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「Umeki Salon」のおもしろさは覗き見願望? 若手編集者が異色の有料オンラインサロンを分析

「Umeki Salon」のおもしろさは覗き見願望? 若手編集者が異色の有料オンラインサロンを分析

読まれるコンテンツ10法則

edit9 前島恵氏(以下、前島) ではそろそろ後半に入っていこうと思います。後半でも同じように2冊の本を紹介します。では、1冊目はこちらでございます。『ブランド「メディア」のつくり方』です。 佐藤慶一氏(以下、佐藤) これは繰り返し読んでいる本でもあるんです。ちょうど図でも出てきた嶋浩一郎さんが編集されている本でして、紙とかWebだったり、フリーペーパーとか、いろいろなメディアの編集長や責任者が、インタビューだったり文章を書かれているのを集めた本です。 やっぱりWebメディアってなかなか、先ほども言ったように1ページごと読まれたりとか、トップページから読まれないっていうところで、Webメディアのブランドづくりが、なかなか難しいっていうところで。 この本では、人が動くとか、ものが売れる、お金が動くみたいなメディアを、ブランドメディアと位置付けて、そういうのをどうやって作るかっていうので、Webメディアの人こそ読むのをお勧めする本というか。 小川未来氏(以下、小川) これ紙もあるのがいいですよね。有料誌もあるし、フリーペーパーもあるし。 佐藤 いろいろな人が出ているので、本当にサンプルとして、自分と照らし合わせながら見られるというか。 小川 マネタイズとかジレンマ、全部書いてありますよね、これ。絶対読んだ方が。僕も何回も読み返しましたけれども。これはいい本だと思います。 佐藤 この本から取り上げたいのは、すごくキャッチーな内容ではあるんですけれども、読まれるコンテンツ10法則みたいなのが紹介されていまして。 小川 これWebでだよね。 前島 そう、Webで。 edit10 佐藤 中川淳一郎さんという、ネットニュース編集者の方の章で書かれている10法則ですよね。「突っ込みどころがある」「B級感がある」「意見が鋭い」「テレビが紹介した、ヤフトピが紹介」「モラルを問うもの」「芸能人関係」「エロ」「美人ネタ」「ニュースとか時事性があるもの」ラストが「人の不幸」という10個。 小川 最近はあと、今気付いた、猫。 前島 猫も1ジャンルになるぐらいって感じで、アプリも出てたりして。 小川 犬、猫でもいいんですけど。あれはびっくりですね。 佐藤 何だかんだ5年前ぐらいに出たフォームではありますけど、たぶんWebに限ってはいまでも結構当てはまる法則というか、要素ではあるのかなと。 前島 2010年。5年前ですね。5年前に出た内容なんですけども、ここからその状況ってどういうふうに変わっているみたいなところを、マネタイズ的な文脈も含めて、ここで佐藤氏に解説してもらいましょう。

ここ5年でポータルサイトからSNSの時代に変わった

gazou4 佐藤 そうですね。普段から「メディアの輪郭」というブログで海外メディアを見たり、国内のメディアを見たりしているので、ざっくりメディアのかたちやマネタイズについて分類をしたいと思います。すごいシンプルで恐縮なんですけど、ざっくり言うと、「PV×広告」という、よくあるWebメディアのモデルと。 あと「コミュニティ×課金」というか、応援のお金を集めるみたいな。ざっくり分けるとこの2つになっているのかなっていう感じはありますよね。最初から挙げるのは海外メディアで申し訳ないんですけど、BuzzFeedっていう海外のニュースサイトがありまして、月間2億の訪問数。 小川 UUなの? ユニークユーザー。 佐藤 マンスリーユニークユーザー。 小川 2億人が来ているってこと? 佐藤 2億人が集まっているってことで、何が新しいのかっていうと、さっきの5年前の法則と大きく違っているのは、あれは結構いわゆるポータルが強かったっていう、Yahoo!であったりとか、ライブドアニュースっていう、いろいろな出版社などの媒体社から、コンテンツを1ヶ所に集めたポータルサイトって言われるものが強かった時代です。 現在ではさっき言ったBuzzFeedっていうメディアは、逆に言うとTwitterであるとかFacebookであるとか、SnapChatであるとか、ああいう外のプラットフォームって呼ばれるSNSに最適化したコンテンツを流して、それこそ猫もそうですけど。 小川 画像1枚ですぐ、「かわいいね」「いいね」って。 前島 そのまま再生できるようになっているからね。

