北京のPM2.5事情

平将明氏(以下、平):北京に行ってきまして。

生田よしかつ氏(以下、生田):「表、出られない」って言ってたじゃん。

:だから、PM2.5。すごかったんですよ。レッドレベル。(2016年12月)19、20、21日……。

生田:だけど、やっぱり表ちょっと歩いたんでしょ?

:もちろんマスクはしてたけど。でもね、僕らマスクしてたけど、中国の人のマスクはすごいよ。もうほぼガスマスクみたい。すごくハイスペックなやつやってる。すごいですよ。

大澤咲希氏(以下、大澤):へえ。

生田:本当に。

:それで、僕が行った時は小学校・中学校・高校、休校ですよ。そしたら、ニュースが流れてたけど、どっかの都市でPM2.5があるなかで校庭で試験受けさせて、なんかそれクビになってたよな。校長かなんか。「なにを考えてるんでしょうねぇ」みたいな。

生田:だけど、中国ってさ、外の屋台みたいのあるじゃない?

:あるある。

生田:そういうときもやってるの?

大澤:確かに。

:やってますよ。

生田:すげーな。PM2.5まぶしみたいな感じだね。

:いや、だからもうね、要は石炭なんですよ。石炭。だから、石炭の火力発電みたいなものをどうするかと、あと中小企業がけっこうスモッグを出してるので、それで盆地みたいになってるから溜まるんだよね。

生田:あ、北京ってそうなんだ。

:だから、すごい怖いのが、行きも帰りもそうなんだけど、僕がFacebookに載せたんだけど、空から見ると、上は青空、下は真っ黒。

生田:あ、そうだ。見た見た。

:それで、真っ黒だと、普通、雨が降ってるとき雨雲って黒いじゃない。でも、あの下は雨は降ってないわけよ。だから、「俺、あの下にいたの?」みたいな感じで。

生田:うわ、嫌だ。

:それで、中国側からけっこう言われたのは、今、中国人の観光客がいっぱい日本に来てるじゃない。でも、日本から中国への観光客は減ってるんですよ。これをなんとかしてほしいって言うんだけど……。

生田:じゃあ、綺麗にしろよって。無理でしょ。

:この空気をなんとかしてくれないと、どうにもならないですね。たぶん北京市長は、これ改善しないとクビだろうな。来年ぐらい。

偉い人と写真を撮って赤っ恥

生田:ところで、先生は衆議院の環境委員長じゃないですか。どうなんですか? 環境委員長として、そういうのは?

:環境委員長として思いましたね。やっぱりもう羽田に降りてきて、深呼吸ができるから、うれしい。

生田:そうだよねぇ。

:やっぱり環境は大事だなと思ってて。中国もまあやっぱり世論が盛り上げるだろうな。あれさすがに。健康被害になるからね。

生田:やっぱり余裕が出てくると、そういうところに目がいくようになるよ。

:いや、あれは……。やっぱりモンゴルなんかも冬場は、暖房にタイヤのチップを燃やしたりするので。タイヤなんか燃やしたらすごいじゃない?

生田:タイヤ燃やしてるの?

:そう。一部ね。ごく一部のところ。だから、この時期はやっぱりすごいことになってるんですよ。いや、だからやっぱり日本の技術で環境分野は協力できるところは協力してもいいかなと。

ただ、やっぱり日中関係、今、いろいろ問題あるので。今回も海に空母が出てきたでしょ。ああいうことをやられちゃうとね、やっぱりなかなか協力しろって言ったって、できませんよねと。南沙諸島の問題もあるしね。

生田:そうねぇ。

:そうなんですよ。まあそういうことで、中国に行ってきて、いろいろだいたいミッションは達成しましたけど。政治家が行くと、「どれだけ偉い人と会って」って写真撮るじゃない? 小沢一郎が民主党で百何十人連れていった時に、胡錦濤国家主席と百何十人、1人ひとりと写真撮ってて。

生田:あれも大変だよな。

:実はあれ大ひんしゅくだったのね。中国側政府にとっても。

生田:そうなんだ。

:うん、だってありえないもん。

生田:「めんどくせえことさせやがって」って?

:そうそう。それでけっこう赤っ恥で。向こうに対しても。でも、僕は向こうのシンクタンクと話をするんですよ。中南海という中国政府……。

生田:おお、タバコ屋か。

:タバコ屋ではありません。

生田:あ、違うんだ(笑)。

:あれは中南海から取ったタバコになるんだよね。中南海というのは霞が関だよね。もっと言うと内閣府だよな。日本で言うと。

生田:ほおー。

:それで、そこは政策作るんだけど、そこにアドバイスするシンクタンクがあるわけですよ。そこのいわゆるエコノミストとか専門家と意見交換をしに行くのね。毎年ね。なかなか中国の考え方がわかっていいですよ。

中国は希望的観測をベースにする

だから、もう明らかにやっぱり彼らの分析間違ってて。

生田:間違ってるの?

