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「どんな場合でも柔和で謙遜であるべき」 加藤一二三氏がキリスト教に学んだ教え

「どんな場合でも柔和で謙遜であるべき」 加藤一二三氏がキリスト教に学んだ教え

元プロ棋士の「ひふみん」こと加藤一二三九段が、『天才棋士 加藤一二三 挑み続ける人生』(日本実業出版社)の刊行記念イベントにて講演を行いました。「神武以来の天才」と呼ばれた加藤氏が、自身の生い立ちや大学時代など、さまざまなエピソードを披露。羽生善治永世七冠や藤井聡太四段など話題の棋士たちにも触れながら、自身の将棋人生を振り返りました。

シリーズ
日本実業出版社 > 加藤一二三先生講演会 「挑戦し続ける人、挑戦し続けたい人への加藤九段からのエール」
2017年11月29日のログ
スピーカー
棋士 加藤一二三 氏

大山康晴名人との王将戦

加藤一二三氏(以下、加藤) 私の経験で言いますと、大山先生と僕とはけっこう張り合ったんだけれども、おもしろいことを一生懸命、真剣にやりましたね。大山先生が僕と戦ったときにこうくるんですよね。 2日制のタイトル戦で、昭和42、3年あたりですよ、王将戦。大山先生が2日制の対局で、午後3時くらいに言うんです。2日制の将棋なので、夕方に休憩に入るのが規則です。 ところが、大山康晴名人いわく「この将棋はものすごく激しい戦いになっていて、2日制の将棋なんだけども、このまま2人が超スピードで戦っていると、勝負が1日で終わってしまう」と。「そうすると、2日間の記事を用意している主催者に対して申し訳ない。だからこの午後3時で、異例ではあるけれども休憩をしたい」という申し出が2回あったんですよ。 それは毎日新聞社の王将戦の時代で、1回目は大山先生がそう言ったときに、主催者の代表が、「大山先生のお考えはわかった、加藤さんのお考えは? 加藤さんはどうですか」と聞いた。私はね、休憩しないでこのまま戦いたいと思ったんですよ。それで主催者の代表は言いました。ここがなかなかね、毎日新聞はすごく男らしい人がいましてね。こう言ったんですよ。今でもその人の言葉をそのまんま再現できる。 「我が社としては、例え1日目で勝負がついても、なんら差し支えがありません」。よく言ったわ。偉い人やねえ。 (会場笑) それで、その将棋は規則どおり夕方まで戦って、それで勝負がついたのが、なんとですよ、大山先生は「このままだったら1日で勝負がつく」とおっしゃったけれども、実際に勝負がついたのはね、2日目の夜の9時ですよ!? (会場笑)

「弱点のない」二上達也が勝てなかった相手

「大山先生、ちょっとやめてくださいよ」と。これは盤外作戦なんですよね。つまりこういうことなんです。僕は持ち時間いっぱい使う棋士なんですが、大山先生は時間を使わない。だからもしですよ、大山先生の提言を受け入れて、私が「いいですよ」って言って指していたら、夜の9時に終わったんだから、そのころにはもう私の時間はなくなっていましたよ。 私は大山先生の提案にNOと言った。2回言ったんだけれども、実はね、二上達也さんは大山先生のライバルで、よくタイトル戦を戦ったんだけど、大山先生は前例があってね、二上さん相手に、午後3時くらいに「休みましょう」って言ったんですね。二上さんははっきり言って、イエスマンなの。 (会場笑) もうすべて「はい!」「はい!」ですよ、その代わり勝たなかった。それでね、二上達也っていうのはね、将棋連盟の理事も若いころからして、それから会長も10年しました。良い人柄で、はっきり言って、ある意味、勝負師としては徹底できないわけね。 大山先生と二上さんはね、ものすごく大きな勝負を戦ったんだけれども、僕にはわからないんだけど、二上達也はこう書いてるんですよ。「あるとき自分の弱点を悟られて、以後は大山名人に勝てなかった」と。 私からすれば、二上さんの弱点っていうのは、ないんですよ。だって二上さんの将棋は、切れ味は良いしね、それから華麗でね、良い将棋なんですよ。彼の勝った将棋は全部名局で、はっきり言って、泥臭くない、あんまり粘らない。だから欠点がほんとに、1つもない。でも二上さんは「自分の欠点を見破られてからは大山さんに勝てなかった」と書いていますけれども、これは謎なんです。

