橋下徹氏:今の日本社会、もう戦後60年70年経って、さまざまなところに社会制度の歪み(ひずみ)があります。その最たる例が既得権。僕は知事になり市長になり、よくこれがわかりました。

補助金をもらってる人たちは、それはもう自分たちのお金だと思ってる。補助金をくれくれという主張を繰り返す。補助金の流れが変わらないんです。日本国内に血液であるお金の量が増えても、お金が入ってくる人たちは変わらない。こんなことで日本国民が豊かにはなりませんよ。

アベノミクス・第3の矢、日本の成長戦略に欠けている点。これは「既得権を打ち破れない」、ここなんですよ。医療保険改革、これも喫緊の課題です。このままいけば医療保険は破綻します。それから日本の医療は産業化しません。全然成長しないんですよ、日本の医療は。なぜか。今の医療保険制度を改革しないからなんです。

どういう改革が必要なのか。簡単に言います。保険で診療を受ける部分と自由診療の部分、これを合わせた混合診療というものを、もう認めていかなきゃいけないんです。今はね、皆さん。自由診療を受けようと思えば、保険の部分も自由診療になってしまってる。ものすごい高いお金を取られてしまう。だから自由診療というものが発展しないんです。

医療の技術というものは自由診療の中から発展していくんです。保険と自由診療を合わせる混合診療を認めて、皆さんが自由診療を受けやすくする。これしか、医療保険の改革、日本の医療を産業化していく改革はありえません。

しかし、この混合診療の解禁ということも、これまで十何年言われ続けてきましたが、一歩たりとも進まない! なぜか。日本医師会が反対するからですよ。

農業改革、医療保険(改革)、この二つだけでも農協や医師会に気兼ねをして本当の改革ができない自民党に、日本の改革なんてできますか!? 既得権を打ち破って、戦後60年70年ずっと補助金をもらい続けてきた特権的な立場にある人たちの権利を一回打ち壊して、国民の皆さんにその権利を持ってもらいたい。そのように考えているのが、我々日本維新の会の政治哲学なんです。だから改革、改革、改革の連続なんです。