logmi・ログミー

世界をログする書き起こしメディア

「世界中が日本だったらいいのに」 BoosterMediaのCEOが日本のゲーム市場の魅力を語る

「世界中が日本だったらいいのに」 BoosterMediaのCEOが日本のゲーム市場の魅力を語る

BoosterMedia・Laurena Rutten(ローレンス・ラッテン)氏やChartboost・Pepe Angell(ペペ・アゲル)氏など、海外の経営者を招いてのトークセッション。本パートでは登壇者による簡単な自己紹介と、日本市場への参入について意見を交わしました。(IVS 2014 Fall より)

シリーズ
IVS(Infinity Ventures Summit) > IVS 2014 Fall > 海外企業プレゼンテーション
2014年12月2日のログ
スピーカー
Strikingly CEO David Chen(ディビッド・チェン) 氏
Wooga COO Jan Miczaika(ヤン・ミクザイカ) 氏
MixerBox CEO John Lai(ジョン・ライ) 氏
BoosterMedia CEO Laurena Rutten(ローレンス・ラッテン) 氏
Chartboost 国際統括 Pepe Angell(ペペ・アゲル) 氏
インフィニティ・ベンチャーズLLP 共同代表パートナー 田中章雄 氏

登壇者からのあいさつと自己紹介

田中章雄氏(以下、田中) 皆さん、おはようございます。IVSのプレセッションにようこそ。IVSのオフィシャルセッションが始まるのは午後からですが、海外からの特別ゲストがいらっしゃいます。 海外で会社を経営されていて、それぞれ日本とつながりがあるけれども、日本市場への参入の段階は異なる5人のゲストスピーカーからお話を伺いたいと思います。簡単な自己紹介をお願いできますでしょうか? ヤンからお願いします。ヤン、おはよう。マイクで皆さんに自己紹介してください。 2015-04-29_142945 ヤン・ミクザイカ氏(以下、ヤン) 私はヤンと申します。モバイルゲームのデベロッパー、ドイツのベルリンに本拠地を置くWooga社のCOOです。 田中 ヤン、ようこそ。皆さん、彼の例にならって出身地を教えてください。ディビッド、君の場合は出身は複雑かもしれないけど。 2015-04-29_143100 ディビッド・チェン氏(以下、ディビッド) ディビッドと言います。モバイル用のWebサイトビルダー、Strikingly社の共同創業者兼CEOです。今は上海に拠点を置いています。 田中 元々はどこの出身ですか? ディビッド そこが複雑なところです。私自身は広東出身ですが、会社を設立したのはシリコンバレーで、今は上海に戻っています。 田中 ありがとう、ディビッド。では、ジョン。 2015-04-29_143207 ジョン・ライ氏(以下、ジョン) こんにちは、ジョンです。MixerBoxの創業者兼CEOです。MixerBoxは多機能ミュージックプレイヤーで、詳しい説明はまた後で。チームはパロアルト(カルフォルニア)と台北を拠点にしています。 田中 ありがとうジョン。ぺぺ。 2015-04-29_143307 ペペ・アゲル氏(以下、ペペ) やってみよう。(日本語で)コンニチハ、ぺぺデス。コトシモIVSニ サンカデキテ ウレシイデス。 田中 すごい! ぺぺ これしか言えません。私はChartboostの国際統括担当です。出身はバルセロナですが、今は本社のあるサンフランシスコを拠点にしています。 田中 ありがとう、ぺぺ。 2015-04-29_143400 ローレンス・ラッテン氏(以下、ローレンス) こんにちは。ローレンスです。BoosterMediaの創業者兼CEOです。カジュアルゲーム販売会社で、本社はアムステルダムですが、世界中で事業を行っています。日本には2ヵ月おきに来ています。東京には事務所もあります。

