世界最高のアーティスト6選

カリン・ユエン氏:みなさんは有名なアーティストの名前を挙げることができますか? 2013年の夏に雑誌『ヴァニティ・フェア(VanityFair)』が、誰が存命中の最高のアーティストなのか、さまざまな意見を聞き、世論調査をした結果、上位6人はどうなったと思いますか?

もっとも多数の票を得たアーティストはゲルハルト・リヒターです。2位がジャスパー・ジョーンズ、リチャード・セラ、ブルース・ナウマン、シンディ・シャーマン、そして、エルズワース・ケリーが続きます。みなさんが、コンテンポラリー・アートに興味が引かれず、また実際に気にならないのなら、これらの名前は意味がないでしょう。

もし、みなさんが彼らのことをご存知なら、大いなる敬意を持っていることでしょう。というのは、彼らはコンテンポラリー・アートにおいて非常に重要で影響力の大きな人物だからです。しかし同時にこれらのアーティストたちは、長年この分野でキャリアを確立してきたため、最新のアートとはいえず、この称号にふさわしいとはいえないと思うかもしれません。

私が絶対にリストにあるだろうと思ったのに、実際にはなかった人々がいます。もちろん、この理由に対して応答するには、もっとも偉大な存命のアーティストはどのような特質があるのか、まず定義を考える必要があります。

例えば、もっともよい批評を手にした人なのか、あるいはもっとも実践の場数の多い人なのか、あるいはもっともギャラリーや美術館で展覧会を開催した人なのか、あるいはもっとも成功して裕福なアーティストなのか、ということです。

つまり、なにがアーティストをアーティストたらしめているのか、という問題なのです。

作品がギャラリーで発表されたり、作品がなんらかのジャンルに適合しているから、あるいは、芸術分野の学位を持っていたり、あるいは自分自身でアーティストと名乗っているから、したがってアーティストだといえるのでしょうか。私は個人的には、今日のアーティストの定義はより広くなっているために、それがいいことか悪いことかは別問題だと考えます。

名前が挙がらなかった超有名アーティストたち

例えば、バンクシーの落書きアートはどうでしょうか、もちろん彼は、お金のためにこれを売っていますが、現実に存在するアーティストとは一線を画するものだと考える人たちもいます。私が興味を持つ1つの問いというのは、その作品の良し悪しにはかかわらず、誰がもっともよく知られたアーティストであるかということです。

日常的にどのアーティストが知られていて、世代に応じて人々がこれから先思い出すことができるのか、ということです。バンクシーは、力強い挑戦者で、政治的、社会的な言説を含むフィールドワークによって、彼の行為は明らかに一種の騒ぎを生み出しています。ドキュメンタリー(『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』)がアカデミー賞にノミネートされたのにも遜色はないと思われます。

続いてこの考え方を辿っていくと、この騒がしい時代に、抜かすことができないもう1つの名前はシェパード・フェアリーです。彼は、「オバマの‟希望”」ポスターで国民的な認知を得ました。OBEY(シェパード・フェアリーの活動名) のポスターでも高く認識されています。

もう1人、知るべき人はデビッド・チョーです。Faceboook社オフィスの壁に絵を描いて、現金の代わりに株式を受け取ったことで知られました。言うまでもなく、彼は今日もっとも裕福なアーティストのうちのひとりかもしれません。

ほかのビッグネームで、リストに名前がなかったことに驚くのは、オノ・ヨーコです。彼女は前衛美術家であり、ビートルズのメンバーであジョン・レノンと結婚したことで知られています。彼女の結婚は、アーティストのとしての追求をしのぐものかもしれませんが、甘い愛情のあるアーティストとして広く知られていることは否定できません。

ほかにも商業的な世界に思い切って進出したとみられるアーティストは、永遠の水玉模様で知られる草間彌生です。そして、マス・カルチャーとハイ・アートの帝王、村上隆です。彼らは2人とも、ルイ・ヴィトンともコラボレーションしたことがあり、消費文化にもよって彼らの名前は何百万という人の目に広まりました。

愛されも憎まれもしていますが、世界でもっとも裕福なアーティストとしてダミアン・ハーストは忘れられないでしょう。

みなさんの考えも知りたいです。皆さんが、この順位に挙げられると思う存命アーティストがあれば、名前を(動画の)下のコメント欄にお知らせください。