犬と猫の水の飲み方の違い

オリビア・ゴードン氏:猫が繊細に水を舌でピチャピチャ舐めながら飲むのに対して、犬は周りの床をビショビショにしながら水を飲むことに気付いたことはありませんか?

「Cats rule, Dogs drool(猫は威張っていて、犬は低姿勢)」ということわざを説明する、物理学的な特徴があることがわかりました。

猫と犬は、舌を使って水分を体内に取り入れなければなりません。しかも重力の影響に対抗しながら。いくつかの研究によると、猫と犬では身体的特徴に少し差があるため、猫は水をはねずに飲めるのに対して、犬は水をはねてしまうということがわかりました。

私たちは吸引力があるので、ミルクシェイクやスープなどの飲み物を飲むことができます。馬や豚や羊などの動物も水分を体内に取り込むことができます。なぜなら、私たちにはちゃんとしたな頬があるからです。つまり、口を密封して一時的に真空状態を作る筋肉や細胞があるからです。口内で圧の低いポケットを作り、飲もうとしている液体に圧がかかり、吸い上げることができるのです。それが吸引力です。

でも猫と犬にはこの頬がありません。捕食哺乳類の多くは不完全な頬になっており、顎を大きく開いて食べ物を取り入れます。でも、液体を吸い込むための一時的な真空状態を作ることはできません。その代わり、力強い舌を使って液体を柱状にして飲みます。

さまざまな研究者たちがスローモーション映像を使いながら、猫と犬の舌の使い方の違いを物理的に説明しようとしました。ある研究では、猫は水面をわずかにさわるために舌の先端を下げていることがわかりました。

そして次に毎秒80センチメートルの速さで舌を引っ込めます。水の微粒子が舌に付着し、凝集力があるため互いにくっつきます。この結果、重力の影響と戦いながら、ほんの一瞬だけ水柱ができます。次に、水を口の中に収めるため舌をゆっくりと下げ、口を閉め、飲み込み、これを繰り返します。

いくつか他の研究によると、犬はもう少し順調に飲みます。犬は水のボールに舌をもっと深く入れ、おたま状の形にして秒速700センチメートルの速さ、あるいはそれ以上の速さで舌を引っ込めています。

つまり、犬の方が水面に入れている舌の面積が大きいので、水柱が大きくなり、周りを汚すことになります。大きい犬であればあるほど、舌は大きくなり、水しぶきも大きくなります。

今度、あなたの犬が水を飲んで大きな水しぶきを上げたら、物理学のせいだと思ってください。