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基調講演 「アストラゼネカにおけるヘルスイノベーション戦略」(全1記事)

2021.02.25

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会社と業界の垣根を越えて、医療でイノベーションを起こすために必要なこと

提供:アストラゼネカ株式会社

中国では1位、新興市場では第4位にランクインしているグローバルバイオ・医薬品企業であるアストラゼネカ株式会社。中国でのコロナウイルスにおける医療現場の整備や、がんなどの慢性化しやすい病状に対して、新たなソリューションを出すために、どのような形で問題解決に挑んでいるのか。各国の医療の最前線に立ち、世界中で協力関係を築き、医療をさらに好転させていくために、同社、アストラゼネカPLC エグゼクティブ・バイスプレジデント(インターナショナル地域担当)中国法人社長 レオン・ワン氏がヘルスイノベーション戦略について語ります。

中国・新興市場でシェアを拡大してきたアストラゼネカ

レオン・ワン氏:みなさま、こんにちは。本日はこのような会に参加できることを大変嬉しく存じます。

さて、我々アストラゼネカはグローバルな企業です。そしてサイエンス主導型の企業で、非常に広範にわたる研究開発のプラットフォームを整備しております。そして、特に3つの重点疾患領域にフォーカスしています。

ただ、我々がカバーするのはこの3領域に限りません。というのも、新型コロナウイルス感染症に関する抗体医薬とワクチンの開発もパートナー企業と始めております。我々はスペシャリティケアだけではなく、プライマリケアの製品も擁し、バランスの取れたポートフォリオを保持しております。

アストラゼネカは、スウェーデン・英国などのヨーロッパ諸国だけではなく、米国や日本はもちろん、中国市場においてもたいへん力を入れております。また、新興市場全体としても我々は力強く成長しており、広範かつ多様な地域に成長基盤を持つという意味において、他の多国籍企業とはかなり異なります。

アストラゼネカでは現在もたくさんの研究開発を進めています。最近ではオンコロジー(がん)領域の研究開発として、第一三共とグローバルアライアンス契約を締結し、ADC(抗体薬物複合体)の薬剤の開発も進めております。また循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患も重点領域としています。

また、生物学的製剤・低分子の技術を持っているだけではなく、日本のパートナー企業とともに、それ以外の診断機器やデジタルセラピューティクス(注:デジタル技術を用いて疾病の予防や診断、治療などの医療行為の支援や実施をするソフトウエア)なども開発しております。

中国・新興市場において、アストラゼネカは最も早い成長を遂げている多国籍企業でもあります。中国を含める新興市場は、アストラゼネカの売上の3分の1を占めています。中国では1位、新興市場においては第4位に位置しており、広く中国・新興市場に進出をしております。これら市場で、患者さんはイノベーティブなソリューションを必要としています。

がんなどの疾患の慢性化を防ぐために今すべきこと

さて、我々の戦略ですが、主としては拡大し、我々の医薬品に、患者さんがアクセスできるようにすること。特に新興市場においては、廉価であることはとても重要です。そういった意味で、新興市場の患者さんを助けるためには、日本の革新的なパートナー企業のお力添えが必要だと考えております。

また我々は、ヘルスケア分野において革新的なソリューションを医療機関に提供することによって、診断・治療の効率化を図ろうとしています。ここでも日本あるいは世界のパートナーの支援が必要になるのです。

例えば、がんの早期発見・診断は日本の得意とするところですので、アストラゼネカとしては積極的に学ぶべきだと考えておりますし、協力できる機会があると思っています。

また、適切な患者さんに早く治療を届けることも非常に重要です。現在、たくさんの疾患が慢性化する傾向もあり、多くのがん患者さんが何年もがんと共生するようになってまいりました。高齢化や疾患の慢性化に対して、薬剤というのは解決策のひとつに過ぎません。業界をまたいだ全方位的な協力関係が必要なのです。

こういったことを念頭において、お話しさせていただきますが、我々には14の確立されたヘルスケア分野の統合化されたソリューションがあります。患者さんを中心とした、ソリューションです。

無錫市(Wuxi)にある我々のイノベーションセンターでは、IoTのテクノロジー、5Gのテクノロジー、あるいはAIなどを駆使することで、医療機関ができるだけたくさんの患者さんを助けられるように支援をしています。

14の確立されたソリューションの多くは、すでに中国の4,300を超える病院で導入され、1,000万人の患者さんをサポートしています。もちろん新型コロナの今の状況を克服してからですが、イノベーションハブのパートナーの日本の皆さんには、中国のハブを訪問いただければと思います。

中国では、「i-Hospital」(internet hospital)という病院システムと「オンラインファーマシー」という薬剤システムを導入しています。患者さんが自分たちの都合に応じて、コロナ期においても何度も通院せずに済み、病院にも薬局に行かずに、処方せんをオンラインで入手できるようにしているのです。

会社と業界の垣根を越えて、ソリューションを起こしていく

また、6つの都市において、革新的なソリューションセンターを設立しています。その中でドクター、医療機関を支援し、革新的なソリューションを実施できるようにしています。

中国の無錫市には、「I-Campus」というイノベーションハブも設立しました。この拠点は、日本、スウェーデン、米国などをはじめとする海外の革新的なパートナーを実際に中国にお呼びして、中国企業とビジネスを中国で展開するために連携する機会を創出します。

中国においてアストラゼネカの規模は非常に大きいですから、コマーシャルのネットワークを活用すべく、「CICC(中国国際金融)」とヘルスケア・投資ファンドを作りました。まず2020年11月に3億ドルの調達を行い、企業に投資を開始いたします。合計10億ドルの投資を予定しています。

これを中国だけではなくグローバルに活用し、100以上の企業を支援したいと思っています。彼らがソリューションを開発して事業化し、成功できるように支援したいと思っています。スライドの右側には、パートナー企業が掲載されております。

日本における1つの好例として、オムロン社との連携があります。我々のCEOが京都のオムロンヘルスケアを昨年訪問し、世界的な戦略的提携に合意しました。呼吸器・循環器系および代謝疾患領域において、患者さんの疾患管理ソリューションの共同研究開発を目的としています。

オムロンとは中国だけではなく、多くの新興市場において、これら疾患領域において協業していきます。我々のようなヨーロッパの会社が日本の企業と国・業界・会社の垣根を越えて協力をする非常に良い例です。

日本のイノベーションハブも、国境を越えて世界各国のイノベーションハブと繋がっていきます。

イノベーションハブ同士がこれから先お互いに刺激し合い、協力し合いながら、世界中の患者さんのためになる価値を創出していけることを願っています。

私のほうからは以上でございます。近く、皆さんと顔を合わせられる日がくることを願っています。ご清聴、誠にありがとうございました。

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