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DMM亀山会長「今お金を出してもらえるのはITくらい」スタートアップの“恵まれすぎな現状”とは?

DMM亀山会長「今お金を出してもらえるのはITくらい」スタートアップの“恵まれすぎな現状”とは?

以前に比べて、銀行やVCからお金を出してもらいやすくなっている…? 2016年12月7日に開催された「IVS 2016 Fall Kyoto」のなかで、自己資本で事業を成長させ、成功してきた経営者たちによる「自己資本経営論(外部資本なんてイラナイ?)」が行われました。登壇者はピクシブの片桐氏とビィ・フォアードの山川氏、ブラケットの光本氏。モデレーターは、DMM.comの亀山氏。本パートでは、自己資本経営ベンチャー4社らが感じる「IPOの魅力」とともに、昨今のスタートアップの“恵まれすぎな現状”について語りました。

シリーズ
IVS(Infinity Ventures Summit) > IVS 2016 Fall Kyoto > 自己資本経営論(外部資本なんてイラナイ?)
2016年12月6日のログ
スピーカー
ピクシブ株式会社 代表取締役社長 片桐孝憲 氏
株式会社ビィ・フォアード 代表取締役 山川博功 氏
株式会社ブラケット 代表取締役 光本勇介 氏

【モデレーター】
株式会社DMM.com 取締役会長 亀山敬司 氏

※肩書はすべて2016年12月6日当時のもの

銀行がスタートアップにお金を貸し始めている

亀山敬司氏(以下、亀山) 話を戻すと、さっき銀行の人と会って、スタートアップの人を紹介してあげたのよ。 投資だけで集めたら、だんだん株価が薄くなってきて、最後には10パーセント、20パーセントになってしまうこともあるじゃない? でも、安い金利でお金を貸してもらえるのなら、それが一番いい。だから、スタートアップの人たちに、銀行の人たちを紹介してあげたのね。そして今どんな状況かを聞いたら、大手銀行は、けっこうアチコチ貸してるのよ。 00059_37_2230707 俺も紹介はしたけど、例えばメルカリみたいなところだと貸しても大丈夫だと思うけど、ほとんどが潰れちゃうという話をしたんだよね。VCなら、10個の投資のうち、1つが100倍になれば割に合うわけだけど、貸付だと、金利がせいぜい2〜3パーセントしかもらえないわけよ。 「そんな貸し方をしていたら、後々事故るのが多いよ」「そもそも、リターンが少ないんだから」と言っていたら、その銀行の人の話によると、「いや、今は上から“スタートアップにドンドン貸せ”と指令が出ているんです」と言うんだよね。 今、金融庁の方からお金を出しなさいと言っている。貯めこまないで、どんどん貸しなさいと言われている。でも、貸す場所があまりないのよ。 さらに、「スタートアップのような若い人を支援しなさい」という政策が出ているから、昔なら絶対に貸さないような会社に、お金を貸すようになってきている。だから今、銀行の人に「スタートアップです! がんばります! 燃えてます! このグラフを見てください〜」と言うと、けっこうお金を貸してくれるんじゃないかというのが、俺の印象なんだよね。 ただ、どうかな? お金を借りるときは、個人保証とか入れるから大変だよね。 片桐孝憲氏(以下、片桐) 入れてます。 亀山 山川さんも、入れてる? 山川博功氏(以下、山川) 一応、入れてます。 亀山 結局、VCを入れても、別に借金を背負って自己破産しなくていいじゃない。でも、借金するときは「保証人になれ」と言われるから、最後には家まで取られちゃうというのが、やばいところだもんね。 片桐 でもまぁ、もともとなにもなかったんで。 山川 まったく同じ意見です。 亀山 なるほどね(笑)。 片桐 なにもない。でも、事業があって、ちゃんと売上が出ている。出ているというか、出ると決まっていると思えたら、金は借りられるだけ借りたほうがいいんですよ。借りられるんだったら。 亀山 そうだね。借り続ければいい。 片桐 別に家まで取られてもいいんですけど、取られる家がないという(笑)。

