イベントの熱量をありのまま伝えたい
ユーザー会の“文化”を作る、サイボウズのログ活用法

ログミー 利用事例インタビュー

「チームワークあふれる社会を創る」をビジョンに掲げるサイボウズ株式会社は、グループウェアの開発・提供をはじめ、さまざまな事業を展開しています。そのなかの1つ、クラウド型の業務アプリ構築サービス「kintone」では、ユーザーの熱意・熱量を高めるために、2015年から「kintone hive」と銘打ってユーザー会を実施。ログミーでは、そのうち60セッション以上を記事化しています。そこで今回は、kintoneのプロダクトマネージャー伊佐政隆氏に、継続的に全文ログを掲載する狙いについて、お話をうかがいました。

さまざまな“グループウェア”を手掛けるサイボウズ

――本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、まずは御社の業務内容を教えてください。

伊佐政隆氏(以下、伊佐):サイボウズは、チームワークを向上するためのツールを「グループウェア」と呼んでいるのですが、そのグループウェアの開発と、クラウドサービス型でのご提供がメインの事業の1つです。

今年の1月からは、チームワークを向上するためのツールのご提供だけではなくて、チームワーク向上までのノウハウをご提供する教育事業も始めました。ホームページにも新しく「チームワーク総研」というものを載せていますが、ツールを使うだけではなくて、使い方やその会社の風土の作り方などを学んでいただけるような事業です。

メインのグループウェア事業でいうと、創業から10年ぐらいは、作ったソフトウェアのライセンスをお客様に買っていただくモデルでやっていたんですが、2011年に「cybozu.com」というクラウドブランドを立ち上げました。サイボウズがインフラもすべて運営して、お客様はグループウェアをクラウド型で利用していただくモデルがいまは広く普及しています。

「cybozu.com」のサービス群の中で私が担当しているのが「kintone」というグループウェアです。ほかの「サイボウズ Office」「サイボウズ ガルーン」というグループウェアと違って、お客様がグループウェア自体を自己流で作るというもので、自分たちに合ったグループウェアを作るためのプラットフォームとしてご提供しています。

――ありがとうございます。kintoneについて、もう少し詳しく教えてください。

伊佐:どんなチームを作りたいかというビジョンは、お客様によって当然ながら違いますよね。チームワークが高い状態の理想像というのも会社によって違うんです。

それを効果・効率・満足・学習という4つの要素に分けて整理しているんですが、そのバランスは各会社・チームごとに違うはずだという前提があるので、「そのバランスに合わせて、自分たちなりのグループウェアを作ってくださいね」と。それが一番チームワーク向上の近道だと思って、提供し始めたのが「kintone」というプラットフォームサービスです。

サイボウズがリアルイベントに注力する理由

――そういったサービスを提供するなかで、「kintone hive」や「Cybozu Days」など、リアルイベントにかなり注力されていますが、どういった目的で開催されているんですか?

伊佐:イベントごとに目的が少しずつ違いますね。一番大きいイベントはCybozu Daysで、東京では幕張メッセをお借りして開催しています。狙いとしては、「学びの場を提供する」ということが大きいです。サイボウズには「チームワークあふれる社会を創る」というビジョンがあるんですが、僕らがツールを提供するだけで実現できるわけではないので、「考え方を含めてみんなで学んでいく場が作れたらいいね」というのが、Cybozu Daysという場所の大きなコンセプトです。

もう1つサイボウズのイベントで大きいのは、kintone hiveというイベントです。これはkintoneのユーザー会なので、参加者はkintoneのユーザーに限られています。

kintoneはプラットフォームサービスなので、かたちがわかりにくいんですよね。活用のゴールもとくに決まっていないので、このプラットフォームを使い倒してチームワークあふれる会社にしようと思ったら、継続的に改善していく必要があるんです。それをユーザー同士で学ぶ場ということで、2015年からkintone hiveを始めました。

