大切なことは注意の向け先

DaiGo氏:だから、注意を向ける方向とか、時間とか、そういう注意力の向け方を意識しましょう、ということが重要です。うまくいってる人の秘密としては、注意を向ける方向を常に意識してる、ということがやはり上げられますね。

では、注意を向けるというのはどういうことなのかというと、一般的な注意と選択的注意、選択的注意は「selective attention」というんですけど、なにに注意を向けているのか。特定のものに選択的に注意を向けるってことが大事なんですけれど、これの使い分けがうまいんですよ。

よく切り替えがうまい人っているじゃないですか。仕事する時・遊ぶ時って、この切り替えがうまい人。こういう人はselective attentionとより一般的な注意、「general attention」の使い分けがうまいんですよ。

だから、スイッチの切り替えがうまい人でよく誤解されているのは、スイッチの切り替えがうまい人が、常に注意を向ける先をカチカチ切り替えてると。

例えば、仕事をする時は仕事へ注意を全力で向けていて、遊び時は全力で遊んでる方向に注意が向いてるようなイメージがあるんですけど、実際はそんなことはなくて、仕事の時に向けている注意と、遊びの時に向けている注意はそもそも違うよと。

仕事の時に向けているselective attentionというのは、本当にひとつのことに向かって注意を向けてるんですよ。「ここだけ!」みたいに。例えば、僕だったら「読書でいかに早く知識をたくさん頭に詰め込むか」ってことに注意を向けるとかですね。

気をそらさないと注力は保てない

逆に一般的な注意、general attentionになってる時、例えばぬこ様と遊んでる時とかがそうですけど、こういう時はぬこ様と遊ぶことに全心全力をかけてるわけではないんですよ。

つまり、注意があちこちに向いてるんですね。だから、遊んでる時に、ぬこ様が滑ってるところを見て「かわいいな」って思ったり。遊んであげてても、ぬこ様の表情とか声とか、そういうのに注意を向けてるんですね。だから、実はいろんな方向に注意がそれてるんですよ。

だから、この切り替えるということは、selectiveな注意力をしばらく発揮したら、気をそらす動作として注意があっちこっちに向くようなことをやらないと、人間の注力を保てないよってお話なんですね。

結局、注意をどこに向けるか……いわゆる切り替えがうまい人というのは、注意を1点に集中する時とバラす時の切り替えがうまい人のことを、いわゆる「切り替えがうまい」というんですね。

だから、みなさんも、例えば仕事とか勉強とかでなにか結果を出そうと思った時には、selective attentionを発揮したあとは、注意がそれるような活動とか、上の空になるような活動をしたほうがいいよって話ですね。

(コメントにて「集中と散漫の切り替え?」)そう、注意と散漫の切り替えです。注意が散漫になることが悪いわけじゃなくて。狙ってないのに、注意が散漫になったりとか。

ひとつのことに注意を向け続けられるか

あとは、時々超まじめな人がいて、クソ真面目な人はすべてに注意を向けようとするんですよ。こうすると結局散漫になります。

だから、「集中できるかどうか」を考えるよりも、「ひとつのことに注意を向け続けられるのかどうか」ってことを考えたほうがいいよって話なんですね。

実際に、そういう注意力の研究ってすごくおもしろいです。この注意力というのはなにかというと……集中力というのは注意力とも非常に関わりがあるんです。注意力は「なにに目を向けるか」です。

だから、よく「携帯のピコンッと鳴る通知が集中力を奪いますよ」って話をするんですけど、あれはなぜかというと、例えば仕事してる最中はselective attentionの状態なんですよ。目の前にあることに集中力・注意力を向けてやっています。

これが、ピコンッと音がなった瞬間に、注意がそっちに強制的に向くんですね。これは外部刺激によって、みなさんの注意力が持ってかれちゃってるんですよ。

だいたいアメリカのティーンエイジャーの場合は、1日に100通以上のメールとかLINEみたいなメッセージを送受信している、と。眠ってる時間を除くと、だいたい1時間あたり10通ぐらいメールをティーンエイジャーはやりとりしてるんですね。そのメールが鳴るたびに注意力を奪ってるのがよろしくないよって、そういうお話なんですね。

不安や動揺を無視する力

では、どういうふうに集中力・注意力を発揮していくかってことなんですけど、結局、集中力が低下すると、例えばスポーツだとわかりやすいんですけど、いろんな結果だったり、スコアが悪くなるんです。

そこで、スポーツ選手とか、圧倒的な集中力を発揮しなくちゃいけないような人たちを調べてみると、ある能力が高かったんですね。

「どんな能力が高かったと思いますか?」という質問をみなさんにしたいと思いますけど、どんな能力だったと思います?

