話し方がプレゼンの制約率に影響する2つの理由

野村尚義氏:こんにちは、プレゼンテーション・アドバイザーの野村尚義です。さて、今回のこのシリーズではですね、いわゆる話し方。スマイルがあるとか、ボディランゲージがあるとか、声に抑揚、強調があるとか、この話し方の技術についてお伝えしてまいります。

そもそも話し方にこだわらなければならない理由ってなんでしょうか。我々がプレゼンテーションするときに、受け手から魅力的に見られるべきは提案であって、話し手自身を売っているわけではありません。

よく言いますよね。「自分を売れ」と。でも、実際にお客様が受け取るのは提案内容のはずです。にもかかわらず、なぜ我々は自分を魅力的に見せなければならないのか。

ここには大きく2つの意味があります。1つ目が、なんだかんだいって、魅力的な人が話したことのほうが聞き手にとって大きな影響力を与えるからです。

たとえばあなたの元に、2人の営業マンが来たとします。営業マンAさんは非常に魅力的で仕事ができそうだ、と。一方Bさんはあんまり魅力を感じさせない。「この人大丈夫かな?」みたいな感じに見えてしまう。

どちらの話に対してあなたは乗っていくことができるんでしょうか。どちらの話に対してあなたはのめり込めそうでしょうか。よっぽどのあまのじゃくな方じゃない限り、やっぱりこっち(Aさん)なんじゃないでしょうか。結局我々は、仕事ができそうな人に仕事をお願いしたいと思っている。

重要だからもう1回言います。仕事ができそうな人に仕事をお願いしたいと思っている。だったら、自分のことを仕事できそうに見せないといけません。これが、1つ目の意味ですね。

話し方によって熱意や本気度を伝えることができる

そして、もう1つの意味は、話し方次第で、本気であったり自信であったり、熱意であったりが、伝わったり、伝わらなかったりするということです。

もし、あなたが心の底から本気でその提案をいいと思っていて、熱意を持っている。そして、絶対やったほうがいい。やったときに絶対相手の人を損させません。

そんな自信があったとしても、それが全く感じられず、なんかやる気なさそうに見えて、おどおどしているように見えてしまったら、聞き手の人って受け入れてくれなさそうじゃないですか?

あなたの元に何らかの提案をしに来た人がいたとして、仕事はできそうだと。仕事はできそうだけど、「どうでもいいですよ」みたいな感じでしゃべっている。乗りますか? そんな案件。

なんだか自信なさそうに「いやー、ちょっとリスキーなとこあるんですけど」みたいな感じで話してきていて、乗りますか? なんで話し手すら自信が持てない、熱意を持てないような案件、提案に自分が乗らないといけないんですか? そう思いませんか?

だからこそ、我々はプレゼンテーションをするときにその提案内容に対して自信、本気、熱意があるということを伝えなければならないんですね。大きく2つの役割を言いました。

話し手自身を魅力的に見せる、デキる人に見せること。そして、自信と熱意、本気を伝えること。この上で話し方のスキルというのはひじょうに使えるということです。

逆に言うと、話し方が体温なさげに見えると、やっぱり、提案が、価値が届かない可能性が高まってしまいます。いい提案であればあるほど、受け手にとって価値のある提案であればあるほど、それを話し方でもきちんと届けなければならない。

ぜひ、今回のシリーズでお伝えしていく話し方の技術。マスターしていただきたいと思います。これから一緒に勉強をがんばっていきましょう。