最終面接で半泣きに……?
水谷健彦氏(以下、水谷):最終面接はどんなシチュエーションで?
CA内定者(以下、内定者):学生が1人、面接官が3人でしたね。
水谷:その3人の面接官っていうのは、けっこう偉そうな人。
内定者:役員の方でしたね。
水谷:最終面接はなにを聞かれるの?
内定者:私はアルバイトで接客をしていたので、「そこで印象深かったことは?」とか。あとは「どうしてこの会社がいいの?」「最後に言いたいことは?」とか、15分くらいでした。
水谷:それで内定が出た理由はなんだと思う?
内定者:中学校の時から入りたい航空会社だったので、うれしすぎて信じられなくなってしまって「最後に言いたいことは?」って聞いてくださった時に、半泣きみたいな感じになってしまったので。これは落ちたなって思ったので、最終に関して自信ははなにもないです。
水谷:じゃあなんで受かったか、正直わからないってことですね。
内定者:わからないです。
泣いた理由は「今日で終わるんだ」
水谷:その、半泣きになったっていうのはどういうこと?
内定者:半泣きは「客室乗務員はいろいろ大変なことがあるけど耐えられる?」に加えて「うちの志望動機は?」っと聞かれたんです。
その理由を組み合わせる時に「今まで私は英語に関しても、ホテルの接客業も辛いこともあったんだんですけど、御社に入りたいって気持ちが強かった。御社で頑張りたいって気持ちがありましたので、そのことも耐えることができました」と答えていたんです。
そのとき、会社に入りたい気持ちと、今までしてきたこと……。これは面接ですべきことじゃないんですけど、そのあたりを回想してしまったんです。
そこで「今日で終わるんだ、そういうことが」って思った時に泣いてしまった……。圧迫で泣いたとかではないんですけど。
水谷:自爆でしょ?
内定者:自爆ですね。
「中学生の頃からCAになりたかった」
水谷:すごく入りたかったとか、すごい努力してきたというのが聞こえてくるんだけど、最初はいつ頃なりたいと思ったの?
内定者:最初は中学生の時です。
水谷:やっぱり、そこまでして「なりたい」が続くと、いろんな努力をするわけ? この就活間際でも。
内定者:就活間際というよりは……もっと前というか。
水谷:どのくらいから努力をしてるわけ?
内定者:例えば、まず体力が必要ですよね、なので高校からバスケットボールを始めました。
水谷:高校でバスケットボールを始めたのは体力が必要で、CAになるためにバスケットを始めたってこと?
内定者:CAだけではないんですけど、体力づくりもあるし、チームワークが必要な仕事だなと思ったのと……。
水谷:ちょっと待って。高校生のバスケットボール部を選ぶ時に、CAは体力も必要だし、チームワークも必要だからっていうのがあったってこと?
内定者:すごい単純な考えでしたね。
水谷:単純というか、その時代にそれを考えたのがすごいと思うんだけど。
内定者:単純にそれを思って、始めて。
水谷:入ったんだ。
内定者:でも初心者だから、本当に辛かったんですけど。周りが支えてくれたので。
水谷:やったんだ。
内定者:やりました。
部活もバイトも、すべてはCAになるために
というのと、英語がまったくできなかったし、育った環境ではなかったので。大学に行って家に帰ってきたら、ほとんど英語のテレビを見たり、ホテルも5星と言われているところで。
水谷:お客さん多いもんね。海外のお客さん多いもんね。
内定者:はい、海外の方も多いですし、日本人の方でも客層が高いので、こういった環境で接客に携わっていれば、CAになった時に役に立つと考えてました。
水谷:それだけの気持ちを持っていた。10年越しの気持ちを持って就職活動に突入していく。
でも、CAって30社も40社も対象があるわけじゃないじゃない? 少ないじゃない、それどういう心境で就活に向き合っていたの?
内定者:普通だったら「2次審査進んでください」と連絡いただいたら、喜ぶと思うんですけど。私の場合は「まだ続くんだ、この苦しみが」みたいな。
進むたびに自分が目指してきたものがどんどん現実に近づいてきてしまって、なんか怖かったんですよね。落ちるのも怖いから、体調が……。(食事も)喉を通らないみたいになっちゃって。あの時期は一番痩せましたね。最終面接までの5月の上旬。
水谷:ゴールデンウイークなんてぜんぜんゴールデンじゃないよね。
内定者:ですね。