ある能力を測ると、その能力を測った結果と、そのシーズンの競技結果、成績がある程度予想できるんです。

(コメントにて)「性欲「嗅覚」「精力」ね。それはあるかもしれないですね。「射撃」って(笑)。「散漫した心を集中させる力」惜しいな。

なにかというと、これは不安とか動揺を無視する力。自分が不安を抱えている時に、その不安に囚われない力がすごく重要だったってことがわかってるんですよ。

つまり、なにかというと、多くの人は不安になったり、恐怖感を抱えるわけです、なにかをする時に。それが集中力を妨げることにつながってる、と。

だから、不安とか自分の心の動揺みたいなもの、つまり不安ですね、をマネージメントできない人は、基本的には集中力を発揮できないってことなんですよ。

刺激と情動のコントロールがカギ

不安を感じている時に集中力がどれぐらい発揮できるかというのをテストしたんですよ。

前、フローの話をしたときもそうなんですけど、なにかに没頭してる間は、不安とか心配事が一瞬消えてなくなるんですね。だから、幸福感が高まったりするんですけれど。

いわゆる成功するスポーツ選手は、不安を感じている時でも集中力を発揮できる。しかも、集中する時というのは不安が消えてる状態ですから、そういう意味でいうと、不安を無視する力、物ともしない力が非常に重要になってくるということです。

では、注意力をそらすものってなんなのかというと、主に2つですね。感覚と情動です。これは字で書いたほうがわかりやすいかな。もっというと、刺激と情動って感じですかね。

LINEとか通知とかピコンッと鳴るじゃないですか。あのピコンッというのが、いわゆる感覚的な刺激の部分です。この情動というのはなにかというと、不安のことです。

つまり、注意力を正しく使うためにはなにをすればいいかというと、外部刺激と不安感情をいかにコントロールするかってことが大事なんですね。外部刺激と不安感情をコントロールする方法を学べばいいってことです。

外からくる刺激をいかにコントロールするか。これは例えば環境だったりだ、スマホの通知を切るとか。そういう外部刺激は自分ではコントロールできないので、環境を使ったり、イヤホンとか耳栓でもいいですけど、こういうものを使ってコントロールするべきものが、この外部刺激。

そして、不安感情というのは内部から湧き上がってくるものです。これは瞑想でなんとかなるんです。

だから、今日お話ししたいのは、この外部刺激の環境をどう作るかって話と不安の感情をどうやってコーピングするか。コントロールするかというお話をしていきたいと思っています。

集中できる脳の作り方

ここから先は会員限定にさせていただいて、集中する人のメンタルをどう作るのかって話。これはいわゆる脳の作り方みたいな問題ですね。

主にトップダウン型の思考とボトムアップ型の思考というお話をします。どちらかというと、ボトムアップというのが本能的な部分とか、自動的な反応をする部分ですね。ダニエル・カーネマンでいう「システム1」というタイプのものです。

逆に、トップダウン型のものというのは、意識的に考えて反応するやつですね。頭の中で「こうしようかな」って考えたりする。前頭葉が司っている部分、「システム2」というやつですね。

これをうまく使い分けることによって、最適なメンタルの状態が作れるよって話。あとは簡単に、疲れた時にどうしても疲れが抜けないときに、なにをすれば集中力を回復できるのかってお話をしたいと思います。

これはあまり真新しい話ではないんですけれど、でも、これをやるだけで基本的には回復できるので、そこらへんのお話をしたいと思います。

そして、主にこの部分で出す、回復のための方法はなにかというと、いわゆる注意力の分散をわざと楽しむ活動とか。あとは100パーセント目の前のことに集中しないといけないような作業があった時に、この2つをバランスよくやることによって、集中力の回復が見込めるってことがわかってるので、そこらへんのお話もしたいと思います。

ぜひこの先を話を聞きたい方は会員限定になりますので、会員として入ってください。外部刺激と情動のコントロールの話をさせていただこうかなと思います。

ついさっきまでジムに行ってたせいで、もう完全に息が切れていて、すいません。今日ちょっと元気がないかもしれないです。ニコニコの放送はけっこう体力を使うから、直前にジムに行くのはよくないね。