ビル・ゲイツ氏に「世界一のお金持ちになる方法」について質問

司会者:皆さん、おはようございます。百度(バイドゥ)の会長兼CEOのロビン・リーと申します。今回のパネルディスカッションの司会を務める機会をいただきまして、とても光栄に思っております。

中央にいらっしゃるのがビル&メリンダ・ゲイツ財団の共同会長、そしてマイクロソフトの前CEO、会長でいらしたビル・ゲイツさん。

現在もマイクロソフトの技術顧問を務めていらっしゃいます。そして、その隣にはイーロン・マスクさん。スペースXのCEO兼CTO、テスラのCEO兼最高技術責任者、そしてソーラーシティの会長でいらっしゃいます。おふたりとも、本日はようこそ。

(会場拍手)

司会者:2週間ほど前、こちらのパネルディスカッションの司会をさせていただくことになりました。それにあたり、百度貼吧(バイドゥティエバ)のユーザーから質問を募りましたところお二方に対し500件以上の質問が集まりましたので、お二人それぞれに1問ずつ選びまして、ユーザに代わり質問したいと思います。

まずはビルさんにお尋ねします。かなりの野心的な考えをお持ちの方からの質問ですね。

「私はまだ年は若いですが、いずれゲイツさんに取って代わって世界一のお金持ちになりたいと考えています。そんな私に何か具体的なアドバイスを、そしてどのようなビジョンを持てばいいか教えてください」

ビル・ゲイツ氏(以下、ビル):一番になると一口に言っても、色々なアプローチがあると思いますよ。質問者の方はなにか次世代的な考えを持っているといいですね。私の場合、コンピュータの利用が一元的で、ソフトの必要性がかなり低い時代だったという点で恵まれていたと思います。システムにおけるソフトの役割がまだ私の頃は重要視されていませんでした。

ハード面を動かすこと、購入すること、そして管理すること、こういったことが当時のコンピュータ産業の中心でした。ちょうどマイクロプロセッサが出てきたくらいの時期でね。私はコンピュータやストレージなどの無料利用の実現ですとか、他のソフトとは全く違う個人用のソフトツールを思い描いていました。

確かそのころ、業界では1万コピーほど売れたソフトには賞が与えられていたと記憶しています、大きなトロフィーをもらって晩餐会を開いてね。私たちの作ったBASICは600万コピーほど売れましたので、「600万売れた場合は何がもらえるのか」と電話しましたら、一体どんなソフトを作ったんだと聞かれて……とにかく、その当時の常識とはだいぶ違うことをしたわけです。

ですから質問者の方は若いうちにロボットやアシスタントロボットの作り方を学んだり、ソフト開発を今よりももっと効率化する方法を考えてみてはいかがでしょう。これまで様々なものが変化を遂げてきました。例えばウェブサイト定義のコードですとか、ビジネス用アプリケーションのコードですとか。

40年前の私にビジネス用ソフトや信頼性の高いコードの開発がどうなるのか予想させたとしたら、現状のものよりももっと進歩したものを想像するでしょうね。ですからこうした分野はまだまだ伸びしろがあると思いますよ。

成功は想定外だった

ビル:ソフトに限った話でもありません。例えばエネルギーのコストを下げる、CO2排出をゼロにする。そういった方法を考えるのもいいですよね、テクノロジーをうまく応用して。これができたらかなり意義のあることを達成したことになりますよ。今の時代はイノベーションの可能性、そしてイノベーションのための材料はいままでになく多いと思います。

私自身は「IBMより成功してやるぞ」とか、そういったことは考えていませんでした。質問者の方のような自信はありませんでしたね(笑)。ソフト関連のものが好きで、いろいろやってみたくて。その結果会社を作ることになっただけです。思うに会社の経営がうまくいったのは、「ひょっとすると会社の規模を倍にできるかもしれない、準備しておこう」といった具合に考えていたからでして……会社が巨大になるとは思っていなかったわけです。そのほうが段階を踏んでステップアップしていく努力を怠らないからいいんですよ。

私が考えていたのは、5000人に対応できるような経営システムを作ろう、ということ。まだ10人しかスタッフがいなくて、ちょっとしたコードを書くだけの仕事をしていた時期の私に「いずれ社員は10万人になるよ」と言ったとしても、きっと笑って信じなかったと思います。10万人もいたらバグもそれだけ増える、そんな大人数いらない、と言うでしょうね(笑)。とにかく、質問者さんがこの先うまくいくといいですね。

司会者:つまり成功するために野心は特に必要ない、と?

ビル:イーロンの話もぜひ聞きたいところですが……彼も私も、こんなにいろいろなことがうまくいって、成功を手にするなんて想定外だったと思います。リスクを気にせず進んでいたら、成功できなかったでしょうね。

成功する起業家の特徴は?

司会者:成功する起業家にはどんな特徴があると思われますか?

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