各社が乗り出す、短時間配送サービス

小野:ちょうどいい流れで、アスクルさんの話も出てきたので。コマースを変えていくためには物流という話を、ちょうど半年前のIVSでした時に、当時まだニュースが出たばっかりで、まだこれちゃんと実現化されてないですが。

Amazonのプライムエアーという、アメリカだから出来ると思うんですが、注文して30分以内に庭にポイっと注文した荷物を置いて逃げてくと。

いろんな航空法とかの問題でまだ日本では実現してはいないんですが、未来の絵の1つかもしれないって話をして、その時に小澤さんが「ヤフーもこういう実験をしてるんですよ、チャリを買ってみて」みたいな話をされてましたよね。どんな実験だったんですか、当時は。

小澤:こういうの見せられたから、こっちもやってるって言わなきゃならないみたいな気持ちになっちゃって、つい。

小野:この無人ドローンに対してヤフーは?

小澤:結局ですね、プラットフォームビジネスと全然関係ない話になりますよ。eコマースってのはどんどんどんどん配送時間が短くなってるんですよ。最初は3日くらいでよかったのが、次の日になって、今当日になってって。

こういうドローンとか出たり、Amazonさんに至っては、発注前に届けるみたいな特許まで取られているっていうように、情報ってのがどんどんリッチになっているように、配送時間ってのはどんどん短くなってます。その不可逆の流れに対して何か取り組めないかなと思って、その場で、自転車3台買って、私1台で届けてますって嘘付いたんですよ。

プラットフォームビジネスとは、"砂時計の真ん中"を握ること

小野:あれ嘘だったんですね。なんですけども、さすがの爆速ヤフーさん、こんなリリースをされて、思わず半笑いになって、驚きと感動と半笑いになったんですけども。これちょっと説明していただけますか。

小澤:いやまあ、不可逆の流れに対してヤフーとしてはどうやって展開しようかなと思っていて。これって、買い物代行なんですよ。

小野:大事なメッセージとして、なぜこの話を今日しているかというと、PCっていう非常に大きなビジネスをインターネット化していくにおいて、物流ってのはやはり、コアになるプラットフォームであるという発想からこの話が出てきたわけですよね。

小澤:物流の配送期間を短くしようとすると、配達先に出来るだけ近いところに配達拠点を持つっていう発想になるわけです。それは例えば、全国に8カ所でかい物流拠点を持って、そこからトラックで運ばせてたら、必ず2時間とかじゃ無理なわけで。

ひょっとして、10分、30分ってなったら、明日も多分Bento.jpとか出てきますけど、配達先に出来るだけ近いところに、デポといわれる配送拠点を作らなきゃならないってことになるわけですよ。

あとはもう、逆転の発想で、だったらトラックだけ走らせておいて、注文があったら近所で買って届けるっていう風に、なんだか一周帰ってきてわけわかんないことになったのがこのサービスでして。でも、要するに、近所で売ってるわけですから、届けるってだけが問題だろ? って話で。

じゃ、何でそんなことをやってるのかと、大赤字だと、山本一郎さんにも言われましたよ。ハッキリ言いましょう、大赤字ですよこれ。じゃ、何でやってるのかといったら、やっぱりね、商流の中に一枚入るってのはすごく重要なんですよ。どこの誰が、何をいくらで買ってるっていうのがわかれば、広告配信に使えるんですよ。

やっぱり地元のスーパーってのは、チラシを打ってるわけですよね。その間に僕らが入るわけですから、ひょっとしたらそういう広告の、チラシのビジネスが僕ら取れるかもしれない。とにかくここも、ビジネスの商流に入ると。ビジネスってのは、プラットフォームってのは、砂時計の真ん中を作り出して、そこを取るサービスです。それが極端に配送先に寄ってるのがこのサービスだと思ってください。

販売っていうのがここでしょ、検索ってのは更に上ですよね。欲しい人がいて、検索をして、一回ここでピュっとやって、そこでもう一回分散して、購入して、今クロネコヤマトさんとか佐川急便さんとかって、極端な話、2本にまとめられて最終的に配送先に行っているわけですよ。