ニューヨーク・タイムズですら、製作会社になってしまう時代

佐藤 Facebookでは動画が自動再生されたりするので、そういうのでよく分散型って呼ばれたりして、いわゆる自社サイトに、ドットコムサイトに人を呼び込むのではなくて、外のプラットフォームでコンテンツを楽しんでもらう形をとっていて、そこが一番新しいところかなと。今度からFacebookがニューヨーク・タイムズとか、BuzzFeedと提携してオリジナルコンテンツを配信するみたいな報道も出ていたり。 小川 Facebook上で? 佐藤 オリジナルコンテンツを。 小川 勝手にフィードに流れているんですか、それ? 佐藤 提携したものが流される。 小川 アドじゃなくて? 佐藤 コンテンツ。それと併載というか一緒に広告も載せて、その広告も媒体社に一部返ってくるみたいなもので。それって、Facebookがオリジナルコンテンツを載せるっていうことは、自社サイトの意味ってどんどん薄れてきて。 小川 Facebookがメディアってことになるわけですよね。 佐藤 そこにオリジナルを、もうだって十何億人いるので、そこにもう配信したほうが読まれるよねっていう考え方。それをブランドにするかどうかは別として、繋がれば1つあります。 小川 そうだよね。ニューヨーク・タイムズはメディアじゃなくて、要するにコンテンツ制作会社ってことですよね。いわゆる制作会社ですよね、それ。 佐藤 そういう流れがきていますね。でも逆に言うと、プラットフォーム。流通の部分を取った後に問われるのは、そこにじゃあ何を載せるのかっていうところが重要になってきますよね。 前島 そうだね。 佐藤 お皿の上の料理をどう作るのか、どう乗せるのかっていうので、たぶん今もBuzzFeedではオリジナルコンテンツをつくる編集者とか、ジャーナリストをかなり雇っているので、コンテンツ強化っていうのをしてくるのは必然的なのかなっていう。 前島 極端な話を言うと、Google以後の検索エンジンに最適化されたサイトみたいな、後になっている可能性もあるわけですよね。プラットフォームがあって、その上にコンテンツをどう乗っけるかっていう。 佐藤 検索とは真逆のメディアの在り方っていうか。

分散型コンテンツ時代に、どう文化を作っていくのか

小川 BuzzFeedは今、自社サイトのUUも多いですけど、マネタイズはどうなっていくんですかね、分散した時に。 佐藤 やっぱり、Webメディアやっている人は知っている言葉かもしれないですけど、ネイティブ広告っていう、いわゆるTwitterで言うとスポンサードポストだったりとか、メディアであれば記事広告のような。 小川 いわゆる普通のTwitterのタイムラインに広告が紛れ込んでいる。 佐藤 そうですね。各媒体とかプラットフォームに馴染んだ広告みたいなので、いわゆるBuzzFeedの場合はFacebookももしかしたら投稿1個が広告なのかもしれないし、YouTubeではもうやっているんですけど、YouTube動画が実は広告だったみたいなのがあって、いわゆる外のプラットフォームの中でも単体で生きられるコンテンツ。 小川 タイアップコンテンツが主軸ということですかね。 佐藤 そうですね。 前島 いよいよそうなると、そういった中に文化を作るとか、強いメディアってどういうコンテンツ展開をするんだろう。 小川 いわゆる宣伝会社ですよね。ニューヨーク・タイムズですら制作会社なわけだから。 メディアをやっているやりがいとか、あるいは旧来の編集者の意気込みみたいなものはどこで担保されるのかっていうのは気になるところですよね。 前島 担保されないかもしれない。 小川 担保されないとやってられないですね。

