次のインフルエンサーの潮流

設楽:逆にそういう、りょかちさんとか矢島さんとか、どんどんその下の世代の子っていたりします? 気になる子たちとか。

りょかち:あー、今気になる下の世代。うーん……いますか? 漫画の方とかで。

矢島:あんまいない(笑)。あんま読まなくて、漫画を。

設楽、りょかち:おお!

矢島:王道しか読まないんですよ。だから下の子も出てきてるんでしょうし。

りょかち:そうですね……。

設楽:Twitterやってる子とかさ。

矢島:インターネットの方がいそう。

りょかち:そうですね! インターネットの方がたくさんいて。ですけど、自分とかみたいのはもう私世代で終わりかもしれません。

こういう文章を書いたり、Twitterのテキストでバズらせて、みたいなのってもしかしたらこれより下はあんま生まれないかもしれないですね。

設楽:というのは?

りょかち:なんかやっぱり絵が描ける人とか、4コマ漫画を、Twitterって4枚まで写真があげられるんで、そういう絵が描ける人とかが出てきてると思います。

あと今だとライブですね。LINE LIVEとかSHOWROOMとか、そういう動画で配信できたりする人が多いですね。

下の世代と言うとやっぱりそうで、テキスト書ける人っています? 私より下の世代で。

設楽:テキストを書けるか書けないかじゃなくて、書かないよね。

りょかち:そうなんですよ。

設楽:結局、生配信しちゃうとか。

りょかち:そうなんですよ。で、読まないんですよね。読まないし書かないから、もう自分が最後だ、ラストサムライだと思っています。

(一同笑)

りょかち:やっぱり下の世代で気になるのは絵が描ける人。矢島さんみたいに絵が描ける人。やっぱり絵の方がわかりやすいし。

パッと絵を描いたものに対して「超かわいい」って思うし、パッと見で印象を受けやすいし。やっぱりビジュアルは強いなぁって思います。

設楽:そういうTwiitterやってる人いるんですか? いっぱい漫画とか絵を上げてる人とか。

りょかち:山科ティナちゃんとか。

設楽:そうですね、たしかに漫画は今、Twitterですごい。

りょかち:相性良いですよね。あとスタンプのクリエイターさんとか。私「世紀末ちゃん」がすごい好きなんです。

設楽:バンドの方じゃないですよね?

りょかち:違います違います!(笑)。

設楽:すみません(笑)。

りょかち:Ⅱの方じゃないですね(笑)。

設楽:蝋人形にされないやつね(笑)。

この先強いのは「絵が描ける人」

りょかち:蝋人形にされてない方!(笑)。世紀末ちゃんっていう、かわいい女の子がいるんです。で、やっぱり絵描ける人はTwitterでも映えるし、グッズ化とか二次展開しやすいし。最近はカフェも開いちゃう方もいるんですよ。

わかるさんっていう人がいるんですけど、絵が描ける人で、スタンプとかも出せちゃうし、「わかるさんカフェ」っていうのをやったりして。

やれる幅が広いんですよ。

設楽:じゃありょかちさんも絵を描けばいいですね。自撮りと絵みたいな。そのポジションまだ空いてるんじゃないですか。

りょかち:空いてますかね? 絵描いて自撮りするみたいな。情報過多な感じしますけどね。

(一同笑)

設楽:たしかに(笑)。

りょかち:「どっち見ればいーんや!」っていう感じがしますけどね。

そうですね、やっぱり下の世代だと文字書く人はあんまりわかんないかもしれないですね。

設楽:逆にそのライブ配信とかしようと思わなかったですか?

りょかち:いやちょっとしたことあるんですけど、続かないっすね。やっぱり大変ですよ、情報量が多いから。

いろいろ言わなきゃいけないしコメント拾わなきゃいけないし忙しいし。やっぱり向き不向きがあると思うんですね。で、自分は向いてなかったです。

設楽:「初見さんこんばんは」みたいな。

りょかち:「○○さーん」「ありがとーっ」みたいなやつとか。会話が続かないですね。

設楽:1人でずっと喋っててもだめですもんね。

りょかち:そうです。なんかずっとダラダラ喋らないといけないんで。でもやっぱYouTubeとかやってる人はすごいとと思います、今は。

設楽:矢島さんはこれから、ネットをこういうふうに使っていこうとか考えてたりします? PRとか。

矢島:いやぁー。インターネットは難しくて。できたら自分ではあまりしたくないかなって思います。

設楽:そうなんですね。

矢島:なんかあんまり見ない方がいいと思ってて、読者さんの感想とか。というのは傷つくのはもちろん1個だし、褒めすぎてるのも読むのあんま良くないと思っているので。なので編集さんと作家さんだけの間の世界をまず作るべきだと思っていて。

