アイデアの元は壁掛け時計

額田一利氏(以下、額田):ご紹介にあずかりました、チームembotの額田と脇阪です。本来は3人のチームで、あと山﨑が、そこで今回の撮影担当をしてくれています。

では、このTECH LAB PAAKで実際にこういうことをやってきましたよというところと、embotってどういうものなのかを簡単に紹介していきたいと思います。

もともと、このembotというプロジェクトは、「これだけスマートフォンとかインターネットが発達してるのに、いまだに掛け時計というものが存在してるよな。壁掛けのカレンダーってってなくならないよな」みたいなところから、発想として得られたアイデアになっております。

ダンボールでできたお手軽ロボット「embot」

簡単に言えば、こういう……、すいません、これは私の寝室なんですけれども。この枕元にあるのがダンボールで簡単に作れるロボット。

オリジナルで簡単な、いろいろとフレキシブルに動かせるダンボールロボットembot、“EMotion roBOT”を考えております。

できることはすごく単純です。本当にただ単純にアプリとか、いろいろなセンシングデータの情報を引っ張ってきて、「ロボットのポーズが変わりますよ」ということができます。

たくさんの人に使ってもらうために

今回、TECH LAB PAAKで、我々チームとして「こういうことやらないといけないよな」「こういうことやりたいよな」と思っていたのは、「とくかくこれをたくさんの人に使ってもらおう」と。

これの長所は、ダンボールで簡単にできている部分なので、いろんなところに応用できるよね、と。

僕らはあくまでプラットフォームというか、そういう土台を作っただけであって、いろんなユースケースをまだ考えられてなかったので、今回この6ヶ月を使って、いろいろ機能拡張したり、「こういうアウトプットしていこう」というところの活動を精力的にこの場でやらせていただいております。

今回(発表時間が)3分しかなくて、本当は全部用意してたんですけど、ガーッと(紹介します)。例えば、日テレさんのテレビ番組と連動してとか、怖い映画を見てるときはロボットが動いてるとかについても、本当は話したかったんですけど。あとほかにも、まだ準備中の話せないような企業の名前とかもあります。

今回は、そのなかでも子供イベント「Kids embot」を、実際にここの会場(TECH LAB PAAK)を使わせていただいて開催したので、そちらの紹介だけさせていただきます。

具体的には教材化ということで、こういうふうに子供たちでも簡単に作れるものを準備して、アプリ側でも、簡単にポーズを組み合わせて作れるようなものを作りました。

LINEスタンプと連携してロボットの表情が変わる

次は機能拡張。どういうところがあるのかというところなんですけれども。LINE連携を今回は紹介させていただきます。時間がないですね。

脇阪洋平氏:デモですけれど、こういうキット。マニュアルとダンボールのキットを用意して、子供たちにこういったロボットを作ってもらいます。

これに今回はLINEからスタンプを送って、気軽に使うデモを見せています。こんな感じで笑顔のスタンプを送ると、今、連動して動いてます。

次に悲しい顔のスタンプを送ってもらっていいですか? 悲しいスタンプを送ると、ちょっと悲しいポーズになる。

スタンプの直感的なコミュニケーションを、現実の世界で動きにということの可能性でこういうデモを作りました。

オープンソース化で可能性を探る

額田:もう時間ですね。終わります。今後は、こういうことをがんばります。

今後、教材がウケそうなので、そのへんのところからまず1つの拡張機能とかアウトプット出していきたいんですけれども。

それでもまたオープンにして、いろいろおもちゃだとか、いろいろなところというのを、可能性を考えていきたいと思います。すいません。駆け足になりました。以上です。

(LIG賞を受賞)

岩上貴洋氏(以下、岩上):LIGの岩上です。今日はありがとうございました。非常に楽しくて、個人的にもすごく刺激になった1日でした。ぜひ一緒にコラボしてなにかいいものができたらと思っているので、一緒に作ってコラボレーションするようなかたちで進められたらいいなと思います。よろしくお願いします。

