不思議な目やにの科学

マイケル・アランダ氏:ミスター・サンドマン、僕は夢を運んできてと頼んだのに、君は気持ち悪い目やにを連れてきたね。

でも、寝ている間に目の端に集まるねばねばしたものは、正確には一体なんなんでしょうか。

これについては、(英語圏では)eye boogers(アイブーガーズ)やsleepies(スリーピーズ)、dream dust(ドリームダスト)、sleep sand(スリープサンド)もしくはsleep in your eyes(スリープ・イン・ユア・アイズ)としてご存知かもしれませんね。

実は科学者の間でもこの目の堅いカスに対する標準的な専門用語はないのですが、なかには眼脂や粘膜分泌物と呼ぶ人もいます。あんまり楽しくない呼び方ですね。

粘膜分泌物とは、目や鼻のような体の粘液を分泌する部分から出されるあらゆる水っぽい分泌物を指す用語です。

目から出るものは、粘液、死んだ皮膚細胞、油、ほこり、細菌といったさまざまなごみでできています。私たちがしばらく眠った後でこの魅力的な混合物が目の端に集まり、乾いて堅いカスを形成するのです。

でも、どうして目やには寝ている間にだけ出るように感じるのでしょうか。実は目やには、というか少なくとも目やにのなかに含まれるものは、常に存在しているのだということがわかっています。ただ多くの場合、そこにあるということに気がついていないだけなのです。

眼球は機能するためにちょうどいい具合に濡れている必要があり、涙液層という水を含んだ層の下で保護されています。

涙液層はいくつかの部分で成り立っています。角膜を覆い、目をなめらかに保つための水分を含んだ粘液からなる中間層や、内側の水分をすべて保つための薄い油質の層などです。私たちが通常起きているときには、目に入るよごれは全部、瞬きをするたびにこの涙液層によって洗い流されています。

しかし、まぶたは寝ているときにはあまり活動的ではないんですね。夜に寝るときや、ちょっとした昼寝のために目を閉じるとき、瞬きをしなくなり、いろいろなごみを掃除しなくなります。そしてごみは涙液層から出た粘液や油と一緒になり、目の端に集まるのです。あっという間に堅くて不快な立派な目やにのでき上がりです。

目やにには、乾いてもろいものもあれば、湿ってねばねばするものもあります。これはすべて、涙液層のなかになにが入っているかによります。例えば、アレルギーのある人は、目をこすったり、目やにを多く出す傾向があります。ですから、ぬるぬるしたものがたくさん流れ、べとべとした目やにができ上がるのです。

嫌ですよね。でも危険かというと、通常は問題はありません。しかし過剰な目やにはより深刻な健康問題の兆候かもしれません。脂肪分泌腺が活動しすぎたり、涙管がふさがったりするなどの特定の目の病気を持つ人々は、目やにやごみが多くなります。

そして、流行性角結膜炎のような感染症では、ねばねばの蓄積がひどく、朝に目が開けられなくなることもあります。大変な目やにですよね。でも心配しないでください。大多数の人の目やには正常で害のないものですよ。