タクシーで執筆していた前田氏
西村創一朗氏(以下、西村):どんなトラブルがあったんですか?
前田裕二氏(以下、前田):「朝6時までにお願いします」って言われたんだけど、「なんとか7時までにならないですかね!?」というその1時間の争いをしていましたね。
西村:え~。
箕輪厚介氏(以下、箕輪):それを4日連続とかやるから、本当に今だったら無理(笑)。
西村:3徹4徹とかそういうレベルですよね。
箕輪:前田さん本業ありますからね。
西村:作家ではないですからね。
前田:一生映らないと思うんですけど、本には、はじめにというか、プロローグがあるじゃないですか。タクシーの中でLINEで書いたんです。
(一同笑)
前田:しかも一筆書きで。そしたら箕輪さんから「完璧です」って来て。
西村:「本当か!?」と思いながら(笑)。
前田:あ、これは本当に箕輪さんに書いた、プロローグのLINEです。
西村:本当にLINEだ! 緑色!
箕輪:LINEでやってましたよね。
前田:全部LINE。LINEにテキストをベタ貼りです。
箕輪:赤字の戻しとかもスクショでやってましたよね。50枚くらいスクショがある(笑)。
前田:スマホをPCと同じくらいのスピードで打てるんです。それでバーっと書いて。
箕輪:いやぁすごかった。
前田:箕輪さんから、「プロローグ、完璧です。もう本当に完璧です」と来てて。
西村:2回言っていますね!(笑)。
箕輪:思ったんですよ! 僕が、「こういうふうにしたらいいと思いますよ」というのを全部受けとめて、それプラスアルファで味がある。この人すげぇなって。
前田:いやいや、オーダーがすごいです。
箕輪:「1章から5章までの、何を書いているかを説明しつつ、なんで本を書いたのかという個人的な自分のエピソードを紐づけて」みたいなこと言ったら、全部想像以上のクオリティで戻って来た。
前田さんがすごいなと思うのは、熱があるような文章を書く人って、論理的に破綻していることが多いんですが、それがないんですよね。
西村:偏りますよね、やっぱり。
箕輪:そう。論理的にロジックが完璧な人は本当に機械的な文章だったりして。前田さんの場合は文章に熱がすごくあるのに、ロジックがものすごく丁寧で、辻褄があっている。これを成立させるのがすごい。
左脳はディベートで鍛えた
西村:もともと両方得意だったんですか?
前田:いやいや、もともと超直感右脳派な感じです。
西村:そうなんですね!
前田:だから今の事業もそうですけど、なんとなくうまくいくかなと思うときは、だいたい直感や人に説明できない理由だったりするんです。でも人を巻き込むときに必要なことって、情熱と論理的な説明が絶対必要だと思ってるんです。
だから後天的に身につけたというか。自分でディベートをやったりとかもしました。人にちゃんと伝わるように説明する能力はわりと意識して身につけた感じで、むしろ、もともとは本当に苦手でしたね。
西村:自分でディベート?
前田:高校生くらいのときから……。
西村:あ~そっかそっか。本にも書かれていましたね!
前田:そうです。すごく直感型だなぁと思っていたので、論理的に物事を整理して構造化して話すスキルみたいなものは身につけなきゃなって、明確に思ったんですよね。
竹田:それを高校生で思ったのはやばいですね(笑)。
箕輪:なんでも早いですよね(笑)。
前田:いつも早めなんです(笑)。それで、せっかくやるんだったら英語でやったほうが楽しいかなと思いまして。もともと家の事情で、海外には行けない制約があったんです。だから、その制約があるなら、英語のディベートに出て帰国子女に勝ったらかっこよさそうな気がしたんです。それをモチベーションとしてがんばりました。
英語のディベートはかなり自分の左脳を鍛えたという感覚がありますね。だいたい物事は3つあるんだと、そこで学んだ。逆に言うと「3つあります」って、まず言う癖がありますね。