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藤原和博氏「稼ぎたければレアカードになれ」年収1,000万〜1億円を目指す人生戦略

藤原和博氏「稼ぎたければレアカードになれ」年収1,000万〜1億円を目指す人生戦略

「クロシング」では、思考が交差し「そうか!」「わかった!」「これだ!」に出会う瞬間を目指しています。慶應義塾の社会人教育機関、慶應丸の内シティキャンパス(慶應MCC)が主催する著名で多彩な講師による講演会、夕学五十講を素材に、深い学び、新しい視点、思わぬ発想、意外な出会いを探索します。今回は、教育改革実践家・藤原和博氏が登壇した「正解のない問いに向き合う力」の講演内容の前編をお届けします。

(提供:慶應丸の内シティキャンパス)

シリーズ
慶應丸の内シティキャンパス「クロシング」 > 自分と組織のスパイラルシナジー
2014年10月2日のログ
スピーカー
教育改革実践家 藤原和博 氏

自分の「時給」を意識しているビジネスマンは少ない

藤原和博氏(以下、藤原) 「ニッポンの時給を考える」(というテーマ)、これが情報編集力とどう関係あるのかというのは後からわかりますが。この、時給というのをみなさんもちょっと意識してほしいわけです。いいですか。 th_jikyu ちょっと質問しましょうか。まず、この(ホワイトボードの)左から右への数直線を考えていただきたいと思います。ハンバーガー店やコンビニで高校生がバイトしますね。そうすると、だいたい時給いくらだと思います? 地方だと700円のところもあるんですが、800円ぐらいから。夜だと1,000円になったりしますね。 例えばそれが、コンピュータ系を扱えるとなると、パートでも2,000円近くになってきますね。例えば、プログラムができる、それからゲームのプログラムができればもっと上がってきますよね。 それが、だんだん時給3,000〜5,000円ぐらいになってくる。この仕事はどういう仕事かというと、実はみなさんのようなサラリーマンをやっている方や公務員・教員はだいたいこの辺の前後に入ってくるんです。 ちょっと聞いてみましょうかね。自分の去年の年収を聞かれたらさっと言える人。はい、多いですね。年収はわかるんですね。 では、自分の年間総労働時間が、「だいたい何千時間かな?」というのがつかめてる人。はい、少ないんですよね。 つかめてる人は、今もう暗算してもらって、自分の時給がいくらかを出してみてください。とにかくこれからみなさん、自分が1時間あたりに生み出す付加価値ということで、ほかと比較して欲しいんですよ。(年収を総労働時間で)割ってみると、上司だから、課長や部長だから時給換算で高くなるかというと、そうでもないんです。 というわけで、たぶん3,000〜5,000円の間になる方がかなり多いと思います。「年収400万の人が2,000時間働いてたら時給2,000円ですよね」という感じ。ぜひ計算してみてください。

稼げる仕事と稼げない仕事の違い

その時給を上げるということが大事なんですよ。稼ぐというのは、時給換算でフィーが上がっていかないと。年収が上がっても、もっと働かされたら……例えば年収が1.5倍になっても2倍働けと言われたら、ぜんぜん効率が良くないですからね。 というわけで次、(数直線の)もっと右側にいきます。これは専門家の領域です。例えば、大工さんでも1棟丸ごと建てられる棟りょうとか、ランドスケープのデザインまでできる庭師だとこれぐらいいくかな? 時間1万円ぐらい。 けっこう売れてる弁護士だったら、時間3万円ぐらいいきます。弁護士になったって、今はもうほとんど余っちゃってるので、食えない人がいっぱいいるんですけど、人気が出れば3万円。医師もこれぐらいですね。 それが最終的に一番右側、世界レベルのコンサルタント。カルロス・ゴーンに世界戦略を授けられるような人気コンサルタントだと、もうちょっとはじけるかもしれませんが。例えば、マッキンゼーが、そのシニアコンサルタントに1時間どれぐらい課金するかというと、だいたいいくらだと思います? これぐらいなんですよ。8万円だと思っておいてください。いろいろありますけれども、1時間8万円ぐらいだと。 そうするとみなさん、日本のいろんなお仕事で800円〜8万円まであるわけですよ。同じ仕事なのに、100倍の差がありますよね。これが一体なんなのかという、その本質を見極めないと。 みなさんがもっと稼ぎたいといった場合、何を上げれば稼げるのかわかりませんよね。あるいは、(これがわからないと)みなさんのお子さんにキャリア教育をするときに、何が一番大事なのかということを教えられないですよ。 というわけで、今からまたみなさんに2分間、先ほどのブレストをしてもらいます。今度は3〜5人で。いったいこの100倍の差は何が鍵なんですかと。(数直線の)こっち(左)からこっち(右)に行くというのは、どういうことなのかです。 みなさんだったら、何が上がればもっとこっちに来るかです。例えば今、時給3,000円の人が4,000円、5,000円になるのかです。これを議論していただきたいんです。

