サイバーエージェント×テレビ朝日の「AbemaTV」が本開局

早河洋氏:本日はお忙しい中、AbemaTVの開局記念の集いにご参集いただきまして、誠にありがとうございます。AbemaTVの会長といたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。

AbemaTVは、日本屈指のインターネット企業でありますサイバーエージェント、コンテンツ総合企業を目指しますテレビ朝日、この2社がタッグを組んでスタートさせる、世界的にも類のないインターネットテレビ局であります。

サービス、事業の詳細につきましては、後ほど藤田(晋)社長から説明していただきますので、私からは、サイバーエージェントとテレビ朝日がどうして提携することになったのか、両社にとってどういう狙いがあるのか簡単にお話ししたいと思います。

ミレニアム世代に向けた動画配信サービス

私が藤田社長と出会いましたのは、今から7年前です。その後藤田社長のご厚意で、Ameba事業や、深夜ドラマなどの展開を行いました。そして、人事交流も進めるなど、一歩一歩友好関係を築いてまいりました。3年前からは、当社の番組審議会の委員にもなっていただいております。

そんななかで、一昨年の10月、藤田社長から「テレビの退潮が見えている今、それを克服する新しい事業を共同でやりませんか?」というご趣旨の提案がありました。

藤田社長の構想は、最終的にはミレニアム世代にとって、スマートフォンがなくてはならない情報端末・映像端末となっているので、そこにいくつもチャンネルを編成し、無料で見てもらう、テレビ型の動画配信サービスというものでありました。

我々テレビのHUT、総世帯視聴率と言いますが、これが低下し、若い世代のテレビ離れを指摘される厳しい時代を生き抜くために、テレビ朝日は地上波・BS・CSに加え、インターネットを成長事業と位置づけていましたので、藤田社長の提案には即座に全面的に賛同させていただきました。

テレビ朝日にとって、若い世代の視聴者獲得にも、それに伴う広告ビジネスの拡大にも繋がるという思いがあったからであります。

株式会社AbemaTV・AbemaNewsの立ち上げ

そして、昨年4月には株式会社AbemaTVと株式会社AbemaNewsという2つの合弁会社を立ち上げ、今日まで約1年間、開局に向けた共同作業を進めてまいりました。

テレビ朝日はAbemaTVの入り口となる、24時間ニュースチャンネル「AbemaNews」の制作・運営ほか、オリジナルバラエティの企画・制作などに加え、コンテンツの編成や調達に全面的に協力しております。そのためにテレビ朝日内にプロジェクトチームを設けるとともに、現在およそ30名の出向者、専任担当者が寸暇を惜しんで開局の事務作業にあたっております。

業態も企業風土もまったく違うサイバーエージェントとの共同作業ですが、私は、すべての作業は総合プロデューサーである藤田社長の指示に従えと厳命しているわけで、私どもの仕事ぶりは直接見てはおりませんが、うれしいことに高く評価していただいてるようであります。

私たちが一番驚いたのは、藤田社長以下、サイバーエージェントの人たちの変化への機敏な対応と作業のスピード感です。

アプリの操作性、ユーザーインターフェースにとことんこだわりながら、前例のない動画サービスを1年足らずで完成させ、先月には先行配信もスタートさせました。変化の激しいインターネットの世界で生き抜くための実例を見る思いであります。

私はサイバーエージェントの成功体験を学びながら、AbemaTVを新しい時代のテレビ局としてさらに進化させていく決意を、今日のこの日に新たにしているところでございます。

本日は、このようにみなさまに、たいへん多くの方に集まっていただきました。今後ともよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

(会場拍手)

司会者:続きまして、株式会社AbemaTV・代表取締役社長を務めます、株式会社サイバーエージェント代表取締役社長、藤田晋よりご挨拶を申し上げます。

AbemaTVは「神アプリ」

藤田晋氏(以下、藤田):本日はお忙しい中お越しいただきまして、誠にありがとうございます。

AbemaTVは、今、早川会長からお話がありましたとおり、約1年準備をしてきました。今までやったことがないんですけれども、先行配信期間を1ヶ月ちょっと設けて、すでに一部配信してきたんですけれども、ついに本日開局を迎えました。私としてはそれなりに手応えを感じていますので、今日をとても楽しみにしてました。

インターネットアプリの世界では、本当に奇跡的なサービスのことを「神アプリ」と呼んでるんですけれども。これは自分から言ってしまうことではないんですけれども、AbemaTVはまさに「神アプリ」を作ったんじゃないかなと思っております。

2016年を「動画元年」と位置づける3つの理由

詳しい内容について、これからプレゼンテーションに移らせていただきたいと思います。 「動画元年」という言葉は、我々インターネット業界では本当に毎年のように、「いよいよインターネットに動画が来る」と囁かれて、使われてきた言葉なんですけれども。我々としては、この2016年は「動画元年」と位置づけております。その理由は大きく3つあります。

1つは、自分自身が自然と動画を見るようになったと。この変化というのは、スマートフォンが普及したからにほかなりません。今までもインターネットの技術のなかで動画は見られたんですけれども、パソコン、ガラケーといったものがゆっくり動画を見るのに適したデバイスじゃなかった。それが、やっぱりスマホになって大きく変わったと。

2 つ目に、スマートフォンが普及したあとに、ターゲットユーザーの視聴習慣となっている、TwitterやFacebook、Instagramといったようなサービスがインフィード再生の動画というのを始めたんですけれども。これは、タイムラインを見てるときに、自然に動画をそこに織り交ぜながらやってると。これを自然に見るようになったというのが2つ目。

3つ目に、Netflixなどの世界的に成功しているサービスが日本への進出を始めたことで、コンテンツホルダーなど、権利者のみなさまの理解が一気に進んだと。

このような環境の変化をもとに、我々は「動画元年」と位置づけて、ここが本格化されるときだと。これまでもずっとタイミングを見計らって、大怪我しない程度にやってきたんですけれども、大きな勝負に出たというようなかたちになっております。