編集さんだけが見れば良いと思うんですよ、いろんな感想を。で、編集さんが作家さんを操作するとか、「こうするのどうですか?」って上手な言い方で伝えてくれて作家さんがインスピレーションの元にするっていうのが1番良い作品ができるのでは、と思っているので。

今はあえてなるべく作品のことに関してはインターネットを覗かないようにしていますね。

設楽:なるほど。覗いてた時期もあったんですよね? その前は。

矢島:あります。『彼女のいる彼氏』の時はガンガン検索してしまったので。

設楽:そうですよね。

矢島:今後はちょっと控えようかなって思っています。

りょかち:勉強になりますね。

設楽:たしかにそうかもしれないですね。

りょかち:作家さんがいちいちSNS見てたら。

設楽:フラットですからね、情報が。そのコメントの本当の語気も言い方もわかんないし。過剰な意見も多いし。

矢島:編集さんが見るのが1番。

ディレクターとクリエイターの違い

りょかち:なんかデザイナーとディレクターの関係性みたいな感じかもしれないですね。

矢島:本当そう思います!

りょかち:ディレクターがまわりの意見とか数値を見て、サービスこういうふうにしていったらいいんじゃないかっていうのを見るべきだけど、やっぱりデザイナーさんはもちろん数値とかは見るべきかもしれないですけど、それよりユーザーはこう使った方が良いんじゃないかとかピュアに考えてもらうのが絶対良いですもんね。

以前の矢島さんのインタビューかなんかでも言ってましたね。デザイナーさんはピュアな方が良いって。

矢島:そう、藤田社長がデザイナーとかアーティストはエゴサしない方が良くて、ピュアな気持ちで作ったほうが良いっておっしゃってて。

インターネットを覗くのはプロデューサーとかディレクターだけで良いっておっしゃってて、それは帰り道に担当と2人で「あれは本当よかったよねー」「あの藤田さんの言葉良かったよねー」って話ながら帰ったくらい、印象に残りました。

設楽:とはいえ矢島さんの漫画はネットで反響がすごい来そうですよね。

彼女のいる彼氏 1巻 (バンチコミックス)

矢島:あ、来る!

設楽:目を閉じようとしていてもメンションされたり、来ますよね、Twitterとかでも。

矢島:なんだろう、広告系の男の子が上手に女の子を持ち帰るシーンを描いた時に、広告系の友達から「俺あれやったことある」とか(笑)。

(一同笑)

矢島:「聞いてないんですけどー!! 気持ち悪ーい!!」っていう気分になりました(笑)。

だからFacebookやめようかなとか思ったりしますよね、そんなのきちゃうと。

りょかち:Facebookでくるんですか? Messengerで? コメントですか?

矢島:Messengerできました。

りょかち:えー、知らないよ、そんなのいちいちMessengerで(笑)。

(一同笑)

矢島:やだよね。

りょかち:え、きもーい! ふふふ。

矢島:「俺スパイダーマンキスしたことある」とか言って(笑)。

りょかち:「スパイダーマンキス」は読んでください、これ。

設楽:読みたいなぁー。

矢島:comicoでこの先読めると思います。

設楽:1回WEB連載では最終回になってるので、今途中までしか読めないんですよね。

矢島:そうなんですなので今はcomicoで途中まで読めます。

設楽:comicoで、残り半分くらいですかね?

矢島:そうです。全52話。

設楽:で本が2巻出てると。

矢島:はい。……なんの話でしたっけ?

設楽:いや、でも本当おすすめですからね。

矢島:ありがとうございます。

設楽:どんどんcomicoのコイン使っちゃいましたよ(笑)。次へ次へと。もっと始めに買っときゃ良かったって。

矢島:でもりょかちちゃんの「中3から高1」になった感じってすごくわかりました。

りょかち:やったー。どういう感じで?

設楽:本を出したら「中3から高1」になるっていう?