グリーンズは遠隔で定例編集会議をしている

佐藤 BuzzFeedの場合は動画が強いんですけど、YouTube動画であれば、最初にBuzzFeedのロゴを出したりとか、そういうので、たぶんWebの記事よりもブランド認知を上げやすいっていうか。記事を読ませるのじゃなくて、動画の再生サイトにロゴを出すとか、そういうのをやっているので、そっちのほうが。 前島 そうだね。そのテキストって写真よりも動画のほうが時間をコントロールしやすいっていうか。 佐藤 そうですね。 前島 最初から最後まで見られやすいので。 佐藤 そういうので、海外の新しい事例なのかなと思います。国内だとコミュニティっていうのは、個人的にやっぱり関心があるところで、学生の時にライターインターンをやっていたグリーンズは、もともと最初は有限会社。その次に株式会社で、たぶん僕がいた後ぐらいからNPO法人っていう。 小川 もともと株式会社だったんですね。完全にNPOのイメージしかない、グリーンズって。 佐藤 やっぱり会社であると利益も出さなきゃいけないっていうので。いわゆる、さっきも言ったように広告のモデルが強かったっていうところで、でもやりたいこととそれってちょっと違うよねっていう。 小川 メディアとして姿勢を。 佐藤 そうですね。グリーンズメンバーも千葉にいたり、鹿児島、京都かな。 小川 今、鹿児島じゃないんですか? 佐藤 鹿児島を経て京都精華大学というところで教鞭をとるということで。編集長2人が東京にいないっていうメディアで。 小川 編集会議はいつも遠隔なんですよね。 佐藤 そうですね、SkypeとかWebで。 小川 信じられない。 前島 それで成り立っているのがすごい。 小川 あり得ない、普通。 前島 Credoは週1です。 小川 週1で対面で。 前島 やっぱり顔見ないとね。 小川 それが普通。 前島 保守的なのかな。わかんないけどね。 小川 いや、それが普通だから。信じらんないよね、Skypeだけで編集会議とか。

コミュニティ×課金の未来

佐藤 でもNPO型になったと。やっぱりそうなると、広告っていう色は少し、今もたぶん多少はやっていると思うんですけれども、多少色は薄れて、どっちかっていうと寄付会員っていう。お金を、月額かな。それで1,000円から支援できたと思うんですけど、集めるっていう。 前島 一番上の対比で言うと、右側の。 佐藤 コミュニティ×課金っていう。 小川 寄付会員の人には、紙のマガジンを送っていますよね、グリーンズは。 佐藤 そうですね。寄付会員になると、green Booksっていう。 小川 セミナーもやっていますよね、ドリンクスというイベントもやっているし、昔から。だからWebが軸だけど、編集というポータルのスキルで、いろいろなメディアで勝負している。 佐藤 グリーンズの寄付会員になったら、いわゆるコアな読者はすごい知りたい。グリーンズの編集ってどうなっているのとか、編集方針とか、どんなライターさんがいるのかとか、そういうコンテンツも読めたりするので。 前島 要は読者さんは、その裏側を知りたいんだね。 佐藤 コアな読者は。 小川 でもファンクラブだよ、言ってしまえば。Webって要は寄付会員であるけれど、greenz.jpってファンクラブ。 前島 AKBのドキュメンタリーみたいなものかな。違うか。 小川 いや、合っている。

Umeki Salonはなぜおもしろいのか

佐藤 極端に言うとそうですね。やっぱりコミュニティサポート型っていうので、農業とかだとCSA(Community Supported Agriculture)っていう、いわゆる農作物を作っている人と消費者が直接お金のやり取りをして、その農家を応援するモデルがあって。「東北食べる通信」とか。 greenz.jpっていうのは、Community Supported Mediaっていう、コミュニティが支えるメディアの形っていうのを目指していて、今後、もうちょっと読者の顔も見えて、作り手の顔も見えてっていう、そういう関係の中で、そんなスケールはしないけれども、ある程度の濃いコミュニティの中で、読者が支えるようなメディアの形っていうのは、日本の中だとひとつ象徴的な事例なのかなと思っています。 前島 2人ともサロン型のコミュニティに登録しているっていうふうに言ってましたね。 小川 僕は「Umeki Salon」っていうところに今月から入って。梅木さんは投資家でありブロガーであり、コンサルタントとかやっているかな。スタートアップ界隈でアナリストみたいなことやっている梅木さんって方がいて。 その方がやっているサロン、これおもしろいんですよ。Facebookでクローズのグループでやっているんですけれど、おもしろくて。先ほど名前挙げた田端信太郎さんだとか、あるいはgumiっていうソーシャルゲームで最近上場した社長さんとかがいたりとか。 社長もいれば、僕らみたいな学生もいて、梅木さんってアナリストもいて投資家もいてっていうところで、今400人ぐらいかな。数百人いるんだけれど、1つコミュニティがあって、それは梅木教祖を奉っているんではなくて、梅木さんがどっちかっていうと、ひな壇芸人的に突っ込みを入れる、あるいは突っ込まれるっていうところに日頃のコミュニケーションが成り立っていて。 それでいつも思うのは、これツイートだなと思うんですよ。梅木さんのFacebookグループに挙げるの、ツイートなんですよ。「こういうことがあって、ちょっと不思議だな。何でだろう。田端さん聞いています?」みたいな、そういう流れ。 田端さんって名指しして、田端さんがシカトしたりとか、いっぱいある。常に、今までの雑誌とかWebメディアって一方通行で、「こういう技術ありました」とか、「こうすべきだ社会は」みたいなのばっかりだったのが、梅木さんはクエスチョン投げたりとか、あるいは何かクエスチョンでも答えがないような、何かボヤキを投げたりとか。 そういったところが、いろいろな層の人たちから、アンサーを引き出して、あるいは別の疑問を引き出して、Facebook上でずっとコミュニケーション続いている。要はTwitterのタイムライン的になっている、サロンが。

