大阪は4年間でどう変わったか

橋下徹氏(以下、橋下):では、第2部ということで。ちょっとあんまり普段は僕らも言わないんですけども。過去の維新政治の自慢大会をちょっとさしてもらおうと。

松井一郎氏(以下、松井):4年間ね。大阪はどう変わったか。

橋下:3流コメンテーターや5流コメンテーターは「都構想ばっかりやって大阪が停滞してる」とか「都構想なんかにエネルギー割かずにもっと着実にいろんな政策をやれ」とかそんなことばっかり言うんで、「完璧じゃないけど、こういうことをやってきましたよ」ってことを……。

橋下:これ見えにくかったらパネル変えようかな。アップできますか? 

有効求人倍率。百貨店売上高。市内公示地価。これ「橋下市長」ってなってますけど、松井知事も就任時で同時に僕の名前が今入ってますけども。

それから外国人観光客。借金の残高。人件費とかこの辺り、これ全部改善してるんですね。ちょっと知事、上から説明してもらいましょうかね。有効求人倍率。

松井:2011年と比べて、2014年は1.12倍。

橋下:だって最初は0.68倍。有効求人倍率0.68っていうと、2人に仕事1つぐらいしかない。そんな状況だったんですよね。

松井:だから3人に2人しか仕事ないというぐらいだね。

橋下:3人に2人ぐらいですか。それが今はもう……。

松井:選ばんかったら必ず1人1つある状況で。

橋下:それから百貨店の売上高。

松井:これも8,014億から8,463億ということで450億程度伸びておるということがわかる。

橋下:この伸びっていうのがどれぐらいかというと、全国で1番ですね。

松井:伸び率は東京よりも伸びてるんで。

橋下:それから地価も、これは景気の良し悪しを測る1つのバロメーターですけども。やっぱり大阪市内もどんどん今地価が上がってます。これも伸び率は全国でトップですね。外国人観光客ですが、これ知事が力を入れてた。

外国人観光客が倍増した大阪のプロモーション

松井:これはもう2011年は158万人、これ2014年の数字ですけど2015年、今年。今年は半期で320万人。

橋下:半期でね。

松井:半期で。今も国慶節で中国からいろいろ来ていただいてるんで、12月までいくとたぶん500万人越えるやろうと。

橋下:知事が特に力入れてましたけども、何が効きましたかね。

松井:やっぱり府市一体で観光局をつくって、徹底したビジネスするのは当たり前な話やけど、要はマーケティング。

旅行者のみなさん、インバウンドのみなさんのニーズをしっかりとらえて、おもてなしとしての1番はやっぱりフリーWi-Fi、これを全国一広げていってる。それで一番使いやすい形をつくってきた。

それとやっぱりプロモーション。これも平松市長、橋下知事時代に、大阪城でのモトクロスの大会。

橋下:大阪城の庭園で。天守閣の前の。

松井:そう。大阪城がバーンとバックに出てバイクが宙返りするモトクロスの大会。あれが平松市長当時もやりたいという話があったけども、橋下知事時代はできなかった。これを府市一緒に協力することによってできたと。

世界中からネットで、何百万人の人があの大阪城をバックにしたバイクの大会を見たと。「大阪ってどうなの?」みたいな。そういう形でプロモーションが成功してる。だから東京以上に外国人旅行者が伸びてますからね。

橋下:東京よりも外国人観光客も伸び率は上で、全国一。この間の日経の報道を見ると、近畿に訪れるアジアの外国人観光客のうち65パーセントぐらいが大阪で、京都が20パーセントぐらい。

松井:そうそう。京都を圧倒してると。そういうことになるね。

橋下:アジア観光客においてはもう大阪が圧倒してるということが報道にも出てましたけども。

関西国際空港と伊丹空港を統合

橋下:外国人観光客は僕が知事のとき、松井知事が府議会の幹事長だったときに関西国際空港の方針を一気に変えたっていう。

その当時は関西国際空港、とにかく土木工事だけをやれっていうのが関西国際空港の復興策みたいなものだったんですけども。

大阪維新の会で「伊丹空港廃止!」ってことをバーンと打ち上げて。まあいろんな反対食らいましたけども。

あれで国にけんかを売って課題を突きつけて、最終的には伊丹空港と関西国際空港を統合して天下りを全部なくして。あの辺りもすごい効いてるんじゃないですかね。

松井:これ言うと自民党が「アベノミクス効果で、要は円が安くなったから」とかそういうこと言うんやけど、「東京以上に伸びてるのはどう説明すんの?」ということなんですね。

