2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
Earthquake Science, and the Disaster That Created It(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:1964年3月27日の午後に南中央アラスカが揺れ始めました。北米では今までも一番強い地震でした。
数世紀で集めた力が4分で開放されたのです。このマグニチュード9.2の地震がアラスカの海岸を20メートル以上ずらし、それにより起こった地滑りや土砂崩れが村や町を襲いました。
あるところでは、不安定な土が水のように動いて、建物、道路やパイプが沈んでしまいました。その上、地震が数十個の67メートルほどの津波も起こし、海岸や湾に非常に大きな被害を与えたのです。
この130万平方キロで感知した地震のエネルギーは、それまでの50年に北米で起きた地震のエネルギーの合計よりも大きいもので、125人以上が亡くなりました。
北米の歴史で一番大きな地震からもう50年が経ったわけですが、そのレガシーは今でも大きいといえるでしょう。現代的な地震の科学がこのときに始まったのですから。
この地震後の数人の地質学者の研究が、現在の地震の科学の基本になりました。
地震についての最初の質問は、なにが地震を起こすかです。
アラスカの地震などの原因を理解するためには、最初にはプレートテクトニクスについて理解する必要があります。地震活動の地図を見てみると、世界中の地震のほとんどが大洋プレートと大陸プレートの境に起こっています。
プレートは合計7個があって、リソスフェアがこのプレートからなっています。リソスフェアとは地球の最外殻です。
プレートはいつも動いていて、いろいろな反応がありえます。プレートが離れていくように動いたら、発散型境界が作られます。溶けている石からなるマグマが表面に出てきて、新しい地殻が作られます。一方、プレートが近づいたら、収束型境界が作られます。
プレートは1年間で数センチしか動きませんが、数百万年かけて、1つのプレートがほかのプレートの上に上り続けることで新しい山が生じます。
そして2つのプレートが擦れ違ったものをトランスフォーム型境界と呼びます。トランスフォーム型境界の近くには山もあったり、マグマも出てきたりしますが、地震活動も強いのです。
こういった反応は今では当たり前と考えられていますが、50年前はそうではありませんでした。
プレートテクトニクスの理論は、100年ほど前にドイツの気象学者のアルフレート・ヴェーゲナーによって提案されました。
しかしその当時は、地球平面が動いたりするというアイデアとヴェーゲナーは馬鹿にされました。数十年経ち、新しい世代の地質学者が、海底に大きな亀裂などを発見し、その亀裂がヴェーゲナーが提案した大洋プレートの境界だったことを発見しました。
それでも1960年代の前半においては、これはプレートが動いているのではなく、地球が大きくなっているということの証拠だと思われたのです。
しかし、アラスカの地震でその意見が大きく変わることになりました。
地震の直後には地質学者はプレートが反時計回りで回転したと思っていましたが、アメリカ地質調査所の数人の研究者は違う意見を持っていました。ジョージ・プラフカー(George Plafker)が率いたチームがアラスカに行って、さまざまな異変を発見しました。
あるところでは森が塩水で溢れていましたが、ほかのところではフジツボがいっぱいの石が乾燥地にありました。つまり、地面が横にずれたのではなく上下に動いたということがわかったのです。現在では、このような地震をメガスラスト地震と呼びます。
これは、サブダクションという過程で1つののプレートがほかのプレートの下にゆっくり滑っていくことで発生します。2つのプレートの間で力が保たれていますが、1つのプレートがいきなり滑ってしまったら、海岸を動かせるほどの力が開放されてしまいます。
サブダクションによって1つのプレートが下へと曲がっていくと、その先端がマグマに入って、とけてしまうことによってリサイクルされています。
アラスカの地震は、太平洋プレートと北米プレートのサブダクションの影響で生じました。この2つのプレートが地球で一番大きく、地球平面の3分の1以上をカバーしています。
今でも1年間で5.8センチのスピードで近づいており、軽いほうの北米プレートが上に動いています。
1900年以降に6度あったマグニチュード9.0以上の地震のすべてがメガスラスト地震でした。
しかし、ほとんどの地震はメガスラストではなく、トランスフォーム型境界の近くでプレートがすれ違うことによる地震です。
将来、太平洋プレート上のロサンゼルスと北米プレート上のサンフランシスコもこの動きと一緒にすれ違っていくのでしょうか。それで通勤はちょっと楽になりますね。太平洋プレートのその部分は1年で5センチしか動きませんから、けっこうな時間がかかるでしょう。
地震はプレートの境界で一番よく起こりますが、境界から離れているところで起こることもしばしばあります。プレート境界は地殻の断層の1つにすぎず、プレートの中でもプレートの動きや火山活動によって断層が生じることがあるのです。
だから、エネルギーが集まったり解放されたりすることによって、プレート境界から離れているところでも、地震が起こりえます。
例えば、地殻が引き離されてることで地面が落ちていく場所を「正断層」と呼びます。
北米で一番大きい正断層が240キロのワサッチ断層です。この断層は北米プレートの南西への動きによって作られていて、アイダホ洲とユタ州を横断しています。
また、「逆断層」は、逆にプレートが近づくことによって地殻が押されて、断層の上の地面が押し上げられます。
このような断層は地球の大きな山を作ります。シエラネバダ、ロッキー山脈やヒマラヤ山脈もこの過程の結果です。そして、アラスカ大地震もこの結果なのです。
これ以外に「横ずれ断層」もあります。この断層では地殻同士は横方向に擦れ合っています。
北米ではカリフォルニアのサンアンドレアス断層が一番有名な例ですね。ほかの例は、南西ヨーロッパ地震の原因となったトルコのアナトリア断層などです。
地理学のほかの分野と同じように、地震の原因はすべてがわかっているわけではありません。
アラスカの大地震で、地震の科学は新しい段階に進めましたが、研究者は地球内の温度によって地震活動がどう変わるか、あるいはどうやって地震予報できるかなどの難しい質問にまだ答えられていません。
プレートの動きだけを見て推測できればいいのですが、プレートの厚さが100キロ以上ありますし、地震直前の過程は非常にわかりにくいのです。
しかし1964年のレガシーは、世界中の地震を観察している研究機関です。例えば、アメリカ地質調査所の地震ハザードプログラムや津波警報システムや国立地震計測システムが作られました。
これらの機関はアラスカの大地震の対策として作られて、24時間地球の地震活動を観察しています。この機関のおかげで多くの地震のデータを集めることができ、毎年50万個以上の地震を観測できているのです。
その50万個のなかで数千個は人間も感じることができて、数百が被害も与えるものです。
データが増えていけば研究も進み、いつの日か科学者も地震を推測できるようになるかもしれません。
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