:間違ってる。俺が安倍政権出てすぐの時に中国行ったのね。そしたら、中国、基本的に安倍さんあまり好きじゃないわけよ。靖国神社も参拝するし。

生田:そうだね。

:そしたら、僕が安倍政権ができてすぐの時に中国に行ったら、もう彼らは「いつ安倍政権が終わるんだ?」とかそんな話ばっかりだから、「いや、終わりませんよ」と。「3年間は最低でも安定政権だし、そのあとも続きますよ」って話をして。だから、「安倍政権が当然続く前提で組み立てしないと見誤りますよ」って話したわけ。

それで今回も行ったら、向こうが「いや、安倍政権の支持率落ちてますね」「大丈夫ですか」と。彼らの言葉を引用すると、「これは日露首脳会談のいわゆる失敗が原因なんじゃないですか。大丈夫ですか? 5ポイントも落ちてますよ」って言うから、「いやいや、支持率6割あって、そのうちの5ポイントなんてほとんど誤差で。しかも5割越えてるんだからまったく問題ないし、その5ポイントのうちのたぶん4ポイントはIR法案で、日露交渉なんてほとんど影響してませんよ」というのを教えてあげたんだけど、そういう希望的観測をベースに組み立てるよね。

生田:だけど、中国ってその程度か。シンクタンクですら。

:あとは、たぶん記録をされてると思うんだよね。誰がどういう発言をしたのか。

生田:なるほどな。それはあるよね。

:だから、向こうは上げやすい情報を……。例えば、俺もしくは日本の政治家が……「いや、まったくそのとおりです」って言う政治家も野党にはいるんだと思うんだよ。でも、やっぱり正確な情報を出してあげるのが大事なので、希望的観測を補完したいんだろうけど、そうはいかないので、正しい情報ですね。赤沢代議士と山下代議士と行ってまいりました。

生田:ああ、そうなんだ。へえ。

:僕ら、赤沢さんと僕は内閣府副大臣で、あとは西村康稔さんと3人でやっていたので。山下貴司さんというのは議員立法をすごい作ってるんですよ。まだ2期生ですけれども。この人は元検事ですから。バリバリ。

生田:法律の専門家か。

:そうそう。

生田:たいしたもんだね。

:民進党の山尾なんとかさんの先輩ですよね。

生田:山尾志桜里だっけ?

:そうそう。

韓国の漁業管理はすごくよくできている

生田:あれか。ガソリーナな。でしょ?

:だから、山下さんの前に出たら、彼女なんかもうほとんど議論になりませんよね。という感じで。ちなみに髪は切りました。ちょっと短めに。

生田:まあ年末だからね。おじちゃんも切ったんだよ。ほら。

:おじちゃん切ったの?

生田:おじちゃんもやっぱり、年末行かないと年越せねえからよ。

:あらすてき。そうなんだよ。

生田:やっぱり必ず、暮れに行くじゃない。暮れに行って、「はい終わりました」って言われたら、「おし、これでさっぱりした。これで年越せらぁ」つって帰るんだよ。毎年そう。

大澤:私も切りましたよ。

:お前も切ったの?

大澤:うん。

生田:切ったよね。あ、触ろうとしちゃってる(笑)。

:とりあえず、そろそろ前振り終わっていいですかね。

生田:ええ。もういいんじゃないですかね。

:ということで、じゃあ……。

生田:ちょっと最後にこれだけやらしてください。

:どうぞどうぞ。

生田:私の漁業管理の師匠である小松正之さんが、新しい本を出しました。『世界と日本の漁業管理』。これ、平先生にもお送りします。

世界と日本の漁業管理―政策・経営と改革

これ、世界の漁業管理でどういう結果を出しているかというのが全部出てるんだよ。悔しかったのが、韓国の漁業管理がものすごくよくできてるの。

:よくできてるんだ。へえ。

生田:だから、今、韓国の魚ってすげーいいんだよ。やっぱり資源管理ちゃんとやるようになってから、単価も上がってるし、儲かるようになって。そういう事例がこれにたっぷり書いてある。

:わかりました。

生田:それと、私の盟友であります片野歩さんという方が、『日本の漁業が崩壊する本当の理由』、このなかで対談やってるんだよ。対談で生田も出てますので。

大澤:おお。

日本の漁業が崩壊する本当の理由

生田:ぜひお買上げのほどをお願いしたいと思います。ありがとうございました。

大澤:イエーイ。

(一同拍手)

:それ、俺にくれるんじゃないの?

生田:えっ?

:では、ないのね。はいはい(笑)。

生田:じゃあ、あげるよ。

:いえいえ(笑)。