“家”とはなにか?

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生きていく上で必要不可欠な“家”。毎日を過ごす場所であるだけに、家の持つ機能や意味について見過ごしがちですが、芸術家たちのなかには家をテーマにして作品を作り続ける人たちも少なからずいます。今回のYouTubeのアート系動画チャンネル「Little Art Talks」では、家をテーマにした5人のアーティストとその作品について紹介します。

家をテーマにした5人のアーティスト

カリン・ユエン氏:みなさんこんにちは! カリンです。「Little Art Talks」にようこそ! 今日の「5 Artists in 5 Minutes」では、家にまつわる話をしましょう。

ママ・アンダーソンはストックホルムを拠点とする現代芸術家です。彼女の絵画は彼女に息を吹き込まれた家庭におけるインテリアや風景、彼女が育て造り上げた森林と美術書による風俗風景を描写したものです。

彼女の絵を見た時に目に飛び込んで来るのは、心地よく、捉えどころの無い物語が描かれている場面でしょう。「キッチン・ファイト」は油性とアクリルを使って木製パネルに製作されています。ムラのある部分と曲がった遠近画に並べられたビック・リラードの絵画と共に、いつも彼女がするように、抑えて気味の色調で。

この絵は、筆を走らせる、突く、細かなくずを取り除く、また、表面にヒビを走らせるなどの伝統的な筆遣いをすべて拒否して描かれています。

目に飛び込んでくる2匹の熊のおもちゃに注目してみると、ケンカをしている真っ最中です。平凡な台所のイメージはこの絵に付けられた主題に反しているかのようですが、よく観察してみると、なにかそこには厄介なものが潜んでいるかのように思えます。それはあたかも死体が後方のベッドでどさっと倒れていて、暗い床に血をしたたらせているかのように。そういったものは微妙にとけ込まされているので、ふとそのことを発見してしまうと、より一層不安を煽るのです。

レイチェル・ホワイトリードは主に彫像を造るイギリス人の芸術家です。「House」は1993年にイースト・ロンドンに造られ、11週後に解体された、期間限定の公共彫刻です。コンクリートを3階建てのビクトリア調のテラスハウス内部に流し込んで造られていて、元々取り壊すことを前提として造られました。作品は支柱無しで建っているので、どんな角度からも見れるようになっています。

地下室部分や1階、階段部分や窓枠までも。屋根の部分はありませんが。

この地域は広大な再開発地域で、公共団体が新たに公園を造るために作品の元となったテラスハウスの取り壊しを決定したのです。作品は元のテラスハウスがあった、公園の角で展示されていて、人を呼び込む格好の展示物となっていました。1日何千もの人々を呼び込むほどに。

後に「WOT FOR」という文字と、卵を模した「WHY NOT?」が付け加えられています。

家の本質を浮かび上がらせる

サイモン・スターリングはイギリス人の概念芸術家です。「Inverted Retrograde Theme, USA(House For A Songbird)」はプエルトリコの2つの進歩的な住宅モデルとして造られました。展示場の天井という上下逆さの場所に造られ、マホガニーの枝で不安定に支えられています。

家自体は1952年に、現代作曲家で連続技法のアーノルト・シェーンベルクの流れを汲むサイモン・シュナイダーによって設計された家で、組み立て式の構造は優雅ではあるものの、住居としての防犯性は欠いていて、居住するには守りを固めなければいけなくなっています。

主題が示すように、シェーンベルクの構成上の革新は、ものとしての矛盾を全面に押し出してしまっています。しかし、 同時に建築物に足りないものというものもあぶり出しているのです。

ス・ドホは韓国人の彫刻家で、インスタレーション芸術家です。「Fallen Star」は5つの構成から成っています。

第1で「運命の風」では竜巻で空に投げ出された家を描き、第4で新たな始まりとして、実家であるソウルの伝統的な韓国様式の家が彼のアメリカのアパートに衝突している様を描いています。第5の「終章」では伝統様式の家が別の建造物に組み込まれ、均衡を取りながら新たな柱や壁、床などの形成を新たにしているところが描かれています。

その作品は私たちに、家というものを取り囲んでいるアイデアを探求し続けることや文化の置き換えというもの、私たちを取り囲んでいるものへの見方、そして思い出深い場所をどうやって構築していくのかということを投げかけています。 

ニコル・ベルはロサンゼルスを拠点とする写真家です。

「Apartment」シリーズに出てくるアパートは彼女が生活しているアパートで、「Apartment Redux」は家というものの境界について追求させてくれます。作品の中で彼女は自分のアパートの空間で体を曲げた自分自身を写真に収めていて、型破りな方法で家の中にある様々なものを使っています。

それは一見馬鹿げているかのように見えるのですが、やがてそれは彼女が住んでいる場所と人との繋がりの意識を呼び起こしたいという欲求の鐘を鳴らしているのだということを浮かび上がらせるのです。

今週の「5 Artists in 5 Minutes」は以上です。たった5人だけが芸術家ではありませんし、上位5人の芸術家を挙げているわけではありませんよ。いつもそうですけど。

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Karin Yuen(カリン・ユエン)がアートの世界をわかりやすく解説するYouTubeチャンネル。古今東西のアートにまつわる豆知識をお送りします。

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