応援したいけど応援しにくい展開の問題

山田玲司氏(以下、山田):問題はですよ!

乙君氏(以下、乙君氏):うん。

山田:もう1個、問題はあるんですよ。

乙君:まだあるの?

しみちゃん氏(以下、しみちゃん):(笑)。

山田:いろんな人が言ってますけど、体が入れ替わったとき、相手になったときに見えるのは、相手が作っている人間関係ですよね。

しみちゃん:はい。

山田:その人間関係をもとにして、「この人ってこんなにいい人なんだ」って感じて好きになるくだりがあるんだったらわかるんだけど、ないんですよ。

しみちゃん:そうですよ。

山田:それで、大事なやつですよ。『SAVE THE CATの法則』が抜けてるんですよ。

乙君:ほうほう。

山田:「三葉、いい奴だな」「瀧くん、いい奴だな」って思いたいんだけど、思えるところがすごく少ない。待って泣いてるだけだから。

乙君:そう。そうなんです。

山田:だから、応援したいんだけど、応援しづらい。

乙君:そう。

三葉は東京に恋していた?

山田:そして! あのかわいい三葉ちゃん。三葉ちゃん、かわいいんですけど、「三葉が恋してるのは、本当に瀧くんなんですか?」っていう。

乙君:あれ? GLAY来ちゃう?

山田:……。

乙君&しみちゃん:(笑)。

山田:……今、俺、どうしたらいいの?

(一同笑)

乙君:いや、「恋に恋い焦がれ、恋に泣く」っていう(笑)。

山田:あー、そっち! いや、「あなたに会えたこと」っていう(笑)。

乙君:それかなって思ったんだけど。

山田:そう、そんな感じかな。「恋に恋焦がれ、恋に泣く」。俺は三葉が恋してたのは、瀧くんじゃなくて東京なんじゃないかな、と。カフェなんではないか。イタリアンレストラン……。

乙君:でもそれは、コメントでもあるけど、「イケメンに生まれ変わりたい!」みたいなのがあったじゃないですか。「カフェ行きたい」もそうだし。だから、それなんですよ。そのまんま。

山田:なんで男なんですか?

乙君:それはたぶん、自分のなかの、いわゆる「男性性」と「女性性」ってものがあるじゃないですか。

山田:わかりました! そこにチューニングしましょう。

(一同笑)

隕石の正体はなにか?

山田:わかりました。最後に、「隕石の正体はなにか?」って話ですけど。やっぱりこれは、どうしても歴史上必ず訪れる、平安時代の終わりですよね。

しみちゃん:うん。

山田:だから、やんごとなき時代は、必ず終わりを告げる。本来は終わりを告げていた、93年から5年にかけて終わっていた、バブル崩壊とともに。

そこで瓦礫を拾わなきゃいけなかったし、俺たちは自然エネルギーに転化しなきゃいけないし、やらなきゃいけないことは全部あったのに、小室(哲哉)と一緒に踊ったり、やってたわけですよ!

しみちゃん:はい(笑)。

山田:なにしてたんだよー!! ……まあ、いいや(笑)。

(一同笑)

乙君:いや、俺、その時、中学生だから(笑)。

山田:いやー、ごめんごめん。

乙君:おい、団塊!(笑)。

(一同笑)

山田:なにしてたんだよ、本当に! それで、必ず、そういう予期しない破壊神が訪れてしまう。それは天災であり、人災であり、それが重なったものである。って、これ、ゴジラでしょ? 落ちてきたのは。

乙君&しみちゃん:おーー。

山田:おーー、なんか、うまいこと言った感。

乙君:あるある。

山田:あるある。ゴジラ的なもの、もしくは、無情、破壊神。もしくは、冬ですよ。

乙君:はい。

山田:俺たちには、長い長い春と夏が終わって、冬が来なきゃいけない。そして、隕石落下。俺、隕石落下、好きなの。

乙君:好きなんだ(笑)。

山田:なにかの終わりを、すごく象徴してて。

しみちゃん:はいはい。

『ゼブラーマン』の隕石が描いたこと

山田:だって、思い出すよ。

乙君:恐竜。

山田:おまえ、覚えてる? 6500万年前のこと、思い出すよな?

乙君:思い出す、思い出す。

山田:よく思い出すよな、6500万年前のこと。

乙君:あの時、俺、イグアナドンで(笑)。

山田:マジで! 本当に? 俺、ランフォリンクスだった。

乙君:マジで!(笑)。

山田:ごめんごめん、ジュラ紀のやつ、言っちゃった。そうじゃなくって、『ゼブラーマン』っていう名作漫画があるんですよ。

しみちゃん:はい。

山田:あるらしいじゃないですか。誰もが知ってる『ゼブラーマン』って漫画があるんですけど、あれの最終巻で、教頭先生が隕石を見てるってくだりがあるんですよ。

乙君:へぇー、覚えてなかったな。

山田:そうなんですよ。それで、「あれは一体なんだったのか?」ってことを、死にかけの教頭先生が言うわけですよ。「あれが、俺たち団塊世代が見た、なにかの象徴だったんじゃないか。夢の象徴だったんじゃないか」みたいな。

乙君:ふーん。

山田:だから、「革命を起こせる」って思ってがんばっていた団塊世代が挫折して、そこから『ゼブラーマン』って物語が始まるんだけど、その時に象徴的に隕石が落ちた。ってことを描いてるの。やりたくなるんですよ、こういうの。だから、俺、実は好きなんですよ、この……(笑)。

(一同笑)

山田:って話なんですよね。