IPOのメリットは「名刺に番号が付いている」

亀山 今はVCでもいいけど、けっこうお金を借りられる印象だよね。俺だったら絶対に貸さないという会社にも貸していたからさ。 それで言うと、全部はできないだろうけど、「何パーセントはVC、もう何パーセントは借り入れ」で補うのは、今の時代はけっこうありかなと思うよね。世の中けっこう、おカネ余ってるよね。 それだけ余っていても、俺には貸さないんだよね、なかなか(笑)。 (会場笑) 悪くない決算書も全部見せているのにさ、なかなかね。ここが大変なところで。 最近、地方銀行とか優しくなってきて、そういうところはけっこう貸してくれるようになって、ちょっとずつ雪が溶けてきた。なので、あまり銀行をディスるのはやめようと思います。銀行は、なかなか最近いいふうになってきました。いい人たちになってきた気がする(笑)。 じゃあ、次いきますか。「みんなでIPOを褒めよう」と。あまりやり過ぎると、IVSに来にくくなる。だから、いいところを、ちょっと褒めてみようか。俺たちは、また来年もIVSに来なきゃいけないから、どうぞ! え、困ってる?(笑)。褒められそうなところからでいいよ(笑)。大丈夫? 山川 あれじゃないですか。人材じゃないですか? 00066_37_2230714 片桐 いや、違う。たぶん。名刺に番号とか付いているじゃないですか。 山川 いや、それいらないっすね〜(笑)。 亀山 あれカッコイイよね。 片桐 あれカッコイイっす(笑)。 山川 そうっすか!? 亀山 同じじゃない。あれを見て、親が「ああ、うちの息子は上場会社に入ったんだ〜」と言うとさ、「よくぞやった」じゃない。「DMM!?」となるより、「上場会社の◯◯」のほうがいいよね。だから、人材いいんじゃない? 山川 人材はそうですね。名刺にはいらないですね。どこで配るんですか、その名刺? 亀山 キャバクラ! 山川 (笑)。 亀山 むちゃくちゃモテるよ。モテ度が1.5倍くらいになると思うよ(笑)。

片桐氏「もともと上場企業を作りたかった」

光本勇介氏(以下、光本) うちは上場企業に3年間所属していたので、メリットをすごく肌で感じているんですけど。 亀山 おー! おー! 00057_37_2230706 光本 いろんな商談があるじゃないですか。「ここと提携したいな」といった交渉のときに、「これ大丈夫ですか」「あれ大丈夫ですか」といろいろ言われるんですけど。「大丈夫です。一部上場企業のグループ会社なので!」と言うと、だいたい話が通る。 亀山 あぁ、なるほどね。やはりその信用はでかいね。 光本 信用はでかいですね。取引してもらえるし、手数料なども圧倒的に低くしてもらえる。 亀山 独立したら、また元に戻っちゃった? 光本 そうなんです。グループを出るのが決まったあと、数ヶ月の間にあらゆる会社と商談して、手数料を可能な限り下げてから出ました(笑)。 亀山 なんか、おいしいところばっかり取ってから独立したんだ(笑)。 山川 えぐいな(笑)。 光本 あれですね、イメージが悪いですね(笑)。 亀山 なるほど(笑)。じゃあ、今はまだBASEのほうがモテるんだね。どっちかと言うとね。BASEは、VCが山ほど入ってなかったっけ? そこからIPOを目指すかどうかは、俺は知らないけどさ。 光本 協力者がいっぱいいますもんね。 亀山 そう、協力者。協力者っていいもんかね? ほら、投資してくれると、協力してくれるもんなのかな? 光本 いや、僕は出資を受けたことないんでわからないのですが(笑)。 亀山 どちらかというと、今は事業会社の投資が多いよね。お金を出したがる人が集まってきたとき、結局のところ、お金がほしいのか、取引が欲しいのか、みたいなところがあるじゃない。 スタートアップからすると、「どこからお金をもらっていたら自分たちが有利か」を考えるとき、例えば、ヤフーや楽天みたいなところだったら、トラフィックがもらえたりする。そういった、お金をもらうだけじゃないメリットがある。プラス信用みたいなものもあるよね。「ヤフーさんが入っているなら、ちょっといいよね」と思われると、入れやすいっちゃ入れやすいよね。 一方で、ゲーム会社などの投資ファンドが、ゲーム以外の事業に投資しようとすると、あまりシナジーを感じてもらえない。「俺たち、ゲーム関係ないかな」となって、どちらがバリューを大きく見てくれるかという話になる。そうすると、割りが悪いというか、お金を出す側も不利な気がするんだよね。 ……と、わからない者同士が言っていてもしょうがないよね(笑)。「どうなのかな」と、逆に聞きたいくらいなんだけどね、そのへんはね(笑)。 「本当はIPOに憧れている」とかないの? もうちょっとくらい褒めてよ。 片桐 僕は、すべての会社は上場を目指したほうがいいと思っていて。本当に。 00013_37_2230665 亀山 おぉ! 片桐 僕は、もともとは上場企業を作りたかったんです。作りたかったんですけど、pixivという事業自体が、あまりにも上場に向いていないというか、フィットしていなかったので、「上場は無理だよね」となったのが、今現在です。 もし僕が求人サイトや不動産など、上場に向いていそうな事業をやっていたら、すぐ上場して、鐘を鳴らしまくってましたよ。 亀山 (笑)。たしかにね。実際に中古屋さんだったら、IPOなんて頭から考えないよね?  山川 中古車屋さんはないですね。だけど僕は、今のビジネスになってからは、お話をいただくことがものすごく多いですね。 亀山 それはITが絡んできたから? 山川 そうですね。