我々は、さらに購入者に寄って、購入の直前、家のラストワンマイルをいかに取るかっていう。これ、喋りたくなかったなー。

リアルの購入に食い込むチャンス

小野:あはは。そうなんですね。これでも、やってることはまさに、今クロネコヤマトさんとか出てきましたけど、今でいうと非常に伸びてるネットスーパーとか、誰がどこでどういう物を欲しがっているって情報って、ヤフーに流れて来なかった、そこに一枚噛むことで、トランザクションに入れると。

小澤:どんな赤字でもこの情報が欲しい。どこの誰が、何をいくらで買ってるか。

小野:ヤフーとして広告ビジネスってのが一番、もともとから得意な分野。

小澤:おっしゃる通り。広告配信のためのネタになりますから。あらゆる観点で、やっぱり今までスーパーさんしか取れてなかったものが、リアルでの購入に対していかに踏み込んで行くかって時に、リアルの購入に完全に食い込んでいるんですよ。そういうことをやろうとしているってことは、言うつもりなかったんですけどね……。

小野:でも一方で、アメリカのほうを見れば当然、Amazonもそうですし、Googleもそうですし、e-bayもそうですし、2時間ほどではないですけど、数時間配送ってのはかなり増えてきて。

まさにちょっと話でましたけど、bento.jpって、20分以内に渋谷区で弁当を届けるってサービスもありますけども、アメリカのほうでもスプーンロケットみたいに、これ10分でランチを届けるっていう、8ドルですね、こういった動きってのがかなり増えてきている。主流というわけではないと思うんですけど、今後伸びそうな分野。

小澤:そうですね、繰り返しになりますけど、物の売り買い、コミュニケーションのどこに入ってもいいんですよ、プラットフォームって。販売サイドのほうに行っても、購入サイドにいってもどっちでもいいですよね。どこに入るかで一回そこで集中的に情報を握れるかどうか。そこに人がすごく来ているかどうかっていうのが、とても重要な話であって。

握るポイントってのは、例えばeコマースでプラットフォームって考えると、何となく今ヤフーとか楽天ショッピングやってるところの販売店が、自由に使えるよってプラットフォームになりがちなんですけど。

私としては、先ほど舛田さんもおっしゃってた、楽天さんと同じ戦いをしても、なかなか難しいよねって。同じ戦いをしてもつまらないですから、いろんなところでのプラットフォームっていうよりは、何て言うか、砂時計の真ん中をギュッとみたいな使い方があるよねって、ご理解ください。

LINEでお弁当を買って、決済させる

小野:LINEさんとしては、砂時計でいうと、コミュニケーションという砂時計のパイプがあると思うんですが。ここをいかに太くしていくか、より多くのコミュニケーションを取り入れていくかってのが、プラットフォームとしては重要なので。

例えばビジネスコネクトみたいに、今までひょっとしたらLINEを全く使ってなかったかもしれないお店とユーザーの間にも、LINEを使わせましょう、パイプを通しましょう、って形に広げてると思うんですけど。今後プラットフォームとして、コミュニケーションをさらに捕まえていくためには、お話できる範囲でいいんですけども、どんなことを考えているか教えていただければ。

舛田:参加者をどうやって増やすかってところでいくと、先ほどLINEモールの話を少ししましたが、ああいった形でオンライン上に商品を上げてくるっていうのは、当たり前のこととしてどんどんやっていくんですが、それでも上げない人たちは、やっぱりたくさんいるんですよね。

たとえば、飲食などのオフラインとか。さっきの弁当もそうですけども、こういったものをどうするかっていうのは、まさに小澤さんもやられてますけど、「デリバリー」っていう世界は今後、今年、来年……今年だと思いますが、みんなワーッとなっていきますよね。 それは、LINEから言えば、LINEから弁当を呼べたほうがいいわけですよ。もうひとつ言うと、弁当を作って届けるっていう、新しく工場を作ってとか、新しく倉庫を作ってとかっていう世界は、もう既存の皆様にお任せすればいいと。

今後いろんな会社様が、多分ここにいらっしゃる方も同じことを考えていると思いますが、倉庫を持たずに、UBERじゃないですけど、さっきの小澤さんのアイデアと同じですが、グルグル回ったほうが効率的な場合があるわけですよ。トランザクションさえ多ければ収支も合うので。そういったものに、誰がチャレンジしていくのか。この部分は、まさに今のLINEには無い部分です。

