに気がつくことです。何にも情熱を捧げてこなかったと気がつくことです。死ぬよりもそれが本当に怖い。

2年ほど前「ルーティン・手術」に入りました。「ルーティン(決まりきった)」という言葉を使うのが好きなのは、多くの人が「手術」と聞くと大事に捉えてしまうからです。手術に入りましたが、その手術中に私は敗血症を起こし、意識不明の重体となりました。

肺呼吸が困難となり人工呼吸器が導入されましたが、それもあまり役に立たず、それよりも高度な人工呼吸器が導入され、その後私は3週間意識が戻らない状態でした。その後リハビリをして今のこの状態に戻るまでに3ヵ月かかりました。

多くの人が「その3週間があなたとご家族にとって、もっとも大変な時期だったのでしょう」と言いますが、その3週間は素晴らしかった。50人ほどの人が手術中の私を待合室で待っていてくれました。病院のカフェテリアでも私のために祈ってくれる人がたくさんいました。意識不明の時「大丈夫。すべて上手く行く」と感じたことを覚えています。

皆さんはビジネスのため、インスピレーションを得るため、ご友人に連れられて、今日この場にいらっしゃるのでしょう。人それぞれ理由がおありでしょう。しかし私は、人は誰でもインスピレーションを求めていて、誰しも情熱を持って生きたいと願っていると信じています。

誰しも「最終的にはきっとよくなる。大丈夫」であると安心したいのだと思います。ここに誓いましょう。「最終的にはきっとよくなる、きっと大丈夫だ」と安心するための一番の方法は情熱を持って生きることです。絶対にそうだと保証します。

今日ここでスピーカーの皆さんがこれと同じメッセージを送り、情熱を持って生きることの例を示してくれました。しかし、この会場を出た後しばらくはインスピレーションを受けて興奮状態かもしれませんが、徐々に元の生活に戻っていくのではないでしょうか。

今日ここで感じた情熱や興奮を忘れてしまうのです。私も忘れそうになることがありますが、このように酸素マシンが常に身体にくっついているので忘れることができません(笑)。

(会場笑)

「人生はフェアではない」「人生は困難の連続だ」と多くの人が言います。そうかもしれませんが、困難はチャンスへの扉です。つまり人生を生きること自体が情熱的で満足できる人生への道なのです。すばらしいと思いませんか? 特別何かをする必要はないんですよ。生きているだけで出会う困難を情熱やインスピレーションへの気力にするのです。

意識が回復した後、私と私の家族はCF症を患う子供やその家族を支援する財団をつくりました。なんとか生き延びるためではなく、CF症と共に生きながら、すばらしい人生を全うするために。母がこの財団のビジネス部分を担当してくれています。私はまだ子供なので詳細はまったくわかりませんから。

(会場笑)

私の仕事はその財団の裏方、人をインスパイアすることです。この機会を本当にありがたく思っています。CF症を患う子供たち、特にティーンエイジャーがCF症によって人生が狂わされた、もう普通の人生を歩むことはできないと絶望しているのを目の当たりにしてきました。「そう、普通の人生を歩むことはできないわ。だってあなた達はすばらしい人生を歩むのだから!」と励まします。

困難は挑戦でありチャンス

この病は私にたくさんのチャンスをくれました。それはもうまさか自分が出来るようになるなんて思ってもみなかったことをするチャンスを。

昔「私は幸せなんだ」と人と議論になったことがあります。私が9歳の時だったでしょうか、ある人が病室にやってきました。私の病室はアートスタジオのような状態でした。その時は陶芸をやっていたのですが、やってきた男性に「こんなことになってかわいそうに」と言われました。

「大丈夫ですよ。今陶芸をやってるので」と私。「真面目に。本当にお気の毒です」と彼は続け、そのようなやり取りが数回続いた後に「私は別に自分をかわいそうだなんて思ってないんだってば!!」と叫んだことを覚えています。

本当です。私には後悔することがほとんどありません。このような恐ろしい病を抱える人に後悔することがほとんどないなどあり得ない? 私に後悔がないのは人生の困難は私達の人生を停滞させるためにやってくるのだという信念を持っていないからです。

そうではなく、困難は前に進むために与えられるのだと信じています。これがワクワクする人生を送り自分の人生を誇る人と、悲観的で年を重ねるごとになぜ生きているのか人生の目的を失ってしまう人の違いです。違いはたったこれだけです。

ここにいらっしゃる皆さんそれぞれの問題を抱えていることでしょう。そしてそれに対して「困難を乗り越えることが出来さえすれば」と思っているかもしれません。それを今すぐやめてください。困難を「乗り越えよう」とすると、皆さんの人生は困難を「乗り越える」ことがすべてになってしまいます。それでは自分の人生を誇ることはできないですよね。

人生の挑戦を探すのです。そしてそのチャンスを利用するのです。病を抱える人に、世界はすばらしいと教えてみてはどうでしょう? CF病は人に私の話を聞いてもらうために与えられたギフトではないかと思っています。

責任重大ですが、私はそれを受け入れました。もちろんCF症は命を奪うこともあります。CF症を患っていた私より若い友人がこの世を去るのを見送ったこともあります。でも隕石が落ちてきて5秒で人類滅亡する可能性だってあるんですよ。

(会場笑)

それがもし起きたとして、自分の人生を振り返り「私は自分の人生を誇れる。ただ困難を乗り越えるだけの人生ではなかった」と言えますか? こう言える人の数は多くありません。

もし皆さんがこう言えるのであれば、他の人をインスパイアしてください! TEDだってそうでしょう? 情熱を人々と共有すること。人生とは多くの人をインスパイアするためにあります。お互いをワクワクさせ合いましょうね。ありがとうございました。

<続きは近日公開>

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TED(テッド)

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