ITのみなさんは恵まれすぎている

亀山 結局さ、今、お金を出してもらえるのは、はっきり言ってITくらいなのよ。だって、俺の知り合いのラーメン屋や建築屋には、VCなんて誰も行かないもん。エンジェルなんてのはいないよね。 だから、恵まれてるっちゃ恵まれているよね。どうなるかわかんないようなITの世界でさ、初めからお金を出してもらって、個人保証を入れなくてよくて、スったらスったで誰にもリスクを負わないというか、怒られないわけよ。 怒られるかな? 怒られるかもしれないけど、「弁償しろ」とは言われないしさ。 その中で言うと、ITのみなさんは恵まれすぎている気はするよね。「よくこういう若造に出すな」と思うくらい、みんな思い切って出してくれるじゃない。これはすげぇ感謝しなきゃいけないことなんだよ。ふつうの業界にはないからね。 俺は飲食店やビデオレンタル店をやっていたとき、信用金庫へ行って、個人保証して、保証人を親戚に頼んで、やっとお金を借りて始めたりしているもんね。片桐もサラ金へ行っていたわけだからさ。もう、やり方としては、それしか手がないんだもんね。 それで言うとさ、VCはやっぱり素晴らしいよね〜! (会場笑) いやいや、本当に(笑)。感謝すべきだよ、みんな! 俺は思う。 今、俺はアフリカにちょこちょこ投資しているんだけど。アフリカでは、あまりIPOを聞かない。上場の市場があるのか、ないのか、知らないくらい。 山川 ケニアは一応あります。 亀山 ケニアや南アフリカはちょっとあるのかな。でもね、まだまだないんだよね。俺も次はアフリカで「東証」ならぬ「亀証」みたいなやつを作りたいな。 一同 (笑)。 00047_37_2230697 亀山 株の交換所ね。俺が市場を作るからさ。日本は高いし、スタートアップはいい気になりすぎているし、VCのみなさんも引き上げて、一緒にアフリカへ行こうか(笑)。 俺はこの間、ルワンダで電子マネーのサイトとIT系のやつを今、買収の話で進めているんだけど。そこには、海外に逃げていた人間が帰ってきたりしているわけよ。昔の中国みたいなもので、優秀なエンジニアもけっこう集まってきている。 だから、もう日本にいてもあれだから、アフリカに行ってさ、もう1回、投資とIPOの世界を作り直すというのは、今の日本以上に社会的意義がある気がするね。 向こうの若者に「なんでスタートアップしてるんだ?」と言ったら、「就職先がないから、自分でやるしかないんだ」と言うわけよ。こっちのスタートアップみたいに、チャラチャラしていないのよ。 (会場笑) もう崖っぷちで、仕事がないから「しょうがないから自分でミカン売ります」みたいな感じで、パソコンを叩いてるわけよ。そのへんで言うとさ、アフリカの市場とか、ちょっとおもしろいなと思うんだよね。

  

【主催】インフィニティ・ベンチャーズLLP

インフィニティ・ベンチャーズ・サミット(IVS)はインターネット業界の経営者同士が高い視座を交流し合う目的で2007年からスタートし、現在は国内最大級のインターネット業界経営者のコミュニティとなりました。新サービスを6分間でプレゼンし競い合う、スタートアップの登竜門「Launch Pad」に加え、様々な試練を乗り越えた経験者が次世代の経営者らに語り次ぐ場「IVS DOJO」などを通し、IVSはこれからの産業を担うリーダー達のコミュニティ形成と起業家の育成・啓蒙を提供する真のベンチャー・プラットフォームを目指しています。

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