電気に敏感な生き物たち

今回のSciShowは、あなたにショックを与えるかもしれません。   世界中には8,600種の電気受容性動物が存在します。そのような動物たちは、電場を感じることができます。触れる感覚のように、電気が動物たちに外部の形状やサイズ、質感などの情報を運んでくれるのです。

また聴覚や視覚のように、離れた場所でも機能しますが、そのような感覚は、私たちが決して想像できるようなものではありません。

電気受容性動物にとって、電流や電場はリアルな情報であり、私たちにとっての色や音楽と同じものなのです。

ほとんどの電気受容性動物は両生類か魚類ですが、珍しい例外として、カモノハシがいます。カモノハシについてはあらゆる奇妙な可能性があります。またそれはそれで奇妙ですが。

電気受容性はグローバルな収斂進化の動きのなかで、独自の進化を繰り返してきました。

暗い水中で暮らし捕食する動物たちにとって、見たり聞いたりする感覚は鋭くないはずなので、もし周りの環境を特別な電気受容体の肌細胞で感知できれば有利になります。

数種類の動物は、さらに先に進んでいます。電場や強力な電気ショックを生み出す、起電が可能な716種類が確認されています。それらの魚類は共通の祖先を持っていません。   生物学者は、起電性生物は個別に少なくとも11度の違った進化を辿っていると確信しています。それぞれの進化の場所はアフリカ内陸やアマゾン盆地、オーストラリアの珊瑚礁が豊富な海域などで、それぞれ離れた場所にあります。   

デンキウナギの体はどうなっている?

   もっとも有名な電気魚はデンキウナギですが、実はウナギではなく南アメリカに生息するナイフフィッシュの一種です。

600ボルトの電気ショックを生み出し攻撃しますが、ヒトのような大きな生物に重症を負わせることはありません。しかし、もしあなたが小さな魚で、泳いだり、食べたり日常の生活を送ろうとしているとしたら、600ボルトは生涯最後の問題になるでしょう。

生物の細胞が電荷を生じるのは、細胞の生体学では普通のことです。細胞は細胞膜の外で、金属からナトリウム、カリウム、カルシウムなどの陽イオンを吸い上げます。そのため細胞の外は、細胞内より僅かにプラスを帯びます。

あなたの体のすべての細胞は、約0.085ボルト帯電しています。もちろん、私の体は、電圧を加算していくような細胞配列になっていませんが、電気魚は電気細胞と呼ばれる特別な細胞を持ち、長く連なることでフラッシュライトのバッテリーのように働くのです。

そして各細胞は、神経ファイバーの片側につながっています。

デンキウナギのチャージが溜まれば、脳が神経細胞にシグナルを出します。シグナルが電気細胞に伝わると、細胞膜の小さな気孔が開き、陽イオンが細胞内に流れ込みます。それぞれの細胞が、小さなバッテリーのようになるのです。

細胞内部がマイナスで、外側がプラスだったのが、今では左側がマイナスに、右側がプラスになっています。

そしてバッテリーのように、電荷を打ち消すために電子が両サイドを移動します。細胞は鎖のようにつながっているため、プラスからマイナスへ、プラスからマイナスへと各細胞を経るごとに電圧が加算されるのです。

チェーンは長く数珠つなぎになっており、溜まった電圧が一気に放電されると、バーベキューのでき上がりです。しかし、電気細胞の配列は攻撃的に使われる必要はなく、ほとんどの電気魚は攻撃を目的としていません。

多くの電気魚は体の周囲に電場を作り、ほとんどの場合はそのパワーは数ミリボルトに過ぎないのです。電場は身の回りの環境を感知するために使われます。真っ暗闇でも餌を見つけたり、近くにいる外敵を認識したりできるのです。

いくつかの種類の魚は、コミュニケーションのために電場を使います。放電のパターンを変えることで、攻撃、服従、警告、求愛などのシグナルを出すことができます。

相手の求愛を受け入れる準備ができたら、多くの種類の電気魚はオスとメスが一緒にエレクトリックデュエットを披露します。エレクトリックブギー。

もし、なにか抜けていると感じているのなら、なぜ私たちが心でコントロールできる素敵な電場を作れないのか疑問に思っているのかもしれないですね。それは、私たちが見る、聞くなどの感覚を備えているからです。   見る、聞くは高圧磁石発電機に比べ、退屈に感じるかもしれませんが、それらは起電するよりかなりの省電力になります。

また、デンキウナギに関する質問で多く聞くのが、「なぜ自身の電気で感電しないのか」です。答えは、感電します。デンキウナギが放電するとき、たじろぐ姿を確認できますよ。

あなたがどうかはわかりませんが、私は痛みを生じない今の自分の感覚でよかったと思っています。