元プレイヤーがやりがちな「自分のやり方を押しつける」

――今回の企画テーマは「優れたプレイヤーが優れたリーダーになるとは限らない」です。プレイヤーとしていい成績をおさめてきた人だからこそ、リーダー的な立ち位置になるときに気をつけたほうがいいことはなんだと思われますか?

曽山哲人氏(以下、曽山):これは簡単ですよ。自分のやり方を押しつけないこと。

――非常にシンプルですね。

曽山:でしょう? でも、もうこれに尽きるんですよ。プレイヤー上がりでリーダーになる人が失敗するのは、これが理由なんです。もう「絶対」の2文字をカギカッコつけて表現してもいいくらい。

――「絶対」ですね、つけておきます。

曽山:できるリーダーは、メンバーにやり方を考えさせる。ダメなリーダーは、自分のやり方を押し付ける。このインタビュー記事のタイトルか、もしくはリード文面にしていただきたいくらいです(笑)。

――(笑)。

曽山:これを、なぜそこまで言うかというと、私がまさに押しつけリーダーだったからなんです。しかもそれを2〜3年くらい続けていました。「俺の言うやり方でやれば結果が出る。だから、ほかのことは考えなくていいから」というのを、メンバーに言っていたんです。

とあるメンバーは素直に言うことを聞き、言われたとおりに完璧にマネをして、見事に成果を出す。私としては当然、結果を出しているのでめちゃくちゃ褒めるわけです。そして、結果が出ない人はものすごく厳しく「やらないからだよ、やりなよ」と言う。

答えを押しつけるのではなく、引き出す

そんなあるとき、言うとおりにしても結果を出せなかったメンバーが部署異動になり、すぐ隣の営業チームに入ったんです。その翌月、営業のMVPになっていて……。

――えっ!

曽山:衝撃ですよね。僕からすると「なぜだ」と。その上司に聞いてみたら「もう、やりたいようにやらせてます。そのほうが結果が出ますから」と言われたんです。もう本当に、パンチをくらったような感じです。

そのメンバーには、僕のチームにいたころの「結果を出せない」という事実があります。でも、異動したとたん、結果が出ている。そこで改めて気づくんです。僕の部署ではチームとしての結果が出ていない。そこそこ出ているけれど、大当たりがないんです。一方、そのメンバーが異動した部署ではいつもチーム全体で大きな受注目標を達成している。

そのあたりから、自分のマネジメントに限界を感じ始めました。でも、どうすればいいのかわからなかった。

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