『いい日旅立ち』と『ラブ・ストーリーは突然に』

それでね、二上達也さんの弟子が、羽生善治さん。この前、NHKで2人で対談した中で、撮影の合間に羽生善治さんが僕に言いました。「加藤先生、山口百恵さんの『いい日旅立ち』をよく歌われるでしょう?」。あれは、幸せだった父母の思い出を胸に、これからね、女性が幸せを求めて旅立っていくという世界なんですよ。 また一方で僕がよく歌うので、小田和正さんの『ラブ・ストーリーは突然に』というのがありますけども、これはね「何から伝えればいいのか 分からないまま時は流れて 浮かんでは消えていく」「君があんまりすてきだから ただすなおに好きと言えないで」「多分もうすぐ雨も止んで二人たそがれ」、それでまあ「あの日 あの時 あの場所で 君に会えなかったら (いきなり節をつけて)僕ー等ーはー」 (会場笑) 「いつまでも見知らぬ二人のまま」とくるわけね。これが僕は大好きでですね、百恵さんの歌も『ラブ・ストーリーは突然に』も大好きな歌だけれども、最近、私はね、古坂大魔王先生に、『ひふみんアイ』の名曲を作ってもらってますから、これをですね、これからは主に歌います。 (会場笑)

『ひふみんアイ』には自分の将棋のエッセンスが入っている

残り時間わずかですが、一応参考までに……古坂先生の歌詞は素晴らしいんです。私の将棋のエッセンスが全部入ってるんですよね。例えば、こういう感じですよね。ええと……。 (加藤氏が『ひふみんアイ』を歌いだす) ……ということだけどもね(笑)。 (会場拍手) はい、いいですか。(以下、歌詞に関する説明)この「金矢倉」「銀矢倉」という作戦で、私は500回勝ってまして、名人になったのも、この金矢倉を使って名人になった。当然「精魂込めて」。 それから「基盤」っていうのはね、将棋盤のことです。それから「戦場」は、戦いの場。で、「騎士」「勲章」は何かと言いますと、私はね、ローマ法王のヨハネ・パウロ2世、聖人になった法王様からですね、聖シルベストロ教皇騎士団勲章という勲章をいただいております。ですからそれが「騎士」「勲章」。 その次に来るのがですね、「神武以来の天才よ」。神武以来の天才、と言われるようになったのは18歳の時です。今から思うとね、昔の歌と一緒で「詠み人知らず」ですよね。「ひふみんアイ」も誰が付けたか知らないんだけれども、「神武以来の天才」というのは、やっぱり今となってはありがたくてですね。誰が付けてくれたか知りませんけれども、それは今やですね、歌の歌詞になりました。 それからあと「魂揺さぶる 無敵棒銀」。古坂先生はね、いろいろと僕と収録した中で、「魂揺さぶる 無敵棒銀」これは最初から終わりまで、ここはもう素晴らしくてね、一切、本当に「完璧だ」と褒めてくれました。 それから「ひふみんアイ ひふみんアイ」。「ひふみんアイ」っていうのはですね、僕は今でも時々ね、ファンの方から写真を頼まれるんだけれども、最近はこういうような感じ、「加藤先生、ひふみんアイの、こうやってください」って言ってね。これを注文されて一緒に写真を撮ることが多いですよ。 (会場笑)

