経済政策をめぐって自民・民主が激突!

角谷:さて続いては、具体的に2つのテーマに絞って討論をしていきたいと思います。1つ目のテーマはこちら、経済政策です。

ここからはより活発な議論を展開していくために、挙手制にしていきたいと思います。意見のある方は手を挙げていただいて、私があてましたら話していただく、というルールでございます。僭越ながら、宜しくお願い致します。まず討論の皮切りに、私から民主党の海江田さんにお話をうかがいたいと思います。

民主党のマニフェストには、アベノミクスは期待はずれ、お考えなんでしょうか、お願いします。

民主・海江田:期待はずれというのは、実は国民の皆さまの8割が実は景気回復の実感が無いということ、このことをとってみても明白だろうと思います。

そして実は民主党政権の時は、3年3ヶ月でGDPが5%成長したんですね。それに対して安倍さんの2年間では、1.7%の成長ということでありますから、政権について2年経っていますけれども、全国津々浦々に実感を感じてもらう、ということも実現できていません。ですからこの事から、多くの国民が期待はずれだと考えていると思います。

私たちややっぱり、まずひとつは働く人たちの雇用を安定させる。雇用を安定させることによって実は、賃金が安定してくるんです。安倍総理は雇用が100万人増えたと言いますけれども、そのほとんどが非正規の雇用者で、実は正規の雇用者はこの2年間で9万人も減っています。

ですから雇用の安定、それから働く人たちの……。

角谷:はい、すいません。ここで維新の党の江田(憲司)共同代表がご到着になりました。お入りください。

角谷:江田さんよろしくお願いします。討論を続けます。ということですが、後は皆さんから自由にご発言いただきたいと思います。

自民・安倍:今、海江田さんがGDPについてお話をされました。我々が政権を引き継ぐ前、民主党政権時代、3四半期連続のマイナス成長でありました。我々が政権を引き継いで、3四半期連続プラス成長になりました。

有効求人倍率も、過去22年間で最高の水準にあります。そして賃金も、この4月の賃上げのチャンスを活かして、2%以上あがりました。15年間で最高であります。ボーナスは7%、これは24年間で最高の水準になっています。

そして倒産件数、民主党政権時代よりも2割も倒産件数が減っているんです。そして正規社員、この7月8月9月、10万人増えました。民主党時代は、雇用全体が減っていたんです。私たちは100万人増やし、さらに正規の社員を増やしています。

これからさらにアベノミクスを進め、全ての人々にこの景気の暖かい風をお届けしてまります。

アベノミクスの功罪

共産・志位:私はアベノミクスは、国民の暮らしに2つの害悪をもたらしたと思っております。第1は、景気悪化の害悪です。GDP2期連続マイナスという異常事態がおこったわけですけれども、これは国民の反対を押し切って消費税を8%に増税したことによる増税不況と言わなければなりません。この増税を推進した自民党・公明党・民主党の責任は重いと言わなければなりません。

それから2つ目は、格差の拡大です。一部の大資産家や大企業には大きな儲けが転がり込んだけれども、庶民の実態はどうかと。円安による物価高による生活苦が襲っています。

今総理は賃金が上がったとおっしゃいましたけれども、実質賃金は15ヶ月連続のマイナスです。雇用が良くなったと言いますけれども、非正規の社員は増えたんですけれども、正社員は2年間で22万人減っています。ですからこの道しかおっしゃるんですけれども、この道に先は無い。転換が必要です。

次世代・平沼:私はひとつ申し上げたいことは、この国の景気、アベノミクスで第1第2第3の矢とやってきましたけれども、先ほども言いましたように、第3の矢の具体性がない。それから地方の経済というのは非常に疲弊してしまっている。そういうことで私は、具体的な第3の矢を出すべきだと思っております。

それから私は国会の代表質問で、消費税の増税は慎重にすべきだという形で、1年半先延ばししたことは評価を致します。しかし先延ばしをしても、景気対策をしっかりやらないと同じことの繰り返しになる、というふうに思っておりますので、その事は申し上げておきたい、そのように思います。

維新の党・江田憲司氏(以下、江田):第1の矢は金融緩和の矢が飛びましたね。しかしこれはもう2009年、私がみんなの党を結党した時から、2%のインフレターゲット、金融緩和を訴えていたことです。