あと、今までだったらお店と契約をして、例えば弁当を届けるとかだと思うんですけど、そうじゃなくて、契約してなくても買い物代行って出来るはずなんですよね。これ、日本だといろいろ言われちゃいそうですけど、他の国だと結構やられてるんですよね。

特に東南アジアとかだと、普通に買い物代行で、普通にバイク走ってってどっかのレストランで勝手に買って、勝手に持って行くっていう。で、何でかわかんないけど350円くらいプラスされてますっていうのが結構流行ってるので、こういったものが、今年結構いっぱい出てくるんじゃないかなと思います。

そのレイヤーまで入って行くと、今まで参加してなかった人たちがLINEプラットフォーム上にも参加してくるわけです。それはビジネスコネクトをどう使うかもそうですし、LINE@をどう使うかっていうのも含めて、皆さんがどう動いて行くのかなっていうのを見ながら考えているところです。

小野:ネタを仕込んでる。

舛田:はい。

デバイスは、OSをおさえているところには勝てない

小野:ありがとうございます。まだちょっと時間がありますが、一方でLINEさん3年間でこれだけの急成長という中で、先ほどガラケーの話からスタートして、スマートフォンに来たのもまだ10年も経ってない世界観なわけですけども。

今後のプラットフォーム、いま充分主戦場になっている一方で、この先これは非常に難しいんですけれども。今のAndroidだってもともとはデジカメのOSからスタートして、最初Googleが買った時こんなことになるなんて、ひょっとしたら誰も想像してなかったかもしれないですけども、デバイスという意味でのプラットフォームになっている。ここはどんな風に変わっていくんだろうみたいな、何か考え、個人の妄想でもいいですけども。

小澤:デバイス自体って話ですか。

小野:Google メガみたいなのも出てきてますし。

小澤:ウェラブルは、私、一貫してヘルメット派なんですよ(笑)。すみませんね、マニアックな話でね。それはさておきで、プラットフォームの変革期っていうのは、デバイスにものすごく依存すると。

やっぱり、スマートフォンとかタブレットの領域でappleとGoogleさんのプラットフォームの強さはね、OSDがおさえられちゃってるともう、正直、ここはもう盤石ですね。私はヤフーとして個人でOS作ってますけど、ちょっとダメですから。あ、嘘ですよ。

小野:びっくりしました、今。全員キョトンとしました(笑)。

小澤:いやいや、僕が社長だったらOS作るなって思ったの。ただ、OSまでおさえられると、さっきのVISA、MASTERの話じゃないですけど、根幹中の根幹なんで、どうやったってその上での勝負で。LINEさんがどんなに強くたってお金は払い続けるわけですよ。Facebookがどんなに強くたって払い続ける。Facebookはちょっと違うかもしれないですけども。

スマートフォンの中での話だと、これはね、次のところをいかに作るかっていうのは、本当に皆さん追っかけてると思いますし、正直ここで僕が「ウェラブル来ます」ってのは全然外れますからね。ヘルメットは来ます!

小澤氏による「スマートヘルメット」構想

小野:ヘルメットはちなみにどんなものをイメージされているんですか。参考までに。

小澤:いや、ヘルメットですよ。じゃ、1分だけください。なんでヘルメットが来るか。根幹として情報はどんどんリッチになるんで、常時接続環境が当たり前になるんです。手紙ってのは、用事がある時に手紙を書いて、電話ってのが出来上がって用事があるときに喋るようになった。

Facebookとかってのは、ブログを書きたいときに書いてたものが、どうでもいいものを上げるようになって、どんどんどんどん接続頻度が上がり、情報がしかも今、自動で再生される、リッチになった。切る必要がなくなってきますから、単純に家にいても繋ぎっぱなしで5件くらい繋がってて喋り続けるっていう時代が来るんですね。

常時接続環境がどうなってくるかっていうと、町中の人が全員気持ち悪くなるんですよ。喋り続けますから。「いや、小野さん僕疲れたよ」って電車でつり革つかまってる人がいたら嫌じゃないですか。だから、ヘルメットでフルフェイスで遮断するっていう。