これはまさに大阪のポテンシャルを府市一体でドーンと引き出してきたというところに、この結果が出てると思うんやけどね。

吉村:関空の統合なんていうのは本当にこれ維新の改革ですごいなと思うとこなんですけどね。

ちょっと思い出してほしいんですけど、当時の関空って大赤字の空港だったんですよ。毎年1,600億ぐらいの赤字が出て、ホンマ「こんなお荷物空港どうすんだ」っていうような状態で。

もう変わっちゃうと当たり前になるんですけど、それを維新で変えてきたっていうのはそこが大きく変わってるとこだと思うんですよね。

この数字に関していうと、ここには外国人観光客とかもこの辺りに絡むんですけど、ホテルの客室の稼働率、これ平成23年が68パーセントだったのが26年で81パーセント。13パーセントアップしてますね。これ全国1位。だからもうホテルもなかなか取れないぐらい多くの方が大阪に訪れてると。

やっぱり政治がきっちりやれば大阪も活性化しますし。そういうのやってきたっていうのは、これアベノミクスとは違うところで、しっかり大阪の改革をやってきたっていうのはこれからも古い政治に戻させないっていう意味ではやっぱりやらないといけないですし。

今の大阪が当たり前じゃなくて、その一昔前をちょっと思い出していただきたいなって思いますね。

橋下:あとでちょっと府の改革のやつもパネル出します。外国人観光客はこういう形で本当に倍増して、さらに今年度また倍になりそうな勢いと。

教育関連予算の拡大と生活保護費の減少

橋下:大阪市税の収入も上がってますし、借金も5兆円をきって今どんどん減ってってます。それから職員の人件費も削減したと。もちろん僕の給料も当然削ってるんですけども。給料や退職金、知事のほうも削ってます。知事のほうも退職金は80パーセントカットしてると。

外郭団体、天下りの団体数も半減までしてる。こういうことあとでもう1つ下行けますかね。生活保護費が大阪市ずっと上がってたんですけども、生活保護費を初めて下げたと。下がったと。不正な生活保護を徹底して追及していった結果、22年ぶりに生活保護は下がってきたと。

一方、教育関連予算が67億円の充填予算しかなかったものが330億円、約5倍に拡大したと。これちょっと一部なんですけども、こういう維新の政治があって。

松井:平松さんまでやね。

橋下:そうですね。これ以前はもっと悪かったと。それが維新の改革で良くなってきたと。当然、昔に戻すなということは当たり前なんですが、実は一番下見てもらえますかね。

これだけ維新の政治で頑張ってるんですけども、議会改革は全く進んでないんですよ、大阪市議会は。

これ市議会議員の定数は全く変わらず。それから市議会議員の報酬も変わらず。実はこれ変わらずなんですけども上げようとしたんですね。これ変わってるのは2010年と比べると2,000円下がった。市議会議員みなさん、2,000円下がったらしいんですけど。

松井:月2,000円。

橋下:月2,000円下がった。あれいつだっけ? 市議会議員の給料上げようってなったの。去年だっけね。

去年の年末ぐらいのときに市議会議員の給料、逆にこれ10万円月額上げようとしたんですね。結局柳本さんが言う「大阪を取り戻す」っていうのは、市会議員の給料とかこれを昔に取り戻したいっていう、もっと上げたいっていうそういうことしかないのかなと。

維新の政治っていうものがこれだけ結果が出てる。維新の政治がこれだけ変わってるってこと、大阪都構想をやりながらここまで変わってるってことはしっかり有権者のみなさんに理解いただきたいなと思います。

大阪府知事の交通インフラ改革

橋下:さっき客室稼働率は吉村さんから説明ありましたけども、雇用創出なんかどうですかね。雇用。

松井:府市で成長戦略をつくって毎年1万人増やしていこうよという成長戦略やったんが, 今5年間で15万人増えてると。年平均にすると3万人と。これ成長戦略の数字3倍にしてるよということですよ。