矢島:はい。本が売れるってなにか1つないとダメなんですよね。

りょかち:そうですね、思いました。

矢島:自分の場合は、それは絵の完成度だって捉えて。いろいろあると思うんですけど、その中で自分は絵の完成度だって思ったので、ひたすら今クロッキーとデッサンして、本が売れるようにするにはどうしたらいいかっていうので、描くようになりましたね。高1だから。

りょかち:そうですよね! 私も書く時に今後意識してしまいそうです。作品としておもしろいのかっていう部分は。

設楽:高2だと誰くらいなんですか?

りょかち:高2……、高2って微妙ですよね!

(一同笑)

りょかち:でも高3とかだとやっぱ堀江(貴文)さんとかなのかな…?

設楽:堀江さん、高3なんですね(笑)。大学生じゃない。

りょかち:OBかな…いやわかんないです。みんな高校にいる前提でお話してました(笑)

設楽:高3ぽいっちゃ高3ぽい。

(一同笑)

『多動力』のソーシャル戦略

設楽:堀江さんの『多動力』という本を幻冬舎から出してまして、会社から連絡があって10万部突破したみたいです(2017年6月現在16万部)。

設楽:僕がこの前勝手にですが、『多動力』と『インカメ越しのネット世界』を一緒に写真撮って堀江さんにメンションしたんですけど、リツイートしてくれないんですよね。

りょかち:(笑)。そうなんですよね、堀江さんリツイートしてくれない。

設楽:でも堀江さんの本だけ褒めるとすぐリツイートしてくれるんです。

(一同笑)

りょかち:見てるんでしょうね、やっぱり内容とかを。

設楽:ちゃんと見てんなぁって思う。

りょかち:精査してるんですね。リツイートしてくれればいいのに。

設楽:1回ぐらいね。その『多動力』ポスターの前でりょかちさんが自撮りを撮ったりしたんですけどね。

りょかち:頑張ったんですけどねぇ。それはリツイートしてもらえましたが。

設楽:あ、それはリツイートしてくれたと思います。

りょかち:そうですね。やっぱり偉大です。

設楽:というかまぁコミュニティ戦略になってきてるんだろうなって気がしますよね、ちょっと話ずれちゃうんですけど。

堀江さんの今回の本なんかも堀江さんのサロン(堀江貴文イノベーション大学校)で1,000人以上の人がいて、その方々ににうちの編集者の箕輪がなんどもゲラで読書会を開いたりして、彼らが実は発売前にすごい読んで感想を拡散してくれていた。

さらにNewsPicksのアカデミアの対象書籍だったんで、1,000人ぐらいのNewsPicksユーザーの家に送っちゃってるんですよ、発売前に。

りょかち:なるほど。

設楽:あんまり大きな声で言えないんですけど、本屋さんより先に会員には届けるようにスキームを組んでるんで、書店さんにも並ぶよりも前にNewsPicksのコアな会員になると本が届くようになってるんですよ。

だからあの本って、ちょっと違う本で申し訳ないんですけど発売前から2,000人くらいの、しかもアクティブな、いわゆるSNS上のユーザーの手に渡ったんですよ。

矢島:すごい。

設楽:そうすることで結局、もう発売時に2,000人ぐらいそういう人が読んでるっていう現象が作れるっていう。

でもそれはWeb連載とかでも同じ状況だと思うんですよね。昔みたいに「書き下ろしです、ドーン」とかよりもやっぱりそこで話題を作って出すみたいになってきて。

それができるコミュニティをいろんな作家さんが自分の距離とか範囲で築いていくことが大切になっていく気はしますよね。

りょかち:めちゃくちゃ上手ですね。だってやっぱ早く届いたらツイートしたくなっちゃうし、そういうアクティブなユーザーをどうやって活用するかとか、いかにアクティブなユーザーを作るかっていう、WEBサービスとか同じですね。

なんかキングコングの西野さんとかも同じことを言っていたような。100人と一緒に本を作ったら100人に売れるっていう。

やっぱり当事者意識を持った人をどれだけ作れるかっていうのがWebだと作れますしね。すごい上手だと思いました。

設楽:だからそこの距離感と、さっき矢島さんがおっしゃっていたこっちでコントロールするクリエイティブのコアな部分とのバランスがすごい大事なんじゃないかなっていう気がすごくしますね。

矢島:偏っちゃ、そんなに。バランス良く。

設楽:ですよね。なんかあっという間に時間が過ぎてしまいましたが。

りょかち:えっ。

インカメ越しのネット世界 (幻冬舎plus+)