小野:聞こえなくするわけですね。どこを向いてるかも。

小澤:そうそうそう。喉に何か貼るとかじゃないです。物理的に遮蔽する。もう1つは、もう1分だけくださいね(笑)。人類というのは、昔は素っ裸だった。オスの強さってのは下半身だったり、女性の強さってのは、ひょっとしたら上半身の性的なもので判断されてた時代。

人は見た目が9割ってあったけど、そういうのが隠されていて。でも本当に不条理な話でね、カッコいい人が話していると、可愛い子が話してると、人間って何か正しい気がしてしまうっていう時代が、来なくなります。

小野:それも全部隠してしまう。

小澤:そういうこと。

(会場笑)

小澤:それはおかしいだろって議論がここ5年以内に起きるんです。我々は見た目に騙され過ぎていると。面接はこういう遮蔽物の向こうでやるようになるんです。この人の優秀さを裁くためには遮蔽物の向こうから喋らなければならないといった時に、どんどん進化していくと、ヘルメットになって人間がパンツをはいて夜になるまで、あ、こういう方だったのねって分かるように、結婚してどっかのタイミングでパカって開いて、「あ、そういう方だったんですか」。

(会場笑)

小澤:これがね、生物としての発展の歴史に乗ってるんじゃないかと思っていて。

小野:イスラムの世界って近いですよ。

小澤:そうなんですよ。あまりにも原始的ですよ、人が見た目で判断されるっていうのはね。どうでもいい話だったね(笑)。

小野:もしかして、ヘルメット型のウェラブルが来てそれが伸びたら神になりますね、小澤さん。

小澤:僕はいわゆる、人の歴史で成長して、どんどん洋服になってきたことを考えると、顔も絶対隠されるでしょうと。その時に僕は、今「スマヘル」っていう商標を取れる。スマートヘルメットですよ、もう。

小野:持ってるんですか。

小澤:持ってない。5年前から言ってる。ブログがあるんだよね……。はい、以上です。

LINEはデバイスをつくるつもりはない

小野:デバイスというレベルでのプラットフォームについての話でしたけど、舛田さん。

舛田:この後を受けるんですか(笑)。

小野:(笑)。なかなか僕もハードル高いなと思いながら、是非お願いいたします。

舛田:もう、「スマヘルのLINE作ります」くらいの事しか言えないですけど(笑)。OSは、おっしゃられたように2つですよ。今いくつか出来てますけど、大規模でいくとGoogle、appleが手を抜かなければ、この先も2つで行っちゃうんだと思うんですよ。

デバイスも今みたいに、PCに集中して、フィーチャーフォンに集中して、スマートフォンに集中するっていう時代は、1個に集中する時代は多分ここで終わりでしょうね。スマヘル案に言うのもなんですが。やっぱり分散化していくしかないので、例えばプラットフォーマーとして私たちが思ってるのは、苦手な事はやらないということ。おそらく、LINEはデバイスも作らないしOSも作らない。

例えば小澤さんが、スマヘルでOSも開発、Yahoo OSを開発されたとしたら、すぐそれに乗ります。それで普及のタイミングに合わせて全力で行きます。

上司が率先して失敗することで、社内にイノベーションを産む

小野:ありがとうございます。本当はデバイスとOSきたら他にもテーマとしてプラットフォームがあったんですけど、今日はそれが触れられないということなので。そろそろあと残り5分くらいなので、会場からの触れられる範囲の質問を受けたいと思いますけども。会場の皆さんで質問したいという方、いらっしゃいましたら手を挙げていただければ。

質問者:スマヘルの話がとても面白くてですね、ちょっと聞いてみたいのが、ヤフーさんとLINEさんの中で新しい企画を出しますと。結構真面目な会議をしてると思うんですけど、「こいつ、何かすごい」、さっきのスマヘルのような話で、「変なことを言ったんだけど、これがサービスに結びついちゃった」とか、そういう発想を皆さんしているのかなとか。社内の企画会議のような、エピソードを1ついただけると。

小野:社内でイノベイティブな発想が出てくる、ディスカッションの場はどういう風に作ってるかみたいな質問ですか?