HTML5ゲームは、まだ死んでいない

田中 どうもありがとう。では、ローレンスからお願いします。君の会社と日本への参入について教えてください。最初にBoostermediaのスライドをお願いします。 gazou6 ローレンス 実は、今からちょうど2年前に京都のIVSに参加しました。その時はゲーム開発の新しい技術だったHTML5について、特にゲームのディストリビューションについて話し合いました。2年経った今、市場でもBoostermediaでもいろいろなことがありました。会社は大いに躍進し、日本市場の参入にも成功しました。 田中 ちょっと待って、ローレンス。HTML5ゲームって言ったかい? ローレンス その通り。 田中 本当にHTML5? 日本の人はみんな、HTML5は2年前に死んだと思っているよ。それなのに君の会社は健在なのかい? 僕らの勘違いかな? ローレンス かもしれないね。日本市場でフォーカスが一時的にシフトしたのかもしれない。HTML5はあちこちで復活しているし、開発スピードがものすごく早く、クオリティも急速に向上しているし、ほとんどのゲームについてネイティブゲームとの違いがなくなってきている。 田中 今日ビデオ持ってきてるよね、全部HTML5ゲームかい? ローレンス そう。ビデオもスクリーンショットも全部HTML5だ。 田中 観客の皆さん、覚えておいてください。この2年間、日本ではネイティブゲームがブームだけど、ここにまだHTML5ゲームを追求し、開発している人がいます。ローレンスから最先端のHTML5ゲームについて話を聞きましょう。 ローレンス どうもありがとう。今言った通り、僕はアムステルダムで会社を設立して、そこに大規模なチームを置いている。実はアムステルダムで日本人チームを結成しているところで、本社では日本のゲーム業界関係者も2、3人働いている。

プラットフォームの技術が追いついてきた

ローレンス 日本からもアムステルダムからも日本に焦点を当てている。現在数百のゲームのポートフォリオがあって、その多くが世界中の第三者HTML5ディベロパーによるものだけど、社内のスタジオでも最高品質なHTML5ゲームに焦点を当てていて、ネイティブゲームと競っている。1分程度の簡単なビデオをお見せしよう。中には日本で発売されたゲームもあります。 田中 パーフェクト。見てみよう。 (Boostermedia社のPVが流れる) 2015-04-29_142042 2015-04-29_142102 2015-04-29_142117 2015-04-29_142131 2015-04-29_142146 2015-04-29_142200 2015-04-29_142219 2015-04-29_142233 2015-04-29_142329 2015-04-29_142345 2015-04-29_142357 2015-04-29_142420 2015-04-29_142442 2015-04-29_142502 田中 へえ、君に言われなかったら、これが全部HTML5ゲームだとはわからなかったよ。 ローレンス ありがとう。最後にお見せしたJEWEL academyは、ヨーロッパでVita用に2週間前に販売したんだ。ご覧の通り、Candy Crushと同じクオリティで、同じぐらい刺激的だよ。やり方をお見せしよう。 確かに販売までにかなり時間がかかった。2、3年かけて、本当に何度も何度も改良を重ね、ようやく成功したと思う。実際、iOS8のリリース以来、Appleの市場でものすごく成長した。3Dゲームやエキサイティングなゲームもできるようになった。8とHTML5の境界はなくなっていると思う。 田中 ようやくプラットフォームの技術が、君が作っているものに追いついたというわけだね。 ローレンス その通り。今は毎月プラットフォーム上で1,200万人のゲームプレイヤーにゲームを提供している。全部HTML5ゲームで、その半分がディストリビューションパートナーを通じたもので、多くのゲームがメディアカンパニー、テレコムオペレーター、OEM(注:相手先商標製品の製造会社)を通じて販売している。 残りの半分は、直接自社のゲームWebサイトを通じての販売になる。昨年の夏、アメリカの会社を買収したのだが、そこはたくさんのゲームWebサイトを運営していて、そこに今HTML5ゲームを移しているところだ。大事なことは、クロスプラットフォームに焦点を当てることだと思う。 基本的に、うちが作成するゲームは全てスマホ、タブレット、PCなど異なるプラットフォームで使用きる。帰宅中に地下鉄の中でスマホでレベル1から3をプレイしたとする。家に帰ったら続きのレベル4を自宅のPCでできる。それができるのはHTML5だけだ。クラウドベースだからスコアや成績をクラウド上に保管できる。