時給の差は「技術」や「労力」では決まらない

僕が小学生にこの出張授業をやりますと、小学生だと「大変さ」とか答えるんですよ。大変さだったら、時給800円のマクドナルドのバイトだって夜中大変ですよね。大変さというのは、たぶん種類が違いますよね。わかりますよね。 それから、「年齢」とか答える子もいるんだけど、違いますよね。熟練度というのも、それぞれの仕事で違いますよね。 もっと言うと、必ず「技術」という声も上がるんです。でも、プログラマーの技術と弁護士の技術とは違いますよね。 プログラマーの技術レベルはこれだとか、庭師の技術レベルはこれだと言っても、これは比較できないですよね。 というわけで、この数直線で左から右に動かすものは一体なんなのか、何が鍵なのか、その本質だけを議論していただきたいです。 一応、最初に言っときますと、別にここに並べた仕事は、右のほうが左よりも偉いとか、そういう職業上の貴賤を言ってるわけじゃないです。 ただ単に、1時間当たりの付加価値レベルで比べてるわけですね。だからどっちが偉いとか、どっちが大切だというようなことはまったくないです。全部大切ですね。 さらに言うと、800円のこっち(左)側には、有償無償のさまざまなボランティアがあります。マザーテレサが典型的ですけれども。 それから、この8万円のこっち(右)側には、例えば孫(正義)さんだったり三木谷(浩史)さんだったりというような起業家、あるいはトップスター、例えばスポーツスター。 もう時給なんていうのは超越してるような人たちがいますよね。年収数十億とか、そういう人はこっち(右側)にいるわけです。 日本で普通に仕事してたらだいたい(時給)800円〜8万円なんだけれども、この100倍の差はいったいなんで生まれるか。では、1分半か2分しかあげません。これを議論してみてください。 (議論開始)

稼ぎたければ「レアカード」になりなさい

はい。じゃあそこまでにしてください。私の考え方を述べさせていただきますね。これは希少性です。簡単に言うと「レアさ」ということですね。 こっち(左側)にある仕事というのは、言っちゃえば、誰でもできるんです。だからマニュアルワークですよね。 例えば、日本人じゃなくても中国の人でも韓国の人でも、ある程度日本語が話せればできちゃうわけです。だから取っ替えられちゃうわけですね。あなたがやっていても、取っ替えられちゃうんですよ。 経済に強い人はわかると思うんですが、こういう仕事というのは、世界中で一番(時給が)安いところと一致していきますので、今はまだ日本の需給関係で維持されてますが、基本的にはあと10年ぐらいすると、どんどん下がっていく可能性がありますね。 こっち(右側に)行けば行くほど、どうなるかというと、希少性が高まる。つまり、かけがえのない仕事になりますよね。かけがえのない仕事、あなたしかダメというやつです。 その究極は、「もうあなたしか頼れるものはないんですよ」と。こういう話ですよね。希少性が上がれば上がるほどこっち(右側に)行くということです。 つまり、稼ぎを上げたいんだったら、みんな一緒のほうに行っちゃダメなんですよ。一人ひとり、かなり孤独感があると思うけれども、希少性のあるほうへ走らないといけないと。こういう話ですね。 これは、みなさんのお子さんにもぜひ伝えていきいただきたいんです。なぜなら、日本ではまだ小学校の教育目標というのは、ほとんど「みんな一緒に仲良く元気よく」なんですよ。 そっちに行けば行くほど価値を失っていくわけですね。そういうことに気づいていないんです。ほとんどの小学校がそういう教育目標ですからね。 そのときに、子供に希少性というのは、とくに小学生にはきついですよね。希少性という漢字は難しいし、意味がわからないと思うんです。 でも実は、子供が一発でわかる言い方があります。 たぶん、ほとんどの子供がポケモンのカードで遊んだことがあると思うんですね。そのときに「レアカード」というのがあるんですよ。レアカードを持つとどうなるかというと、普通のカード30枚と取り換えられたりするんですね。 あるいはそのカードを持ちたいために、その辺の「まんだらけ」みたいなショップに買いに行ったり。そうすると1万5,000円とか2万5,000円……下手すると15万円とか(値段が)ついてたり、Yahoo!オークションですごく高く売っているわけです。 子供たちはそれを知っていますから、要は、レアカードが希少性のあることなんだとわかります。そういうことがわかる子供には、「君はレアカードになれ」と言ってあげればいいんですね。 レアカードになるように、みんな一緒じゃないほうへ行かなきゃダメなのよということを言うと。わかります? これが相手の頭の中で語るという技術なんです。
子供たちは希少性と言われるより、レアカードと言われたほうが100倍わかるんですよ。たぶん、その瞬間に子供の目が輝くと思うんですね。それは相手の脳の中でしゃべってるからです。この話法が非常に大事。