あと、LIGでは長野にLAMPってゲストハウスをやってるんですね。ゲストハウス2泊3日を無料でご提供するので、3人で合宿にぜひ来てください。いい機会になればと思います。

インターネットで靴を“試着”できる「FlickFit」

廣橋博仁氏(以下、廣橋):よろしくお願いします。FlickFitの廣橋と申します。

僕たちはインターネット上で靴を試着するサービスを作ってます。

ECサイトのBuyボタンの前に「試着」ボタンを設置します。

この靴と自分の足の3Dデータ。ここに3Dスキャナーがあるんですけども、この上に3秒ぐらい立ってもらうと足の3Dデータを測ることができます。

ここにお客さんになる人たちの足のデータと、靴のデータをヒートマップで表示させて。ECで購入前に、当たりどころがわかります。

足、靴、2つの3Dデータからアルゴリズムを作成

独自技術としては2つあります。1つはラスト(木型)を使わずに、靴の内寸測定をしています。

もう1つは足と靴の3Dデータ、2つの3Dデータを使って、アルゴリズムで靴と足の位置合わせをしています。こちらは千葉大学さんと一緒に共同研究して1年半ぐらいやっています。

PAAKに入らせていただいてからのアップデートになります。

まず、今年の1月から6月までの間でWebのシステムが開発終了しました。あとは、靴の、先ほどの内寸測定の運用の体制が確立しました。

それと、アルゴリズム自体の精度が非常に低いような状況だったんですけれども、これが2社と共同実験的を取り組んでおり、少しずつ改善しています。

またリアルなスキャナーとは別に、スマートフォンを使ってアプリでスキャンできるような環境を作ろうと思っています。これでグローバルにスケールさせていこうと思っています。

アプリの中身自体は8月末に完成する予定です。

新宿伊勢丹でのテスト導入もスタート

ビジネス面に関しては、テスト導入が2社。新宿伊勢丹さんで開始させてもらってます。それとメディア掲載も5紙ほど掲載いただきました。

あと潜在的な顧客さんは8社ほど。百貨店さん、SPAさん、EC、TV通販などでも活用の相談をいただいてるのが今の状況です。

現状の課題に関しては、どこも会社さんもそうでしょうけれど、エンジニアが足りないです。

また、当初はECに特化した事業を考えていたのですが、現場で話してみるとオムニチャネルのニーズが多く、サービスの設計自体を少しブラッシュアップしています。

ビジネスでは、スキャンスポットの設置と集客に関してが、課題かなと思ってます。以上です。ありがとうございました。

(マイクロソフト賞を受賞)

砂金信一郎氏(以下、砂金):我々、やはりクラウドをしている立場からすると、データをたくさん溜めて活用しそうだなというものを、あえて選ばせていただいております。

測定したデータ、それは足のデータも、靴のデータも含め、素晴らしいデータベースがたぶん世界中で作られると思いますので、そのデータをぜひ溜めていただきたいと。

こちらの副賞以外にも、BizSparkというスタートアップ向けのクラウドをタダで1,200万円使っていいですよというものをご提供しますので、それにデータをじゃんじゃん溜めていただいて。

なんのオブリゲーションもいただきませんので、もしビッグになったら、「リクルートさんのTECH LAB PAAKとマイクロソフトのお陰です」と言っていただければ、それでもうぜんぜん問題ないです。ぜひ、今後もがんばっていただきたいなと思います。