サロンの傍観者は地下闘技場の観客席なイメージ

前島 傍観者はどのくらいの割合なの? 小川 それもおもしろくて。梅木さんはたまに、ログ専の人、見ているだけの人は、自己紹介してくださいって促す。すると、急に自己紹介のレスが5件とか10件とか付くんですよ。だから潜在層も含めるとよくわからないけれど、いっぱい普段からコメントしている人は、恐らく数十人。 前島 なるほどね。 佐藤 逆に言うと傍観者でも、もしかしたら満足している可能性もあるかもしれないですね。 小川 そうですね。だから僕は絶対あそこでコメントしたくないと思うのは、間抜けなことコメントしたくないじゃないですか。有名な人もいるし、見ているだけで満足できるっていうのもあるし。 どっちかっていうとそのコミュニケーションの舞台に自分が躍り上がるっていうよりは、その観客席にいたい。それはすごく地下闘技場みたいなイメージ。漫画とかである。なぜか地下でプロレスとか、実況が行われているみたいな。誰も他の人が見られない。 前島 なるほどね。あと、覗き見願望っていうか、すごい人同士のやり取りを見ているだけで満足っていうのは、普通にあると思う。755みたいに。 小川 そうそう、近いと思う。755みたいなイメージはある。ずっと続いていく感じ。 前島 755はサイバーエージェントのやっているアプリで、芸能人とかがLINE的に。 佐藤 チャットしているのが覗き見られるっていう。 小川 とりあえず飛ばしているみたいな。

Webで鍵をにぎるのは、突っ込まれビリティ!?

佐藤 梅木さんは、それこそ次に挙げるSynapseっていう有料サロンのプラットフォームを使っていて、多対多の関係性っていうのは、この間の現代ビジネスでSynapseの代表の田村さんをインタビューした時におっしゃっていて。 これまでって、1対多のコミュニケーションが多かったっていうのがあって、いわゆるメルマガであったり、ソーシャルメディア上で影響力のある人にファンが付くみたいなことが多かったんだけれども、逆に言うと梅木さんみたいに聞き手に回ったりとか、サロンの参加者が投稿したりとか、前島君はプロシューマーっていうのをこれに関連して言っていたんですけど。 前島 そのユーザー同士がプロデューサーでありコンシューマーであるっていう意味で「プロシューマー」という結構有名な言葉があって。 小川 ウィキペディアとか。 佐藤 初期のニコニコ動画ですね。 小川 ユーザーでコンテンツとかメディアを作り上げていくみたいな。僕思うのは、好きな言葉があって、「突っ込まれビリティ」っていう言葉があるんですよ。要するに炎上体質って言い換えられるかもしれないけれど、突っ込まれやすい体質。梅木さんなんかも、それなんですよ。 前島 なるほど。いじられキャラですね。 小川 いじられキャラでもあるかもしれない。飲むとすごく楽しいですよ。飲むと楽しい人って、やっぱりFacebookで騒いでも楽しいんですよ。要するに、隙がある発言をして、有名な人がそれに全力で突っ込んでいくみたいな。 「梅木ちげーよ」って言って。「実際の投資家はここでこう思ってんだ」みたいなのがバーッと来るっていうのは、ある種の才能であって、デザインもできるかもしれないけれど、だから、さっきCredo社説の炎上みたいな話があったけれど、Webにおいて、ある種の炎上体質、引火体質、突っ込まれビリティっていうのは、やっぱり1つの鍵にはなるのかなと思うんですよね。 前島 要するにあるきっかけやコミュニケーションの型みたいなものを与えるっていう、プロトコルを与えるみたいなところの役割になっている。