アイドルとのコラボレーションとさまざまな公演

これがね、13日にフジテレビのコンサートで、この『ひふみんアイ』を「モーニング娘。」とのいわゆるコラボレーションで、私が歌って、14名のモーニング娘。がね、後ろで踊ってくれます。これはコラボレーションと言うんですよね。これから、うーんと、「モーニング娘。」と一緒に練習をすることになりますけれども、まあ、楽しみでね(笑)。 (会場笑) なんと言いましてもね、私今までの経験で、フジテレビの『アウトデラックス』のスペシャル番組で、ベートーヴェンの名曲『運命』の3分間バージョンを、高嶋ちさ子さん率いるオーケストラを伴奏で、王子ホールで公演しまして。大好評でした。 それからあとね、天童。山形県の天童で、ヴェルディの『リゴレット』という名曲のアリアを1200人の観客の前で歌ってきました。それも、高嶋ちさ子さんの伴奏、オーケストラで歌ってきましてね。 ヴェルディの『リゴレット』のアリアは、1番を日本語で歌って、2番をイタリア語で歌ったんです。それで、その時すべてを東京芸大の、今でも講師をされてる青島広志先生の指導を受けて、成功したんだけど。青島広志先生は言いましたね。僕の声はテノール。それから音程が良い。それで、青島先生いわく「加藤先生は、これから東京芸大を特枠で受験すると受かる」。 (会場笑) 一応サービス精神でね、僕が東京芸大の受験したら、芸大の受験生が増えるというふうに言ってくださったんです。 (会場笑)

どんな場合でも柔和で、謙遜であるべき

あと何分くらいですか? (会場笑) スタッフ 話は尽きないんですけど、そろそろ……。 加藤 あっ! じゃあですね、一応、そろそろ時間ですけど、締めとしてはですね。今クリスマスのシーズンですけれども、キリスト教というのは、旧約聖書と新約聖書が経典です。どっちも大事にいたします。新約聖書はですね、イエス・キリストが来たことによって成り立ったんですけども。 イエス・キリストがこの世に生まれた時のメッセージはこうなってます。イエス・キリストが来ることによって、人々に大きな楽しみを与える。それから、深い感動を与える。それからね、人が幸せになるための生き方をイエスは教えに来た、というのが我々が信じるところです。私は今まで、エルサレム、ベツレヘムにイエス・キリストが生まれたという場所がありまして、そこに3度くらい行って、頷いて、祈っております。 基本すべての人間の問題はですね、キリスト教は懇切丁寧に扱います。例えば昨今で言うと、人間というものは同じ人間として兄弟であるから、すべての人はどんな場合でもね、柔和であるべきである。それから、謙遜であるべきですよと。柔和であるということは、どんな状況に至ったって自分のバランスを崩してはいけません。 イエス・キリストは自分でよくおっしゃった。「自分は柔和で謙遜な者である」とおっしゃった。つまりね、柔和であることはどんな場合でも柔和である。謙遜ということはね、自分がこの世の中で一番偉いと思っては、それは大間違いですよ。うん。 だって、自分が一番偉いとか思うからね、簡単に言うと、接する人を軽んじるわけでですよ。人間ね、どんな立派な人だって、聖人君子であったって、100パーセント立派な人なんていうのは、人間世界ではあり得ない。1人完璧なのはイエス・キリストだけ、っていうのが我々の信仰。 だから最後に、実は私、最近の目標は、どんな場合でも柔和ですよ、柔和。それから謙遜。謙遜というのはね、僕けっこう自分のことをね、天才とかなんか言ってますけども。 (会場笑) いや、事実の部分もあるけども! (会場笑) これからね、まだまだ大いに勉強して、これからの僕の人生をですね、全うしたいと思ってます。 実は僕この前、胆嚢炎で緊急手術を受けたんだけど、これは本当に、神様のお恵みですよ。なんでかって言うとね、僕は一番いいときに、素晴らしい、大きな有名な病院で、今でもお世話になってるんだけど、そこで胆嚢炎の手術をしてもらってね。そこで、医者たちがね、「加藤先生の体は本当に、端から見たら不思議なくらい元気だ」って言うんですよ。 「だから医者として興味があるから検査をさせてほしい」って、この前、MRIを2回撮って、すべての検査を受けましたら、結果なんとこうでした。「加藤先生はなんの問題もない」って。 (会場拍手) それはまあ、お墨付きです。じゃあこの辺で、あの、終わりにしてよろしいですかね。 (会場笑)

  
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「どんな場合でも柔和で謙遜であるべき」 加藤一二三氏がキリスト教に学んだ教え

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