ビザを基盤とするサービスの可能性

岡村アルベルト氏(以下、岡村):はじめまして。岡村と申します。よろしくお願いします。

僕が今からプレゼンテーションさせていただくタイトルなんですけれど、「ビザを基盤とするサービスの可能性とスゴさ」。これに関して簡単に説明させてください。

最初に自己紹介から入りますと、僕はこんな顔なんですけど実はハーフでして(笑)、1991年南米ペルーというところで生まれました。

10歳の時に、僕の友達が日本のビザで強制送還されるという事件があったんですね。ここがけっこう僕の人生のターニングポイントになりました。

実際に入国管理局に勤務して知見を収集

なぜこんな問題が起きるかというと、入国管理局に勤務している人たちって全員公務員です。つまり日本語しか話せないんですね。

一方で、ビザを取得するのは外国人であって、言語的にすごくディスカッション、やり取りが複雑で難しいんですね。

これをどうにかしたいという思いがあって、品川の入国管理局の受付窓口現場責任者として勤務をしました。

ここで本当に2万件ぐらい、難民さんから外交官まですべてのビザを把握して、去年の9月にResidenceを設立しました。ビジョンは「世界から国境を無くす」というところです。

紹介動画があります。

(紹介動画が流れる)

ビザを簡単に取得できるサービスです。

もうビザで待たされることはない

入国管理局が作成している申請書類というのはすべて日本語です。弊社の場合は英・中・韓、自分の言語で出てくる質問に答えていくだけで、日本語の申請書類が自動的に埋まる。そういうWebサービスです。

入管ってだいたい6時間とか待たされるんですね。並んだあとに書類のチェックが入りますので、足りなければ「また次の日に来てください」と。実際、僕はこれを言う側でした。

弊社の場合はSkypeで本人確認をして、必要な書類をお伝えして。あとは集めていただければ、行政書士が責任をもって入管に申請するという、すごくシンプルなスキームです。

もちろん新しいビザも受け取りに行きますし、住んでらっしゃるところにも郵送します。ビザで待たされることがない、そういうサービスです。

自己申請より安い!? サービスは3,000円から

価格がすごく特徴的で、なんと3,000円から。自己申請するよりも安いんじゃないかというぐらいの価格でやっています。もちろん書類作成だけであれば無料。それが私たちResidenceです。

まとめると、だいたい6時間かけていたのが10分で終わって、日本語でがんばって書いていたのが母国語で終わって、そして行政書士に依頼した場合10万円かかっていたのが3,000円からという。こういう素晴らしいサービスが僕たちが提供してるものです。

試験的に始めているサービスではあるので、爆発的にユーザーがいるかというとまだそうではないんですけども、今のところ700名と法人契約者数が35社というところでやっています。

この3,000,000。この数字が、今まさに僕たちががんばっている数字です。なにかといいますと、働き盛りの30人に1人が外国籍。こういう時代が6年後に来るんですね。ここに対して僕たちは、今後いろんなサービスを提供しようと思っています。

情報をもとにさまざまなサービスを展開

大前提として、僕たちはビザ屋さんなのかというとそうじゃなくて、ビザ情報をもとにいろんなサービスを展開して、そこで収益を上げる会社です。

一例としてこういう情報が僕たち取得できます。こういう情報を活用して、外国人が日本で見つける仕事の紹介とか、銀行でのローンを借りる際の与信の構築とか。

あとは日本のビザしか今は対応してないんですけれども、来年ぐらいに中国とかアジアをメインで外国に行く際のビザをLINEで取得できるサービスというのにも着手していきます。

こういうことを行うことによって、人類規模での人の適材適所を提案し、もっとグローバルな世界を実現できるのかなと思っています。ありがとうございました。

(会場拍手)

(メンター特別賞・オーディエンス賞を受賞)

安武弘晃氏(以下、安武):本日はありがとうございました。とてもたいへん刺激になりました。PAAKのメンターをやらせていただいております。

選ばせていただいた理由は、私自身がここ3ヶ月ぐらいビザを取る申請をしていて、ようやく取れたんですけれども、本当に大変で(笑)。

世の中の非効率を改善することは本当に難しいんですけれども、その問題に正面から取り組まれて。しかも3,000円という信じられない値段を出されているので、本当にこれはイノベーティブだと思い、選ばせていただきました。

これからにすごく期待してます。がんばってください。おめでとうございます。