だから雇用が生まれてる分、有効求人倍率がドーンと増えてるんで。

橋下:それから大阪府のほうの改革も見てもらいましょうか。

松井:これも職員人件費は9パーセント下げてます。職員数は3,222人削減と。その下、天下り団体の数が25団体削減。46から21。

橋下:まあ約半分。半分以上ですね。

松井:そう。このうちの一番あれやったのは例の泉北高速鉄道、OTK。これを完全株式民営化。売却して民営化になった。

一番いい天下り先やったんだけども、あれが民営化になったことで、もう今まで鉄道って長年料金値下げ言われてたのが今あの区間でいうと40円、泉北高速鉄道の区間でいうと40円。南海の部分入れると80円の料金値下げにつながってると。

だからそのストックの組み換えなんですよね。その株式を売却したその原資を持って、今度大阪の止まってた鉄道インフラ、これ北大阪急行が2駅延伸。

橋下:北大阪急行っていうのは御堂筋線のさらなる北に伸びてるやつ。千里中央からさらに上に。

松井:美濃に行く。これが2駅伸ばしていこうと。

それとこれもほぼ大阪市と市長と話が大体詰めれてモノレール。これを角まで終点だったのを、東大阪の近鉄の7000のところにしっかりつないでネットワーク化していこうというところを、もうほぼ事業ができるところまで今計画が煮詰まってきてるんで。

橋下:これも知事がストックの組み替えと言いましたけども、要は新しく税を突っ込んで事業をやるんじゃなくて、今まで天下り団体で二束三文にしかなってなかった株式を民間に売って。これが700いくらで売れたんでしたっけ?

松井:750億。半分は民間の人間も投資されてるんで、大阪府に入ってくる部分はその半分なんで340億程度になるかな。

橋下:でもその株を持ってても年間1億か2億しか配当をもらってなかったんでしょう?

松井:そうそう。それで社長は大阪府から行くの。

橋下:天下りで。もうこんなやり方、多分全国の自治体もみんなこんなことばっかりやってるんでしょう。これをきちっと民営化すると300億以上のお金が生まれて。それを今度また鉄道インフラに回すと。

松井:そう。北大阪急行も一部大阪府株主なんで、その利益があがってきて便利になって利用者が増えてくるとまた株価が上がってくるんで。そういうものをまたストック組み換えていくことによって。

どんどん鉄道が伸びていってネットワーク広がってると。

大阪も30年近くそういう鉄道の新規路線ってできなかったやつをそういうストックの組み換えで利便性高めていくということ、これ初めて大阪で我々やったと思いますよね。

橋下:だけどこれを今度大阪市の地下鉄で。地下鉄を民営化してまず今公営企業を役所が地下鉄やってるけれども株式会社化をして、ゆくゆくは株をまたお金に変えてっていうことをやろうとしてるんだけど、なかなか大阪市議会、維新以外はうんと言わないですね。

松井:民営化案件はもう3年否決されて。今回は民営化案件じゃないんでしょ? だから。

橋下:そう。いきなり民営化やるんじゃなくて。

松井:また否決するから。

橋下:まずは民営化のプランについてちょっとよく考えてくださいっていう、そういう条例にちょっと変えたんですけどね。

松井:またそれ賛成したら、僕らも賛成賛成ってまた宣伝に使われるかもしれんよね。

とにかく3年間完全民営化も、要は何が言いたいか。今のOTKの民営化、これは一番最初に僕が言い出したのは今の橋下知事以前、太田知事の時代やった。

そのときは「もう何を言ってんの、バカなことを言って」みたいな感じで一切無視された。

それで橋下知事になって、もうその時点では大体民営化案件固めてたんで、僕らが議会側で。それで橋下知事にそれ提案して役所なんか検討してくれてデューデリやって値段決めて。

要はそれから完全民営化まで3年でできてんのよ。利用者にしたら、何十年利用料金下がらんかったのが一挙に3年で利用料金下げることができたと。

要はこの3年間、大阪市議会で地下鉄民営化否決否決否決と。これを少しでも早くすれば利用者がどれだけのプラスになるかが全く市議会わかってないと思うよね。