質問者:はい。あと面白い話も。

小野:面白い話といえば、小澤さん。

小澤:ヤフー社内だからってことも無いんでしょうけどね、結局上司の度量ですよね。ほとんど失敗するわけですよ。面白いこととか、新しいことって。今、宮坂って、社長になってからは、10倍失敗しろって、失敗を奨励なんですね。成功の奨励じゃなくって。

そのメッセージが出だしてから、それに対して失敗しなきゃダメだとは言いませんけども、挑戦しなきゃダメだってムードがあって、少なくとも私の部下のところでは、とにかく面白いことをやってくれと。そんなんじゃつまらないと。お前がやらないなら、俺がやるって、最終的に僕がやることが多いんですけども。今回の「すぐつく」ってやつとかね。

急には人間、新しい事とか面白い事とか出来ませんし、9割方失敗するので、そういう企業文化とそれに対する直属の上司を含めた許容性ってのを、いかに作り上げるかってのが重要ですけど。

正直、ヤフーの中ですごくイノベィティブなことがあらゆるところで起きてるかって言ったら、まだまだだと思います。そういうためにも、私とかが一生懸命やってものすごい失敗するんですよ。別荘借りる、これ言っちゃった。別荘借りるってやったんですけどね、昨日閉じたんですよ(笑)。

(会場笑)

小野:ヤフーとしてですか?

小澤:ヤフーとして。結構華々しく僕やっちゃって。

舛田:このあいだ出てたやつですよね。

小澤:そう。今、別荘のページ行くとメッセージが出てますけど。社内騒然ですよ。何だったんだ、あれはと。新卒2人と作ったんですけどね。まあ、上司が率先して失敗して、今週も1個大きな失敗してますけども。失敗はいいんだと。良くないですよ! あれは! すみません。

小野:ありがとうございます、小澤さん。

新しいことやりたいなら、「森を見るな」

舛田:あんまり面白いこと言えないですけど、LINEの中ではですね、何か考えを出す時にあんまり相談するなって言ってるんですよ。ブレストすんなって。ブレストしなくていいから、ひとりで悶々とでいいから考えろと。

あともう1つ言ってるのは、アクセルを踏む時期こそ、イノベーションを起こす時期こそ、闇雲にプロジェクト間の連携はするなと。いっぱいいろんな情報が入ると「これ、違うのかもしれない」とか「向こうでこれやってるから」とかっていろいろあるんですけど、それは無視しろと。

なので下手に情報共有をして森を見ないと動けないとかって言ってる人たち、いっぱいいるんですけど、森なんか見たって動けないんですよ。なので、基本的にはひとりで悶々と極限まで考えろと。相談せずにやって、あとは早く実施ですよね。早く実施。小さくやって、ダメだったらすぐ閉じる。

ヤフーさん見習って、すぐ閉じることですよね。すぐに閉じたらダメージって少ないんですよ。ちょっと恥ずかしいんですけど「やりますよーっ」て言ったくせに閉じるのは、恥ずかしいんですが、ずっとやってるほうが比較にならないくらい恥ずかしいんです。

なので言ったことはすぐに撤回をする。出したサービスもダメだったらすぐに撤回をする。っていうのが、イノベーションを続けるのに必要なんだと思うんですよね。全体の合意を取っていったり、いろんなことを気にしてモノを出し始めると、まあ、つまらなくなりますよね。

LINEで世界のプラットフォームを目指す

小野:ありがとうございます。今回、テーマとしては次世代プラットフォーム革命ってことで、決済だとか物流だとか様々な意思だとか、コンテンツプラットフォームだとか、話をしましたけども。

今後いかに新しい時代のプラットフォームを作っていくかという抱負も含めて、もしくは個人的な願望、こんな未来が来るといいなってところを含めて、メッセージを最後に一言いただけたら。舛田さんからお願いします。

舛田:冒頭に申し上げましたが、LINEはもともとプラットフォームになりたくて作ったというのがあります。もう1つは毎回毎回、人様が作ったプラットフォームでやっていくのはヤダなと思っていたんですね。

特に海外プレイヤーが作り上げたものに乗って、その中でパフォーマンスを広げようってやってきたんですが、やっぱり日本で、自分たちから出したかったんですよね。今LINEとしては日本もそうですし、世界でもユーザーが広がって世界プラットフォームの一歩目ぐらいは出来始めてますので、今後はそれをさらにいろんな形で展開していく。