Webでは突っ込みがあって、はじめて記事が完成する

佐藤  Webの性質がそうなのかもしれないけど、紙のコンテンツって何か全部完璧な感じで。 小川 紙に突っ込んでも返事が来ないですよね。本当に(笑)。 佐藤 Webだとタイトル付けもそうですけど、いわゆる突っ込ませて、読者がリアクションすることによって、完成する記事もあったりするので、そういう突っ込まれビリティとか、隙のある部分っていうのは、大事なのかなっていう。Synapseで言うと、やっぱり権利を買っているみたいなイメージがものすごく強くて、場に参加するであるとか。 前島 地下闘技場に入れる、見られるみたいな。 佐藤 それを別にコミュニケーションに参加してもしなくてもいい権利もあるっていう、それも結構大事なのかなと。僕は音楽フェスとかに行くことがあるんですけれども、その時にやっぱり、1日券を買ったとしても、お目当てのものは見ても見なくてもみたいな。 小川 全部見たら死ぬよね。 佐藤 全部の時間帯は行かないけれども、ちょくちょくつまみ食いできるみたいな、何かそういう使い方の自由があるというか、時間の使い方とか、場の使い方の自由があって、その権利を行使もできるし、使わなくてもいいみたいな、そこの自由っていうのは、課金型のコミュニティメディアにとって重要なのかなっていうのは感じたりしますね。 前島 なるほどね。 小川 そう思う。

雑誌は紙からアプリに進化するのが正解だった!?

佐藤 最後に行きます。個人的に注目しているのが、読み放題系サービスっていう。 小川 今の話と繋がっていますよね。 佐藤 繋がっていますね。ドコモさんがやっているdマガジンとかもありますし、音楽でいうとSpotifyとかもありますし。 小川 Huluとか。 前島 課金しています。 佐藤 そういうのもありますね。個人的に何で注目しているかっていうと、Webメディア化を渋っていた出版社って、かなりあると思うんですけど、でも実は雑誌のWeb化って、何の答えでもなかったのかもしれない説っていうのを個人的に感じていて。 小川 要するにPDFカンパニーに近いですよね、雑誌をPDFにしてWebでアップロードしたところで。 前島 あとは雑誌のバラ売り化っていう。 佐藤 どうしてもPDF化やバラ売り化になっちゃったりするけれども、やっぱり読み放題サービスだと大きな通信キャリアがやっているっていうこともあって読者もいるし、お金もたくさん返ってくるっていう現状が実際あって、100万人以上のユーザーがいたりするので。逆に言うと、読み放題アプリに参加したほうが、単体ではなくそういういろいろな束となって、読まれるし、お金も返ってくるっていう。 小川 権利購入型に繋がっていて、そこにいつでもアクセスできるってことが、恐らくWebの特権で。すぐGoogleでググるに近くて、dマガに入っていたら、講談社だったら『クーリエ・ジャポン』とか、何年か前の『フライデー』のスキャンダルをすぐ引っ張ってきて盛り上がれるとか、そっちのほうが大事ですよね。 佐藤 いきなり紙のデバイスから、実はアプリっていうのが正解だったのかもしれないけれども、それを読み放題サービスは提示しているのかなって個人的には考えています。

