条件が整えば、5,000個の星が見える

ハンク・グリーン氏:星は一体いくつあるのでしょう? このような質問には正直答えられません! しかしだからといってそれから学べることがないというわけではありません。ですからどんどん質問しましょう!

はじめに、星がいくつあるのかという質問についてですが、このように考えてみることができるでしょう。「見える星はいくつあるのか?」。

シベリアやアラスカなどのなにもない場所の、澄み渡る夜空で、月が上っていない状態で、湿度もなく、できれば山頂で、あなたの視力がすごくよかった場合、2,000~3,000の光が夜空に見えるそうです。

それはその瞬間に肉眼で見える光にすぎませんが、はっきりとした数字を言うことはできません。なぜなら視力は人それぞれ違いますし、見ている場所によっても変化し得るからです。それに、地球そのものが邪魔になって、夜空全体を一気に見ることなど不可能だからです。

地球から見える星は5,000個あるといわれています。しかし地球上から見える光のなかには星でないものも多数含まれます。例えば人口衛星とか、彗星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星もたまに肉眼で見えることがあります。

2つの銀河も見えることがあります。アンドロメダと、それよりずっとずっと薄い、M81です。

そうするとはじめの質問に戻らなければなりません。私たちの銀河系にはいったいいくつの星があるのでしょうか。

私たちの肉眼で見える私たちの銀河にある星は2,000億個とも言われているのです! 2,000億個ですよ! しかしそれを正確に1つずつ数えるのは不可能です。

4,000億個の星がある銀河が1兆個?

望遠鏡を星の密集した銀河に向けても、密集しすぎて見えません。銀河系から離れなければ密集地帯の裏側を見ることはできないのです。しかも2,000億個という数字は少なめに見積もった数字です。実際、銀河がどれくらいの速度で動いているか、重力の法則、暗黒物質を考慮して、科学者たちはこの銀河系には4,000億個の星があるのではないかと推測しています。

それは膨大です! しかし、実在する星の数に比べれば、その数字など無きに等しいとも言えるでしょう!

なぜなら私たちが肉眼で見える銀河は2つしかありませんが、宇宙には膨大な数の銀河が存在するのです! はっきりとした数字は言えませんが、大体1,000億から1兆個ではないかと言われています。

しかも天の川はそのなかでもとくに大きい銀河ではありません。銀河は非常にたくさんあるので、NASAが望遠鏡のシャッターを開いたまま2~3日、空の一部分を写真にしたとき、結果として針穴のように小さなものから螺旋状のもの、そして汚れのように見えるものが無数に写りました。しかもこれら1つ1つすべてが銀河なのです。

この数字を言われてもはっきりとは理解できませんが、推定1?(じょ、数字の単位で10の24乗を表す)個、だそうです!

カール・セーガンは言いました。星の数は「地球上すべての海岸の砂すべてを集めたよりも多い」と。

しかも、「観察可能な宇宙空間」は私たちが見ることのできる宇宙の一部分にすぎません。それは光が私たちの目に届くことのできる範囲にとどまります。それ以上に離れた場所にも、さらに多くの銀河は存在するでしょう。しかも無数にあるでしょう。

ですから星が正確に何個あるかどうかは、私たちにはわからないのです。確かに言えるのは、理解できないほどの数であるということです。