もう1つ、これは皆さんにお願いですが、今までLINEはロールモデルを作るっていうことで、皆様から見ればある程度、何チンタラやってるんだって見られてたかもしれません。我々もようやく全体のロールモデルが出来ましたから、皆さんとのパートナーシップっていうのを、ゲームもそうですし、先ほどのビジネスコネクトもそうですし。

あとはユーザーベースで言えばクリエイターズマーケットという、ユーザー参加型のスタンプであるとか、LINE@みたいなものであるとか、こういったものも皆さんとご一緒させていただきたいと思います。是非とも皆さんとコミュニケーションを引き続きできればなと思っております。

小野:ありがとうございました。

プラットフォームは、難しいけど儲かる

小野:では、小澤さん。締めを。

小澤:はい、ありがとうございました。プラットフォームビジネスってのは、本当に儲かるんですよ。LINEさん見てわかる通りですけど。やっぱり人がたくさん来ますからね。リアルの世界で本当に駅というね、人の動きをおさえたところが町すら作っていくと。渋谷がこうやって発展を遂げてるというように、プラットフォームっていうのは1回勝っちゃうとずっと勝ってるケースがあると。

デバイスの変化みたいに変革期がリアルと違って、定期的に起きますので、これは狙い目だと。今まさにスマートフォンっていう、かなり大きな変革期があって、LINEさんが頭ひとつ抜けて、そのベースになってるappleさんGoogleさんが虎視眈々と10年前からやってたって、こういう世界だと思うんですね。

だから5年後、10年後の勝負ってのは、5年後、10年後のトレンドを見越した上でどうやって張っていけるか。我々はヘルメットに張ってくわけですけども(笑)。リアルより変革が多い世界なので、プラットフォーマーは定期的に替わり、その都度莫大な利益を得る事が出来ると。

その中でもトレンドがあって、切り替わりじゃなくて新しく、例えばYouTubeとか、ニコ生みたいな動画のプラットフォームが、今までテレビ局が……まああれは放送であって、こちらは通信かもしれないですけど……動画コンテンツというものを、ストレージもの、ナマモノというのを合わせて新しいプラットフォームが出来あがるっていうように、かなり大きな変革も起きる中で。

YouTVubeなんて最高ですよね、YouTuberなるものが何億円も稼いでるっていう。こういうプラットフォームビジネスっていうのは、その上で生態系がバシっと出来上がるわけですよね。ブログがあってブロガーがいる。

出版社が抱えていた、ひょっとしたら、昔は既得権益と言われたパブリッシングというものが、ブログという誰でも出来るものになって、そこで書き手が収益を得るっていう世界があるように、こういう経済圏がどんどん新しく生まれ変わる、非常にダイナミックなビジネスだと思ってます。

例えばECやるって時に、そのプラットフォーム上で商売するほうがすごく簡単ですけども、プラットフォームをおさえにいった場合の利益は莫大。だだ難易度で言ったらもう信じられないくらい、プラットフォーム上で商売やったほうが簡単なわけですけども。

でもやっぱりここにはロマンがあるわけで、次世代の競争ってのは僕らはヤフーとしてeコマースだったり、トラベルという領域でプラットフォームにこだわっていきたいなということで、頑張り続けるわけです。

個人的にはYouTuberとして稼ぎたいと。プラットフォーム事業で頑張ってるわけですけども、そんな感じで自分たちがいったいそのプラットフォームビジネスって言ったときに、難易度が高いけども挑戦していくのかと、これ本当に失敗が多いと思います。

ただ、プラットフォーム上で私がYouTuberを目指しているように、ヤフーショッピングですごく商売をするように、儲けていくと。プラットフォームの見方として、どっちで戦っていくのかっていう選択肢を常にやりながら、時代の変換期を見極めた上でドスンと突っ込んでいく。こういうのがプラットフォームビジネスの醍醐味なんじゃないかなと思います。

そして最後に言うならば、プレイヤーとしてやってたところが、グンっとプラットフォームサイドに落ちてくることもあると思ってます。やはりトラフィックを持ってグッと抱えてた人が、そこからプラットフォーム側に行くこともありますので、あらゆる展開を見据えながら、今後生まれていくのかなと思っております。今日はどうもありがとうございました。

小野:ありがとうございます。最後に2人に大きな拍手で閉めたいと思います。