当時は日本で導入されている社数がまだ2,500社ぐらいでした。その前までは、プラットフォームという特性上、説明がわかりにくいということで、「どんどん事例の記事を作ろう」とがんばっていたんですけれども、これだけではお客さんに本質的な学びの場を提供しきれていないということで、ユーザー会を立ち上げました。

ユーザー会は発表する人も参加する人もユーザーですし、その両者でアイデア交換をする場所というコンセプトにして、サイボウズは裏方に徹して、どうすればユーザー同士のアイデア交換を円滑に回せるかを考えながらやっています。

ユーザーの増加よりも大切な“活用シーンの広がり”

――kintone hiveはユーザー会ということですが、イベントの効果計測のための指標はありますか?

伊佐:僕らの中では、ユーザーが増えることも大切なんですけど、ユーザーの活用シーンが広がるということをすごく大切にしています。

「活用シーンが広がる」とはどういうことかというと、1つの会社でkintoneを導入するときに、一気に全社で導入することは多くないんですよね。今は増えてきてはいるんですけど、僕らの狙いとしても「小さく入れて、大きく育ててください」とお客さんにお伝えしているんです。

いきなり「全社向けのグループウェアをkintoneで作りましょう」だと、かたちも見えにくいですし、考え方が新しすぎて効果も測りにくい。なので、例えば「人事部門でやってみませんか?」「営業部門でやってみませんか?」ということで、部門単位でチャレンジしてみて、成果が出たら、それを模してほかの部門にも広げていただくという進め方をおすすめしています。

kintoneは業務特化型のSaaSではなくてプラットフォームなので、kintone hiveの狙いとしては、「1部門1用途で導入したkintoneがその用途で成功したら、ぜひ他の用途まで広げてください。もっと成果が上げられますよ」と。

用途が広がっても値段は一緒なので、ぜひ使い倒してほしいんですよね。KPIとしてはそこの広がりを意識していて、契約会社ごとにユーザーが増えていったり、usageが上がっていったり、kintone内でアプリ(ユーザーが作ったシステム)が増えていくというところを1つの指標にしていますね。

――なるほど。kintoneはどんな業務にも活用できるので、事例の“幅”があったほうがいい、ということですよね。

伊佐:そうです。業界・業種・業務でいうと、ものすごい数の組み合わせがあります。6月時点でアプリの数が64万件で、1日あたり1,663件増えている。これは土日も含めての平均なんですけど。

――営業日で割るとそれ以上ということですよね。すごいですね。

伊佐:もちろんユニークの数字ではなくて実数にはなるので、厳密にいうと64万種類というわけではないんですけど、すごい数なんですよね。

その1個1個にkintone hiveで語られるような改善のストーリーがあって、それが増え続けているという状態です。

“リアルな場の制約”が課題だった

――kintone hiveをログミーで記事化していただいていますが、その理由・目的をおうかがいしたいです。例えば、なにか課題があったりしたんでしょうか?

伊佐:まず、ユーザー会をリアルでやっている狙いから共有したいと思います。

僕らがプラットフォームを提供して、オンラインに事例もたくさんあって、それを見て自分たちなりの業務改善のグループウェアを作れるといっても、やっぱり担当者の方ってなかなかがんばれないんですよ。

なぜがんばれないかというと、単純に大変なんですよね。「紙でやっている作業をkintoneにしたらめちゃくちゃ楽になるし、リモートワークもできるようになるから、やろうよ!」と言っても、意外とみんな「嫌だ」と言うんです。「慣れてるし、紙のままでいいよ」「それにお金払うの?」とか言われるわけですよね。

推進する担当者の方って大変なんですよ。事例がたくさんあるからやれる、知識があるからできる、というだけではなくて、やっぱりそこにエネルギーや熱意みたいなものが必要になってくるんですよね。