“1万人に1人”の希少性の身につけ方

私がどのように希少性を上げてきたかという話をやると、みなさんにも参考になるので。いいですか? 1つの分野で1万時間ぐらいかけると、100人に1人ぐらいにはなれるんですよ。どんな人でも、どんな奥手な人でも、覚えが悪い人でも、学力が低い人でも、1万時間かければだいたいマスターしますから、100人に1人ぐらいにはなれるんです。 例えば10代のときに、お笑いが得意だったと。わりとみんなを笑わせる人だったというので、20代でお笑いを吉本に入ってやったとしますよね。それで1万時間続ければ、100人に1人ぐらいにはなれます。 だけど、テレビでレギュラーを獲るには1万人に1人ぐらいにならなきゃダメですよね。あるいは、(明石家)さんまぐらいになるには100万人に1人か、1千万に1人なんですね。 まず、100人に1人になりましたと。じゃあ、30代になってもお笑いを続けて1万人に1人を目指すかどうかという話なんです。それをやると9,990人は敗退するわけです。負けちゃうんですね。それで、稼げなくなるんです。 このときに、僕がみなさんにお勧めしたいのは、横展開するという方法なんですよ。20代で100人に1人をやったら、別のところでもう1回、100人に1人をやるということ。 つまり、20代のときに左足の足場を築いたら、30代で右足の足場。例えば、みなさんが40代で、もう左足の足場を築いてるんだったら、50代で右足の足場を別につくればいい。この横展開だと、「100分の1×100分の1」で1万人に1人になれますよね。

“100万に1人”の価値を生み出した方法

問題は次なんですよ。経理と総務だったり、財務と会計だったり、販売と販売促進だったり、営業と宣伝だったり、左右が近いところで(100分の1×100分の1を)やったら、近いところで足場を築いたら、今度は3つ目をドンと(前に)張り出すわけです。 ドンと張り出すと何が起こるかというと、この三角形の面積が広がりますよね。この面積が広がって、この面積のことをみなさんに与えられた「クレジット」と言うんです。 クレジットというのは、信任のことです。人がみなさんに与える理性的な信頼と感情的な共感の関数ですね。つまり、そこまで任せようという。そういう面積が広くなるということ。 僕が何をやったかというと、20代のときにだいたい1万時間営業をやりましたから、営業とプレゼンで100人に1人にはなってるんですね。 27歳からマネジメントをやっていましたので、リクルート流のマネジメントで27〜37歳までの10年間で、マネジメントで100人に1人ぐらいにはなっているんです。 それを掛け算して、1万人に1人ぐらいのレベルで、40歳で会社を辞めちゃって、リクルートのフェローというのをやったんです。0〜4,500万円の間で年収がブレるような危ない働き方だったんですが、もし僕がそれを続けていたらどうだったかという話をしたいんですね。 おそらく営業&プレゼン×マネジメントの掛け算で稼ぐやつは、若いやつでどんどん出てきますよ。わかりますよね? そうすると、その場にとどまっていて僕がフェローをやっていたら、たぶん僕の付加価値はどんどん漸減してたと思うんですね。 そこで、47歳で思いっきり遠くのところ、つまり公教育に出て、営業とプレゼンとマネジメントが通用しないかもしれない恐怖のなかで、勝負しちゃったわけですよね。ノンプロフィットのマネジメントもやってみたらできちゃったわけですね。 そこで僕の三角形がドーンと広がっちゃったわけですよ。それでだいたい、クレジットのレベルが億単位を超えたかなと。自由度の方が大事なので、その一部しか現金化はしてませんが。 自分の三角形のクレジットの面積で、そのうち何パーセントを現金化しているかということで、それ以外の余りが出ますよね。 この余りのことを遊びと言ったり余裕といったり、あるいはビジネスマンの自由度と言ったりするわけです。

