山田玲司と縁が深い田中氏

山田玲司氏(以下、山田):そして、いよいよ、もう番長ですよ。

乙君氏(以下、乙君):番長なんだ。

山田:田中優さんです。いろんなこと一緒にやらしてもらってますよね。優さんは本当に説明が難しいんです(笑)。ただ、ブルドーザーでガーッと世の中を一気に変えていこうっていう、力技でやっていくのが芸風の。

乙君:芸風?(笑)。

(一同笑)

山田:環境活動家……。まあ、出会いはね、あれなんだよ。最初、チェルノブイリが起こった後に、(忌野)清志郎が『COVERS』出して、反原発とかバーッと盛り上がったり。

俺も清志郎に火ぃつけられて、「このままじゃまずいぞ! 原発を止めねば」と言ってたのが、1986、7年ぐらいですよね?

田中優氏(以下、田中):あれは88年にイベントをやった。

山田:88年ですか。

田中:うん。

山田:86年に事故があって、そっからワーッとムーブメントがあって、広瀬(隆)さんの本があって、その時にいても立ってもいられなくて、そういうパンクバンドをやってたところに、(日比谷)野音で「原発止めよう集会」をやってたのが優さんですね。

田中:はい。実行委員でした。

山田:実行委員ですねえ。

乙君:もうイベンター的なことも?

山田:市民活動を、普通の市民が世の中を変えるっていうことを、ずーっとやられてる方で。

乙君:草の根的なね。

「電気を買わない人」の生活は

山田:ていうかね(笑)、(田中氏が)おもしろいのが、もともと役人さんで、江戸川区で本当にちゃんと普通に働いていた方なんだけど。

「世の中変えたいから」つって、市民活動をやっていくうちに、そこを辞めて、今はそれが本業になるんだけど、まあ、もともとは番長っていう。

乙君:もともとは番長。

(一同笑)

乙君:最終的に……(笑)。コメントでもありますけど、電気を買わない人……。

山田:電気を買わない人ですね。

乙君:(電気を買わない人)でおなじみの、ということでございます。(ニコ生のコメントに)「今日は岡山から来たの?」っていう……。

田中:そうです。岡山から来たんです。要は、口ばっかりっていうのは嫌いで、とにかく自分からやってみたいって思ってるんで、家でも電気自給してる。

山田:すごいですよね(笑)。

田中:そうそう。でも、ここんところ長雨で太陽光発電があんま発電してくんなくて、近所の旅館とか泊まったりしてるけどね(笑)。

乙君:え(笑)、そこはやっぱ臨機応変にいくんすね?

田中:そう。だって、楽しまないとね、つまんないじゃない。

乙君:なるほどねえ。

田中:僕のポリシーはね、意外なことに、努力・忍耐はしない。

山田:しない、っていう。

乙君:意外ではないですけどね。

(一同笑)

努力と忍耐嫌いのせいで高校中退を繰り返す

山田:努力・忍耐は嫌いなんです。優さんはね、学生運動終わりぐらいの世代で。で、まあ、学生運動の連中がわりと議論とか口ばっかりだった、みたいなのを見て、「ふざけんな」と思ってて。それで学校を6回も変わるというね。

田中:8回だよ(笑)。

山田:8回ですか(笑)。8回、高校を何度も何度も問題を起こしては辞めて、みたいな。

田中:でも、再び入るところがすごいよね。

山田:そうなんですね。

乙君:自分で?(笑)。

田中:そうですね(笑)。

山田:ポケットにいつもナイフを忍ばせて。

乙君:え!

山田:「いつでもかかってこい」という、そんな青春を送ってきた。

田中:いや、違うんだよ。だから、俺弱いから、ケンカ売られたら刺すしかねえんだよ。

山田:それがおっかないんじゃないっすか!(笑)。

(一同笑)

乙君:ケンカしないっていう選択肢はないんですか(笑)。

山田:そういう奴です、そういう奴。

田中:だから、ある時はすごい危険な感じになっちゃったんで、免許持ってないのに車買ってきちゃったもんね。

乙君:え?

田中:だから、万が一の時には車で轢いちゃえばいいと思って。

山田:免許がないのに、車を用意してたんですか?

田中:そう。でも、そのまんまじゃまずいなと思って、教習所通い始めたけどね(笑)。

山田:(笑)。

久世孝臣氏(以下、久世):免許取る動機がすごいですね。

山田:優さんは大検なんですよね?

田中:そう。大学入学資格検定で。

山田:そうなんですよね。

田中:だから、高校クビになったあげくに卒業できなかったから、大学入学資格検定で取って。で、大学は二部に行ったんだね。

山田:そうですね。働きながら。

田中:そうそうそう。

役所の手の内を知り尽くす恐ろしい人物

山田:公務員試験の一番すげーやつを受かってるんですよ、この方は。

田中:辞めちゃったけどね。

山田:辞めちゃってますけど。だから、本当は官僚になる人なんですよ。だから、大学行かずに官僚になれる人だったんですよ。

乙君:あーー。

山田:そういう恐ろしい人なの、この人(笑)。

田中:いやいや。

山田:だから、それでずっと役所にいたから、向こう側の手の内を知りつくしてから、出てるというね。

乙君:あ、なるほど、なるほど。恐ろしい。

山田:恐ろしいです。だから、リアルっていう。

田中:役所っていうのは嘘は言わないんだよ。ただ、隠すんだよ。

山田:そこがねー。

乙君:あー、なるほどね。そんな優さんが好きなアニメは何ですか?