その熱量がどこで生まれるかというと、やっぱりリアルだなと思っていて。ユーザー会の中で感情的な部分を共有し合えると、ユーザーさんはもっと業務改善も進められるし、自分たちなりのグループウェアも作っていけるし、がんばれるんじゃないかと考えていて、「リアルな場でユーザー会をやろう」というのがまずありました。

ただ、リアルな場にすると、会場規模の制約もあれば、その日、その時間、その場所にいなきゃいけないという制約もあるので、必ずその場にいる人に人数が限定されちゃうんですよね。最初は東京でしかユーザー会をやっていなかったので、そもそもその日に合わせて東京に来なきゃいけない。どうしても外せない仕事があったら、来たくても来れない。

もちろん、レポートなどもがんばって書いてはいたんですけど、やっぱりリアルに来てくれないと熱量が伝わらないので、「ユーザー会をリアルでやるメリットを、当日参加できない方にも提供できないか?」というのが一番最初に感じていた課題です。

――“リアルな場の制約”は、まさにログミーが解決したいと思っている課題なので、実際にそういう目的で使っていただいていてうれしいです。ちなみに、その時点でログミーのことはご存知でしたか?

伊佐:僕はもともと知っていて、すごくおもしろいなと思っていました。イベントレジストさんのBACKSTAGE(イベント関係者が集まるカンファレンス)で実際にお会いさせてもらった時に、チームの方もすごくすてきだなと思って。

記事一つひとつ読んでも、サマライズされた事例記事よりも、本人の熱意や熱量が伝わりやすいと思ったのと、僕らの取り組みにも共感してもらえるチームだなと思ったので、それでお願いさせてもらったというのが始まりです。

イベント×全文ログでユーザー同士が共有し合う文化を醸成

――実際にログミーに記事掲載していただいて、なにか反響や変化はございますか?

伊佐:そうですね、まずユーザー会は「継続されていく」ことが大事だと思っているんです。僕らが継続したいから継続するんじゃなくて、ユーザーさんがやりたいから継続されていくということが一番重要だと思っています。

その点でkintone hiveは、ありがたいことに「登壇したいです」と言ってくれるユーザーさんがいるんですよ。登壇したい人がいると、やっぱり次回開催しやすい。その「登壇したい」という人たちが、情報ソースとしてログミーの記事をよく見てくださっているので、そこでの広がりは大きいですね。

それと、僕らの開催レポートにログミーさんの記事のリンクを入れさせてもらうようにしているので、そのサイクルができてきたのも大きいですね。当日参加する、もしくは開催レポートでログミー記事を見て「このプレゼンおもしろいな」みたいな。

それで「ぜひうちも登壇したいです」とか、「kintone hiveで登壇するぞ!」というゴールを設定して業務改善に取り組んでいるお客さんも出始めていて、すごいなと。

――そうなんですね。確かに、気合の入ったプレゼンも多いですよね。

伊佐:そうですね。「良かった話も悪かった話もすべて共有できると他社の業務改善につながりやすい」ということをユーザーが理解して、それを共有する文化ができあがってきたなと思います。その点が、kintone hiveでリアルでイベントやりながら、ログミーで全文を掲載することの最大の成果だと僕は思っています。

――ログミーに掲載されることに対して、実際にイベントに登壇された方の声はどうですか?

伊佐:一番いいなと思うのは、ご本人が「うちの会社のうちのチームの取り組みがこんなふうに評価されています」ということを社内外にフィードバックしてくれていることですね。僕らにとってもすごくうれしいなと思います。

だから、kintoneのユーザー会はけっこうおもしろいんですよね。文化ができて、登壇したいという人がいて、ユーザー会が活動の目標になるってけっこうすごいことだなと思うんです。だから、けっこうおもしろい場所になってきたなと思いますね。

――熱狂的なユーザーが目立つ場所が作れるというのはいいですよね。これからも熱量のあるイベントを期待しています。今日はありがとうございました。

伊佐:ありがとうございました。

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