嵐の最中に鳥たちは危険をどうしのぐか
オリビア・ゴードン氏:2017年のハリケーンは散々なものでした。「ハービー」「イルマ」「マリア」の3つは、カリブ海沿岸とアメリカ南部に甚大な被害をもたらしました。
ハリケーンの猛威を目の当たりにすると、通り道に住む生き物はどうやって生き抜いているのか、不思議に思いますよね。
どうやら、迫りくる危険をいち早く察して逃げられる生物がいるようです。人間のように逃げ切れない陸上生物は、できる限りの力で避難するしかありません。驚くべきことに、鳥などの空を飛ぶ生物は、台風の目の中で危機を乗り切ります。
この事実は、気象学者が電磁波のパルスで物体の大きさと形を2次元化する「二重偏波」と「二重偏波探知機」を利用することで判明しました。
鳥でも昆虫でも雨粒ほどフォルムが丸くはないので、周波の形を見れば、嵐の中にあるものは何なのかが判別できます。探知機に映っているものを判別する時、台風の目の中に生き物の姿を確認できます。
台風の中に突っ込んで行くことは大胆不敵で、愚かな考えだと思わざるを得ません。しかし、台風の目の中の天候は穏やかなのです。
台風の目はものすごく低気圧で、嵐を引き起こすのに一役買ってはいるのですが、目自体は比較的暴風が吹いているわけではありません。台風そのものよりも5℃気温が高く、水分を固形化することがないので雲ですらありません。
以上の理由から、鳥や昆虫にとっては台風の目は安全と言えます。故意にそうしているわけでなく、天性の感覚でわかっているのでしょう。古くから台風の目が昆虫や鳥が生息する箇所で形成され、台風の目に遭遇して捕まってしまったかもしれません。
海鳥にも同様のケースが見られます。
鳥の巣を嵐が直撃することもある
台風の目をぐるりと囲むように垂直にそびえ立つ雲の壁は、暴風が吹きすさんでいます。ここに突進するのは本当に危険です。