水分を摂取しなければならない理由

以前「SciShow」では、なにも食べないと私たちの身体がどうなるのかについて話しましたよね。その時、人間は数週間食べなくても生きていけるし、すごくラッキーな人なら数日間は水なしでも大丈夫だと言いました。

でも、食べ物と水でなぜそれほど差があるのでしょう?

私たちが常に水分を身体に摂取し続けなくてはならない理由は、私たち人間の体重の約50~70パーセントは水でできているからです。体液の約75パーセントは、私たちの細胞のなかに入り込んでいくのです。

そして、それが色々な意味で私たちの活動を左右するものなのです。

私たちの体液の多くは、水とたくさんの電解質、つまりナトリウムやカルシウム、マグネシウム、カリウムのようなミネラルイオンから成り立っています。

それぞれのイオンの集合体は、細胞膜の両側の液体を充電させます。細胞はそれを身体の電気システムを調節するのに使います。そして私たちの筋肉や神経が考えたり動いたり、ブレイクダンスをする時に使われるのです。

喉の渇きを放っておくと……

このすばらしい身体の機能に加えて、身体の液体はほかにも生きるために必要な役割を果たしています。

血液細胞と栄養素を身体中に循環させることで、私たちの身体の体温を調節することができます。そして、食べたものを腸に送り、残っている老廃物を流す助けにもなるのです。

だから、強い日差しの下でボールを追いかけたり、慢性的な下痢だったり、砂漠で真後ろに立っているラクダから逃げたりするときには、喉の渇きに敏感になることはとても重要です。

もし口が乾燥していたり、ものすごく喉が渇いていたりしたら、すでに脱水状態かもしれません。それは私たちの身体の体液が2パーセントほど落ちていることを意味します。

この初期段階から脱するのは簡単で、何杯か水を飲めばいいでしょう。でももし気づいていなかったり、飲むことにうんざりしていたり、砂漠の真ん中にいて水道水にたどり着けないならば、私たちの身体は次の段階へ進んでしまう。中程度の脱水状態です。

皮膚を引っ張ってみて、それがすぐに戻らずにテントを張ったようになっていたら、膨圧テストには不合格。縮み始めているってことですからね。

その頃には必要な体液の5~10パーセントは失われていて、頭がグラグラして吐き気を感じるでしょうね。きっと暑くて混乱してきたりもするでしょう。寝心地のよいウォーターベッドから水を排出してしまったんだから、脳は私たち自身に怒りを感じ、脳はぼんやりし始めます。

体液が10パーセント以上失われると危険

体液が10パーセント以上失われてしまったら、身体ははかなり危ない状態になります。深刻な脱水状態ということです。

眼球は裏側に入ってしまい、尿の色は暗くなり、この状態までくると痛みも感じるでしょう。筋肉は痙攣を起こし、身体は震え始めます。そして死にかけているかのように極度に疲れを感じます。だって実際に死にかけているんですからね。

そして血圧は下がり、細胞はどうにかして水分を補おうとします。汗や尿としてほとんどの電解質は失われ、適切な電解質バランスが崩れ、細胞は筋肉を動かすために必要な電圧を維持できなくなります。

心臓のナトリウムレベルが低くなると、脳の膨張に繋がります。1杯の水さえ飲めば間に合うレベルを超えてしまったら、助かるには救急車や点滴、電解質溶液、そしてかなりの幸運が必要になるでしょうね。

飲尿、つまり尿を飲むことの価値について興味を持っていますか? 厳密に言うと尿を飲むことはできるけど、水分がきちんと足りているときにはおすすめしませんね。

水分が足りている人の尿のほとんどは水です。でも長い間なにも飲まないでいると、水に含まれる老廃物の割合は増えるのです。だから脱水状態の人はたくさんの老廃物を溜めていて、その尿を飲むことで老廃物をろ過させるように身体をたくさん働かせてしまうことになります。

だから尿を飲むことは理にかなっていないし、かなり気持ち悪いですよね。ちゃんと水分をとりましょう!