読まないものも含めて買ってもらえるのが、紙媒体のいいところ

前島 作り手側から言っても、やっぱりWebで売っちゃうと、大事なんだけど読まれないってあるんですよ、やっぱり。編集者とかライターから言うと。そういうのも総体として売れるようになって。雑誌とか新聞の良さって結局そうじゃないですか。定額課金してくれて、読むのも読まれないのも含めて総体として買ってもらえるっていう。それができるようになる。 かつ、それを雑誌がコンテンツの束だとすると、アプリだと雑誌の束として売れるっていうことですよね。廃刊になる可能性のある雑誌も、総体としてアプリで何百通含めて買ってもらえるっていう。 小川 OCRっていう文字認識をやって、例えば大宅文庫っていう雑誌の図書館ありますけど、あそこだと見出しが全部文字化入力されているみたいな。例えば浜崎あゆみの資料を調べたいって時に、大宅文庫っていう雑誌の図書館に行って、浜崎あゆみって入力すると、何でもいいですけど、ブルータスとかポパイとか、全部オーダーして、検索で浜崎あゆみのインタビューを調べられるんですよ。 今そこ、大宅文庫とか国会図書館しかできないと思うんですけど、恐らくこれがフリーマガジン的なものが赤い部分がもっと整って、文字認識、見出しがちゃんと全部デジタル文字化されて、検索として引っかかるようになれば、いろいろな人がすぐ浜崎あゆみの10年前のインタビューを開けることになる。そうすると、今読まれない記事っていうものも、蓄積して挙げていくっていうのも出てくるよね。 前島 未来に対しても可能性が開けるっていうことになる。 小川 さっきの話にちょっと戻るけど、本当に何が正解かわからないし、これとメディアの形態と結び付いているから、本当に編集やりたい人って、どの会社に入ればいいのかわからない。これってそれぞれの主観で、これは別に編集者には関係ねえだろみたいなのがあるかもしれないし、コミュニティマネージャーみたいなもの。宴会の企画とか。そこら辺はすごく個人が問われているなって、これを見て改めて思うよね。 佐藤 選択肢がめちゃくちゃ多くなりすぎていて、選ぶ力がやっぱり編集者としても問われますよね。キャリアを選ぶというか、立ち位置を選ぶというか。 小川 サロンだって、Synapseの社長のタムケンさん(田村健次郎氏)も、4年くらいでやっと最近DeNAに投資してもらって。最初誰も流行んないとか思っていたし、やっとですよね。そういうのは自分である種の往々にしてリスクを取ること、リスク提供が大事だよね。 佐藤 さっきもキャリアの図で被るところもあれば、被らないことももしかしたらいいかもしれないみたいな。その選び放題のキャリアだけれど、どうしていきたいのかという感じですよね。

クラウドファンディングを使って、ジャーナリズムの未来をつくる

前島 さてここで少し告知なんですが、新しいサービスを昨日リリースしまして。今の話に繋がるんですけど、CredoなりにちょっとWebメディアのマネタイズっていうものをチャレンジしてみようかということで、軽く紹介させていただければと思います。 edit11 edit12 「クレドア」っていうサービスで、ジャーナルクラウドファンディングっていう造語なんですけれども、これをちょっと広めていきたいなと思っていまして。どういうものかっていうと、何か記事を書きたいと、調査なり取材なりをして記事を書きたいっていう人が、ここで応援者を募って。今はツイートとシェアっていうので支援ができるんですけど、のちのち資金でも、お金で支援できるようにするんですけど、それを元にして、取材なり調査を行って、記事を対価としてユーザーさんに届けるっていうサービス。 小川 要するに企画だけ出して、応援団がいっぱい集まったら、それを記事化しますみたいな話だよね。 前島 そうです。それが成立しなかった場合は、没になるんですけれども。そういうサービスです。 小川 なるほど。公開企画会議みたいなイメージ。 前島 いずれコメント欄を設けるつもりなので、意見をもらいながらも、その記事の内容も決めていく感じですね。 小川 なるほどね。でも媒体はそうですけど、これCredoに載せなくてもいいんですか? 前島 そうです。今のところはクレドアっていうのは仲介で、個々の媒体とユーザーさんの仲立ちになるような存在です。 小川 なるほどね。日経でもいいし、講談社でもいいし、その企画提案者が選べるっていう。Makuakeみたいなクラウドファンディングサービスを使って、ニューヨークのメディア事情を探るみたいな。実際、既存のクラウドファンディングの中ではありますよね。メディア繋がりの資金を集めますみたいな。 前島 はい。完全にそこに特化しているというか、記事を届ける、ジャーナリズムに特化したクラウドファンディングとしてリリースしました。じゃあ簡単に何でこれをやっているかっていうと、やっぱりWebメディア、特にニュース媒体では、たくさんの人に読まれるためには、色のないものを出していかなきゃいけない。 かつ、リリースするまで評価がわからないんです。特に広告だけを収入源にしていると、世に出してPVが出るまで、評価がわからない。あまりコストをかけてチャレンジできない構造があるんですね。そうすると、より安価に、かつ読まれるコンテンツをつくるしかなくなる。要するに、動物とかエロとかに流れちゃうっていう傾向があって。 小川 必ず、ある程度PV数来るっていうことですよね。 前島 そうですね。そうすると、でかい規模の会社とか、もしくはお金を持っているところしか生き残れない。そういう状況で我々はどうしようかっていうと、そのリリースと取材・執筆っていうのを裏返すと。 それで書く前にちゃんと評価してもらって、お金つけてもらって、ちゃんとしたコンテンツを届けると。そうすることによって、Credoらしさみたいなところも出していけたりする。 小川 全くエロくないし、全くスキャンダラスでもないけれど、なぜか「いいね」がいっぱい集まったから記事化しますって言っているんですよね。

  

(制作協力:VoTX

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