“アイドルオタクに推される”kintoneに変えたい

築山春木氏(以下、築山):みなさん、こんにちは。鈴木愛理ちゃん(注:ソロヴォーカリスト。2017年までハロー!プロジェクトの人気アイドルグループ「℃-ute」として活躍)大好き、築山と申します。私からは、「アイドルオタクがkintoneで仕事を楽しくしてみた」というお話をさせていただこうと思います。

みなさん「最後にやべーやつ出てきた」と思ってらっしゃるかもしれませんけど、まずは私たちアイドルオタクのことを知っていただきたいと思います。

これはアイドルオタクの市場を表しているデータなんですけれども。アイドルオタクの市場規模は、2,400億円あると言われてます。

次にオタクの人口が出てくるんですけれども、そのうちアイドルオタクは、280万人いるんですよ。みんな年間平均10万円以上使ってるんですね。

この人たちがkintoneを使ったら、kintoneってものすごく広がるじゃないですか。ということで私、調べてみたんですよ。ただこれ、ちゃんとしたデータがないので、私が勝手に友達にアンケートを送り付けて「kintone知ってますか」と聞いてみました。

その結果、これですよ。もう全然ダメじゃないですか。使っている人、ゼロなんですよ。それで、知っている人20パーセント。これはよくないなと思って、ちゃんと「アイドルオタクに推される」ように、kintoneが変わっていく必要があるんですね。

ということで、ちょうどいい機能が出たじゃないですか。今年の7月にアップデートで、ポータルのカスタマイズができるようになったんですよ。これを使って私、さっそくやってみました。ご覧ください。

どうですかみなさん、これが私のkintoneですよ!

(会場笑)

(会場拍手)

いろいろな派閥のオタクが「推し」に合わせたポータルを作れる

もう、めちゃくちゃうれしいじゃないですか! それで、みなさんこれを真似したいと思いますので、作り方をお教えしたいと思います。

作り方は簡単です。サイボウズさんが、「Kintone Portal Designer」というツールを出していらっしゃいますので。これでテンプレートから選んで、あとは画像などを変更して。するとJavaScriptが生成されますので、これをkintoneシステム管理にインポートする。それだけです。超簡単です。

設定がこれだけということに問題がありまして。これ、kintone全体のカスタマイズになっちゃうんですよ。つまり、管理者の趣味100パーセントのポータルができちゃうんですね。

みなさん、考えてみてください。オタクといってもいろんな種類がいるんですよ。いろんな派閥があるんですね。せっかくkintoneを入れたのに、これじゃもうチームワーク崩壊じゃないですか。全然ダメなんですよ。

なので私は、「チームワークあふれるポータル」をどうやって作ったらいいかと考えてみました。

まず、いろんなオタクのためにいろんなポータルを用意してあげます。続いて、いろんなオタクごとのグループを作ります。

次に「Customine」というサービスを使います。これを使うとログインユーザーごとに、それぞれグループに設定されているJavaScriptを実行することができます。

結果として、このようなかたちで、それぞれのユーザーごとの推しに合わせてポータルを変えられるようになります。

「推し変」への対応も万全

みなさん、これでもう「すごくいいな」って思われるじゃないですか。ただ、みなさんまだわかってないんですよ。推しって、変わるんですよ。

(会場笑)

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なので、推しが変わったときにはこうやって、ポータルを変更するアプリを用意してあげました。これで上長の承認を得たら、APIを叩いてグループが変更される。こんな仕組みを作りましたので、ご覧いただきたいと思います。

まず今のポータルは鈴木愛理ちゃんになってますけれども、変更していきます。私、予選では別のアイドルに変更したら「違いがわからない」とみなさんに言われたので。ちょっとネコの画像に変えていきます。それで、申請をします。

(会場笑)

それで、変更していくんですけれども。今度、上長のポータルですね。上長のほうは、こんなまじめなダッシュボードのポータルになっていて。下に通知が来ていますので、これで承認してあげてください。

そうするとですね、またユーザーのほうに戻りますけれども、先ほどまでの鈴木愛理ちゃんがネコのポータルに変わっていると。ご覧いただけるかなと思います。

「隠れオタ」のためのシークレットモードを追加

私が予選でお話しさせていただいたのはここまでなんですけれども、このままでは、ちょっと機能が足りないと思いまして、新機能を作ってきました。

みなさん、冒頭の私のスライドを思い出してください。オタクの人口ですね。これ、足すと全部で2,700万人いるんですよ。それで、日本の人口が1億2,600万人いるんですね。そのうちの15歳から64歳までが7,500万人です。これがどういうことか、みなさんわかりますか。

3人に1人がオタクなんですよ! これ、みなさんのことですからね、みなさんの3人に1人がオタクです!

(会場笑)

みなさんみたいな人たちのことを、「隠れオタ」というんですよ。「隠れオタ」の人たちは、せっかくポータルを作っても使ってくれないんですよ。なぜかわかりますか。オタクってバレたくないんですよ。

なので、そういうみなさんのために……「シークレットモード」というものを作りましたので。

(会場笑)

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ご紹介します。先ほどと同じように変更申請のアプリがあります。こちらの一番下にシークレットモードが隠れていますので。ここで当然、上司に内緒で変更します。

(会場笑)

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それで、トップに戻ります。これは2段階認証になっていまして、鈴木愛理ちゃんの生年月日わかる方! いないですよね! セキュリティ完璧じゃないですか!

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これは質問をユーザーが自分自身で設定できますので、kintoneの管理者でもログインすることができないです。

予期せぬオタバレにも配慮した機能

築山:こうやってシステム的に対応しても、最後は物理的に覗かれちゃったら、まったくダメじゃないですか。なので、ちょっとウッシーさん、こっち来てもらっていいですか?

司会者:はい、わかりました。

築山:こうやって人が近づいてきたら、こうやってとあるキーを叩くと、みなさんのよく知っているクラシック表示のポータルに切り替わると。

(会場笑)

こんなものを作りました。これによって、複数のポータルを用意してあげて、ユーザーが自分自身で、推しが変わっても変更できる。さらに、シークレットモードを作ってあげることで、プライバシーにも配慮すると。

これによってオタクの人たちにも、喜んでポータルを使っていただける、kintoneを使っていただくことができますので。

ぜひみなさんの周りの人にもポータルを、kintoneを使っていただいて、みなさんのkintoneの生活を楽しくしていただければと思います。以上です。

(会場拍手)