(一同笑)

田中:僕、『MASTERキートン』とか『パイナップルARMY』とか、ああいうの好きだねえ。

山田:浦沢(直樹)作品だね。

乙君:『パイナップルARMY』?

田中:同じ人。

乙君:浦沢先生ですか?

田中:そう、浦沢さんは絵描いた人で。で、ラデック・鯨井さんは、後の名前だけど、あの人が原作者でね。で、『SEED』っていう漫画の時には、そのラデック・鯨井っていう名前になってんだけど。実はその人ガンで死んじゃったんだけど、生前、僕知り合いになったんですよ。

山田:あ、そうなんですね。

田中:すっごいおもしろい人でさ、いい人だったね。

『美味しんぼ』の雁屋哲との思い出

田中:その人とのつながりで、『美味しんぼ』の雁屋哲さんとも知り合ったの。

山田:はいはいはい。

乙君:あーー。

山田:きました、その話題(笑)。

江守正太氏(以下、江守):出てましたもんね?

田中:そうなんだよ。出てるんだよ。

山田:実は『美味しんぼ』に出てます。

久世:えーーっ!

乙君:『美味しんぼ』に出てる?

田中:そうなの。104巻、105巻のところでさ。

乙君:104巻とかのレベルで(笑)。

久世:すごい、すごい!

山田:出てます。

久世:山岡さんと共演したんですね。

田中:そう。だから。

乙君:ヤバい! それヤバい! 山岡士郎と共演って。

久世:海原雄山と共演するって。

田中:だから、漫画読んだ時にさ、「あれ? 海原さんいたかな?」とか思っちゃったね(笑)。

(一同笑)

田中:やっぱリアルなんだよ。

乙君:(笑)。

田中:「いねーし」みたいな。

山田:(笑)。

乙君:なるほど。

知られざるオフグリッドの生活

山田:最初にある雑誌が創刊されるイベントに、俺、お客として普通に見に行ったの。そしたらそのイベントで、いろんなトークをする人、歌う人が出てくるんだけど、優さんが出てきて。だから、本当十何年前に、そん時に初めてオフグリッド(注:電気代ゼロの生活)の話したんだよね。

乙君:ほうほう。

山田:要するに電力会社から電気を買わなくても、屋根の上にパネルつけて、蓄電池で自分でまかなえるから、これからは全部そういうふうになっていくんだ、と言っていて。

「すげー、これ。リアルな話だな」と思って、会いに行きたくなって、会いに行ってるんです、実は。

乙君:なるほど、なるほど。

山田:そしたら、本当にそれを始めてる。それで、だから、電気代、電力会社からきているコードを切る、っていうイベントをしましたよね。

田中:やった。

山田:やりましたよね(笑)。YouTube見れば出てきますんで。それで、「さよなら、電力会社」っていう。

田中:だから、今ではね、水道も井戸に切り替えちゃって、つながなくなっちゃったし。

乙君:井戸でやってるんですか?

田中:そう。新聞もやめちゃったし。だから、インターネットがあるからさ、テレビもいらないし。そういう暮らしが現実にできんだよね。

そしたらね、普段の生活の金がほとんど必要なくなってきちゃってさ、こういう暮らしってのは、たぶんこれからの暮らしになるんだろうな、っていう感じがするよね。

山田:それを、だから、実際に優さんやってるから。

乙君:そこは一番すごいですよね。

山田:すごいねえ。

乙君:なんだかんだやっぱ説得力、「俺やってるから」って言われるとね。

山田:そうなんですよ。

ユーザーの注目度も意外に高い

乙君:そんなお三方を交えて今日は、環境問題スペシャルということで、この4人で話されると、やっぱり専門的なほうにどんどんいっちゃうんで。

今日はもう素朴な疑問をみなさんから募集しまして。そしたら、かなり来まして。そんなにみんな関心あったのかと、うれしいんですけども。まあ、1つ1つ片付けていきたいんですけど。

山田:いや、まずね。

乙君:はい。

山田:いや、だからね、これね、すごいんだよ。このね、メンバーがどれぐらいすごいかっていうとね、まず枝廣さんはゴアと一緒に仕事してるじゃん。

乙君:はいはいはい。

山田:その後、名だたる人たちですよね。アウトプットがわりと世界規模の人が多いですよね、。江守さんは、実は地球シミュレーターやってたの。

乙君:……地球?

山田:地球シミュレーター。

乙君:地球。

山田:地球シミュレーター。

(一同笑)

乙君:地球のほうね。

山田:スーパーコンピューターのすげーやつ、京だっけ? あん時って。

江守:いや、地球シミュレーターっていう名前です。

山田:地球シミュレーターっていう名前、そうそう。

江守:京の前です。

山田:京の前か。あ、そうそう。だから、ものすごいパワフルなコンピューターの中に架空の地球をつくって。

乙君:このままいくとどうなるのか。

山田:どうなるかっていうことを、ずっとやってた人なんですね。

乙君:ずっとやってたんですか?

江守:ずっとそういう仕事ですね。

乙君:なら、もう何聞いても大丈夫じゃないですか。

山田:そうね、うん。

乙君:(笑)。

江守:見せます?

山田:そうですね。ちょっとそのへんから。