「100人に1人×3分野」で、誰でも100万に1人になれる

みなさんもぜひ、今の分野でそのまま走って1万人に1人、100万人に1人を目指すより、3つの分野のキャリアを掛け算して100分の1×100分の1×100分の1の掛け算で100万分の1の希少性あるキャリアを創ってみてください。だいたい1つの足場作りに1万時間(5〜10年)かければ、誰でもできることですから。 例えばお笑いの世界をやった人が次に美容師になれば、お笑い美容師でしょ。これなら絶対に1万人に1人の希少な存在になれると思う。 あるいは、お笑いの人がツアコンになって10年旅行業界で勤めれば、お笑いツアコンでしょ。お笑いツアコンなんていう、バスの中でゲラゲラ笑わせてくれる人がいたら、それは佐渡島で1人とか、淡路島で1人なら、絶対食えますよね。 そのように掛け算するということなんです。 アロマセラピストもネイルアーティストも20年前にはなかった職業なんですよ。だから、みなさんが今持っている武器を足場としてもう1発、「5〜10年で何を組み合わせると、掛け算で自分が初めてになるか?」というのをぜひ考えてもらいたいわけです。 ネイルアーティストだって、マニキュアをやってる人はうちの母だってやってましたよ。だけど、それをアートとまで言った人はいなかったんですよ。ネイルアーティスト……言っちゃったほうが勝ちです。 そのようなことで、非常にユニークな存在になれたのはこの掛け算のお陰なんです。 みなさんも、そういうかたちで100万人に1人、今たぶん、この中には100人に1人の人はいっぱいいるし、1万人に1人、つまり100分の1×100分の1の掛け算がすでにできてる人もいっぱいいるので、あともう1分野なんですね。 あともう1分野で100万人に1人になっていただくとどうなるかというと、だいたいオリンピックのメダリスト級です。オリンピックのメダリストの確率が、100万分の1なんですね。 ちなみにノーベル賞級が1,000万人に1人です。山中(伸弥)さんというのは1,000万に1人の人なんですね。 みなさんが目指すのは、まず100万人に1人です。50代前後で、60代でもいいから。そうすると、1世代で1人ぐらいにはなれますから。 僕が言うこのユニークさは、100万人に1人と言っていますが、ピラミッドで100万人並べて頂点に立たなきゃいけないという話じゃないんですよ。ピラミッドの頂点に立とうとする人は、99万9,999人を倒さなきゃなんない、勝たなきゃなんないでしょ。そういう必要はないんです。 縦ではなく横に広がる世界の中で、掛け算を使ってユニークな場所に居場所をつくる。こういう話ですから。どうですか? これだったらできそうだなって気がしてきませんか? ちょっとしてきたぞという人は拍手をくれる? (会場拍手)

  

自分と組織のスパイラルシナジー

元リクルートのトップ営業で公教育改革の実践家でもある藤原和博氏。 プロ生活32年、50歳まで現役投手で中年の星と称された山本昌氏。 個人と組織の関係を研究する若き経営学者服部泰宏准教授。 「自分と組織のスパイラルシナジー」では三者三様の生き方・見解には、個人の生き方、組織人の使命の間を行き来しながら「働く意味」を考え抜いているという共通項があります。

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藤原和博氏「稼ぎたければレアカードになれ」年収1,000万〜1億円を目指す人生戦略

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