HTML5にこだわるメリットは、その柔軟性の高さ

田中 質問していいかな。1,200万のMAUの内訳は? スマホ、タブレット、PC間はどうなっているだろうか? ローレンス 約50パーセントがスマホ、タブレットで、50パーセントぐらいがPCかな。 田中 じゃあ、まだPCゲーマーもたくさんいるということだね。 ローレンス その通り。 田中 じゃあゲームが複雑化している中で、コスト的にHTML5にこだわることのメリットはたくさんあるの? ローレンス あるよ。特に、柔軟性という点ではね。HTML5ゲームは、異なるプラットフォームを通じてディストリビューションできるだけでなく、比較的アップデートが簡単なので、App Storeなどを経ないでもアップデートできる。 全部クラウドでできるからね。それに新しいゲームを、既存のエンジンを通じて素早くリリースできる。最初にHTML5ゲームを立ち上げた時はUnityを使うよりも確かにお金がかかったけれど、一旦やって経験を積んだので、費用対効果は高いと思う。 田中 ありがとう。

「時々ゲームを楽しみたい」ユーザーが大勢いる市場

gazou7 ローレンス 先ほど述べたように、うちは利用者が多い既存のパートナーをディストリビューションルートの1つとして使用している。例えば、数ヵ月前にYahoo! Japanを通じてゲームをリリースして、Yahoo! Japanにとって初めてのクロスプラットフォームのパートナーとなったんだ。 これが異なるプラットフォームでプレイできるゲームの例だ。基本的な仕組みは、ゲームは既存のYahoo!のエコシステムに統合されている。だから、うちのゲームはスマホでもPC、Webサイトでも楽しめる。 Webには何百万人という、たまにゲームを楽しみたいと思っているユーザーがいて、そういう人たちはApp Storeを頻繁には利用しない。現在は利用していなくても、App Storeの高い課金も払わずにWebを通じてゲームを楽しめるというのは覚えておくべきだと思う。 田中 君のところのゲームは実際、別のアプリじゃなくて、Yahoo!ゲーム内のポータルで遊べるんだね。 ローレンス そう。クリックしてくれれば、フルスクリーンでゲームを楽しんで、やめたらまたYahoo!に戻るというわけ。だからYahoo!のエコシステムに完全に組み込まれているんだ。

日本向けにローカライズされたゲーム達

ローレンス うちの会社は、日本で開発されたゲーム、つまり日本向けに開発されたものやローカライズされたゲームに投資することに決めた。明らかに日本は他の市場と100パーセント同じというわけじゃない。 先も言ったように、社内チームには日本からのアーティストやローカライズされたディベロパーもいる。例を挙げると、これはYahoo!でも発売したゲームで、日本向けに開発したものだ。とても成功しているが、日本だけだ。これはカジュアルパズルゲームで無料ゲーム。 gazou8 これは最初ヨーロッパでも販売した病人の治療をするゲームだけど、だが日本市場向けにはローカライズすることに決めた。それで、病人から動物病院にした。だから病気の患者の代わりにかわいい動物のキャラにしたんだ。そのほうが日本人の好みに合うからね。このゲームも好評を得ている。 田中 よくわかんないんだけど、ヨーロッパ版のゲームは病気の患者に寿司を食べさせるの? そしたらますます具合が悪くなるのかい? ローレンス 実際は良くなると思うよ(笑)。

様々なプラットフォームに対応するゲーム作り

ローレンス それからHTML5のメリットの1つとしてクロスプラットフォームアプローチを挙げたけど、わが社は異なるプラットフォーム向けにゲームを作っている。 gazou9 田中 ちょっと待ってよ。腕時計型のプラットフォームでHTML5ゲームをするの? ローレンス 腕時計型のゲームには2つバージョンがあって、TizenなどのためのHTML5バージョンとAndroidのためのネイティブAndroidバージョン。これはVita用で、市場としてはまだ小さいけど、それまでは他のプラットフォームも大事だと思う。 田中 将来はみんなウエアラブル端末でゲームをするようになると思う? ローレンス ゲームのフォーマットによると思うけど。他のプラットフォームと全く同じではないだろう。ゲームによってはうまくいくだろうね。 これはFlappy Birdに似ているけどもうちょっと高度なゲームで、腕時計型ウエアラブルでも大丈夫だと思うけど、あまりに複雑なゲームは明らかに不向きだろう。でも他のプラットフォームも視野に入れているよ。例えば、スマホだけでなくスマートTVプラットフォーム向けのHTML5も視野に入れている。