これはカンフル剤、ようは一瞬、体はシャキッとするんですね。だけどこの第1の矢の効き目が効いているうちに、第2の矢、第3の矢を矢継ぎ早にやらなければならなかった。その第2の矢の財政出動が、残念ながらあらぬ方向にいってますね。

これは公共事業、バラマキですよ。これは例年5兆円だったんですけれども、なんと10兆円です。しかも2兆3兆4兆使い残して、繰り越している。貴重な税金を。これで飽和状態、消化不良になっています。

第3の矢、これが肝心要ですね。まさに規制改革、この成長分野、農業とか、電力・エネルギーとか、さらには医療・福祉とは、これにはもう官僚が手枷足枷かけています。安倍総理はその岩盤規制を打ち砕くとおっしゃいましたね。しかしそれが出来ていない。

なぜか。それは、自民党には農業には農協、医療には医師会、エネルギーでは電力会社、この支持基盤、これが打ち砕けます。

社民・吉田:この間のアベノミクスが地方、そして中小企業、国民に及んでいないわけでありますから、地方がしっかり独自性を活かして手を打てるように、使い勝手のいい交付金を交付すべきだと思っております。

それから労働者、国民につきましては、消費税を5%から8%に上げたのがそもそも大きな問題でありますから、ここは5%に一度戻すべきだ、そう思っております。

そして労働者につきましてはこの間の非正規労働者が増えたことが最大の原因です。有効求人倍率では確かに1.1倍ありますが、正社員の有効求人倍率は0.68倍であります。安定雇用、正社員を求める人たちをしっかりと正社員にしていける政策誘導をしていく必要があると思います。

また最低賃金も、平均1000円以上に引き上げる必要があると思っております。

正規雇用は増加しているのか

公明・山口:民主党政権(時代)のGDP5%(の成長)というのは、リーマンショックの後、我々の政権で補正予算を作り本予算を作った、その対応策が効いている、という部分も寄与していると思います。また安倍総理のおっしゃった、さまざまな指標に、この2年間の取り組みのいい結果というものが現れてきていると思います。

また雇用の点については、団塊の世代が大人数、今リタイアの時期を迎えています。しかしこの世代も非正規によって、定年後も職を繋いでいける、だからこの部分の非正規が増えている、そこの実態を見る必要があります。

また若い人たち、高卒・大卒の方の内定率、就職率は増えております。この世代はむしろ、正規雇用が増えるというところに寄与しております。この雇用の実情というものをよく見て、これからも非正規が正規雇用につながるように努力しなければなりません。

そしてこれからの経済は、地方へ、そして中小、小規模企業へ、さらには家計にと、この努力をしてまいります。

民主・海江田:今正規雇用の人たちを増やすことが大事だ、というお話がありましたけれども、実は先だっての解散で閉じた国会においてなにを自民党と公明党が提出をしてきたかといいますと、これは労働者派遣法の改悪案を出してきたんですね。

これで、若い人たちで派遣で働いている人たちは一生派遣だと。派遣ということになると、これは賃金も低いわけですよ。だから本当に正規の雇用の下地を増やそうと思うなら、やっぱりそういう法律は出さないことであります。

むしろ正規の雇用をどんどん減らして、そして非正規を増やしていく方向に、自民党が、安倍政権がこの間ずっと進めてきたということ。

そのことが、さっきも話に出ました、有効求人倍率が1倍を超えているという言いますけれども、正規の雇用、正社員の人たちはは0.68%ですから、ちっとも良くなっていないんですね。ここのところの問題をしっかりと考えていかなくてはいけないと思っております。

自民・安倍:2年前を思い出していただきたいと思うんですが、行き過ぎた円高によって、根っこから仕事が無くなっていたんです。民主党政権時代は、まさに職そのものが無くなっていた。

正規の方々の有効求人倍率、まだ低い水準だとおっしゃっていますが、これでも東京にとって過去最高なんです。同時に、正規の社員の方々の新規の求人倍率は、1位になりました。このように我々がしっかりと政策を前に進めていくことによって、正規の職の方々についても、ちゃんと仕事を作りはじめています。

また改革についても、電力については法律が通りました。2年後には小売も生産も自由化されていきます。また医療においてもそうです。患者さんが申し出を行えば、先端医療を保険適用とともに受けることが出来るようになりました。これは反対を押し切って、しっかりと前に進めてまいりました。