スマホユーザーよりPCユーザーのほうが多い!? 日本のゲーム市場

ローレンス 最後に日本で学んだこととしては、まず日本では他の種類のゲームに焦点が移りつつあるけど、カジュアルゲームについては非常に活気のある市場であること。昨年LINEやKing、Supercellといった会社が成功したことからもわかる。 うちの会社も同様だ。うちが作るゲームはKingやLINEのゲームに似ている。また、Webの持つディストリビューションの力を過小評価してはならないということ。何より買収後はものすごくコストを削減できた。 田中 さっき、トラフィックの50パーセントがWebと言っていたけど、それはグローバルなデータ? 日本はどうだろう。Web対スマホとタブレットの相対的なディストリビューションは? ローレンス 現在のところ日本の場合、絶対数で言えばわが社にとって最大の市場ではないけれど、重要な市場ではある。PCユーザーのほうがスマホとタブレットユーザーよりわずかに多いかな。 田中;日本でも? じゃあ、日本ではまだWebでゲームを楽しんでいるんだね。 ローレンス そのとおり。いいところは長くプレイできるしね。他のKPI(注:重要業績評価指標)から見れば、うちの会社にとって日本は断トツ、アクティブな市場である。1人当たりのユーザーベースで考えると日本はすごいよ。世界中が日本のようだったら、と思う。ゲームプレイ、プレイ時間、リテンション、APRU(注:ユーザーあたりの課金額)についてもね。 田中 ローレンス、ありがとう。 ローレンス ご興味がある方はこの後、東京渋谷にオフィスがありますので、ご連絡ください。

Facebookでのユーザー獲得について

田中 ありがとう。(パネリストに向かって)ところでみんな静かだけど、ローレンスに質問はないの? HTML5の時代はもう終わったから、質問することもないのかな? ぺぺ いや、おもしろいと思う。君が言ったとおりWebの力を見くびっちゃいけないと思う。例えば、トラッキング(追跡)という点からは、Webで何かチャレンジはあるかい? 田中 トラッキングするのはWebのほうが簡単じゃないか。 ローレンス 実際、ずっとトラッキングしやすいね。Googleとかその他長く存在しているツールも多いから、簡単だね。 ぺぺ 実際のユーザーについてどんな情報が得られるんだろう? ローレンス ゲームにもよるけど、匿名のゲームの場合、ユーザーの利用時間やリテンションなどかな。ログインするタイプのゲームはもうちょっと情報がわかる。人口分布だとかね。 田中 Facebookプラットフォーム向けのゲームは作ってないの? ローレンス わが社はFacebookを2通りに使っている。1つがユーザー識別のため使っている。ゲームの中にはFacebookアカウントでログインするものがあって、進捗状況やスコアをクラウドで管理している。 またHTML5なので、Facebook上でHTML5ゲームをFacebookアプリとしてテストしたりしている。来年はもっとたくさんのゲームをFacebookでも発売する予定だ。 田中 実際、Candy CrushはFacebookアカウントでたくさんのユーザーを獲得したよね ローレンス その通り。そこからスタートしたと言えるだろう。 田中 ありがとう。

  

【主催】インフィニティ・ベンチャーズLLP

インフィニティ・ベンチャーズ・サミット(IVS)はインターネット業界の経営者同士が高い視座を交流し合う目的で2007年からスタートし、現在は国内最大級のインターネット業界経営者のコミュニティとなりました。新サービスを6分間でプレゼンし競い合う、スタートアップの登竜門「Launch Pad」に加え、様々な試練を乗り越えた経験者が次世代の経営者らに語り次ぐ場「IVS DOJO」などを通し、IVSはこれからの産業を担うリーダー達のコミュニティ形成と起業家の育成・啓蒙を提供する真のベンチャー・プラットフォームを目指しています。

この話をシェアしよう!
シェア ツイート はてブ
「世界中が日本だったらいいのに」 BoosterMediaのCEOが日本のゲーム市場の魅力を語る

話題のログ

編集部のオススメ

人気ログランキング

TOPへ戻る