権威よりも実際に"モノをつくれること"

小野:じゃあ次の方。

質問者:お話ありがとうございます。お話していただきたいのは、社会に入って行くときに自分が持っているこれをやりたいとか、プリンシパルな部分ってあるかなと思ってまして。それが社会に入って失われてしまう人とかもいるのかなと思っていまして。それを失わないためとか、そもそも失ってステージを上がっていくのが楽しいんだよとか、失いそうなのが怖いんだったら、それを防ぐための自分の考えとかがあったらお聞きしたいなと思ったんですけど。

小野:なぜそれを聞こうと思ったんですか? 失うわけでも、プリンシパルなものがどういうものかわからないですけど。失うか、失わないか、これからじゃないですか?

質問者:僕は個人的には、いわゆる資本主義の下準備構造で、その中で自分を失うのがすごく怖くて、自分はどうしたらいいのかなって考えているんですけど。自発的にやりたいことをやったほうが人は幸せだと思っていて。

小野:どうですか? 昔こんなこと考えてたけど、いま全然違うとか。その思いが続いているとか。

赤川:今の世の中において、権威とか全く意味がなくて。最近世の中の流れを見てて思うのは、いわゆる戦略的経営とかいうよりも、プロダクトそのものだったり、サービスそのものだったりとかのほうが、圧倒的に重要だよねという時代になっている。名前だけ肩書だけあってものが作れないっていうのは、本当に存在意義がないという状況になってきて。真の実力者は権威の方だけに向かうとダメなんですよね。まず、自分の権威、名声を守るみたいな方向にいくのは絶対にダメだと。

僕自身は、権威名声を守りにいったことは1回もないんですけど、つい最近まさに今話した話があって、俺、昔もっとアグレッシブだったのに、最近守り入ってないかなと、ここ半年の自分の振り返って。200人くらいの組織を見てるんですけど、組織マネジメントをする上でなんかちょっと固かったなと。“ビジネスプロフェッショナル然”としすぎた形で、ゲーム作りのチームを組んでいたことがあって。本当に反省して、1週間くらい前の全体ミーティングと経営会議で「今年の赤川の行動規範を決めた」「今年の赤川はやんちゃで行きます」という話をしたんで。

もともと、根は真面目なんで、どこまでやんちゃ度が高まるかわかんないんですけど、とはいえ、組織を変えるために硬くなっている、硬直化してるところがあったら破壊しないといけない。破壊する方法はメッセージとか、プリンシパルをバーンと宣言するとか、明文化するとかも大事なんだけど、やっぱり背中で語っていかないと、人ってついてこないところがあるので。

まず今年、自分自身が俺が変わるという話を全体に向けて話をして、「やんちゃと宣言する時点でやんちゃじゃないのでは」とか突っ込まれてるんですけど(笑)、それでもちょっとでも組織が良くなるように自分自身が今変わろうとしているところですね。

社会に出ても、すごいやつはすごい

有安:プリンシパルが変わっていく問題? 変わりますよね、というのが基本で、社会に出ていない段階でこうしたいとか、こういうことをやりたいとかっていうのが固まっている人ってすごい少ないと思うんですけど。そういう人はむしろ幸運で、そういうのを持ちつつ、頑張ればいいと思うんですけど、ほとんどの人はそれがそこまで具体的じゃないはずなので、変わっていく、アップデートしていくイメージですよね。

会社によって違うと思うんですけど、会社選びや業種選びをミスらない限りは、むしろ会社とか組織を使って自分を高めるというか、自分の人生なんで、自分の人生の重さも自分の人生なんで、自分がよりよく生きるためにどう会社を使い倒してやるかぐらいの気持ちでいれば、そういうリスクはそんなにないんじゃないかなと。僕は思います。

僕の周りでも、僕、今30過ぎですけど、学生時代すごい輝いていたのに、大学出て大企業に入ってダメになっちゃった奴って実はそんなに多くないなっていう印象があって、元気な奴は社会に出てもいろいろ頑張ってるし、どっちかっていうと受け身でおとなしめに生きたいっていうとそのまま行くし、あんまりそこは心配する必要はないのかなと思いました。

「やりたいことをやっているか」だけに集中する

荒木:画一的になりたくないっていう考え方が、実は画一的っていう考え方にとらわれていますね。やりたいことをやっていれば、それが人から画一的って思われようがそうでなかろうが、あまり関係ないのではなかろうかと思っているので、「やりたいことをやっているか」ということだけ意識していればいいのかなと思いますね。

最近自分でも思いましたけど、やっぱりさっき言ったとおりですね、ビジネスで死なないっていうのがすごい大事で。なんでみんなが我慢したりとか、あるいはよく言われる歯車的なことに我慢することになってしまうかっていうと、怒られたくないからですよね。怒られたくない、あるいは降格されたくない、あるいは昇進したいっていう気持ちは、突き詰めていくと我慢していくってことになるじゃないですか。

だけど、別に褒められなくても、降格になっても、クビになってもいいや、なぜならビジネスで死なないからって思うと、割と好き放題言えるんで、そういう自由な感じがいいと思いますね。たまに、そういう自由な発言しててパフォーマンス出してない人もいるんで、ダメだなって思うんですけど、我慢するよりはいいんじゃないでしょうか……という風に僕は思っています。

情報がある時代だからこそ、直接誰かにアタックする

小野:あとひとりくらい。

質問者:総合政策学部2年のミナミと申します。お話ありがとうございました。自分が背伸びしたような感覚のときって、わからないことだらけだったり、自分の力のなさや知識のなさに苦しんだことがあると思うのですが、そういうときはどうしていましたか?

荒木:たぶんほとんどのケースで、世界初のことをやってるわけじゃないと思うんですよね。誰かが同じことをやったことがある人がいるはずなんですよ。ということは、その人に聞くなり、そのことについて書いてある本を読んだりすれば、少なくとも誰か経験者がいるはずなので。と思って僕はそうやって学んできた気がしますね。知ってるとできるは違うんですけどね。

武石:そもそもまず、背伸びしなければいけない環境にいること自体が入り口として正解だと思うので、そこに対して必死に何が何でも四方八方手を尽くして頑張ると、気がついたらそこまで至らないまでも、普通のレベルよりはちょっと成長しているみたいな、そういうことが経験として結構多かったなと。

そこに至るために、いろんな人に聞くし、とにかくいろんなものを調べまくるし、自分で経験して失敗してもいいし。そこのサイクルの中で見出すというのが、一番正攻法で王道なのかなと思いますけどね。

赤川:頭でっかちにはならないでほしいなと思うんですけれども、本当に情報がこれだけあって、かつ、コミュニケーションがすぐ取れるんですよね。それって本当にいい時代だなと思うんで、例えば、この人の考え方はすごいな、この人これやったことあるんだと思えば、TwitterでもFacebookでもLinkedInでも突撃すると意外と答えてくれたり、会ってくれたりってすると思うんですよね。

行動が大事だなっていう時代になってくると思うんで。せっかくこの時代に生まれて、情報がある時代だからこそ、直接誰かにアタックするっていうことをやると、たいていなんか知ってる人が多いかなと。

小野:大丈夫ですか?

質問者:ありがとうございました。

人の意見で決めた決断は後悔する

小野:もうひとり、誰か手が挙がってますか?

質問者:総合政策2年のコイデと申します。1つ質問があるんですけど、人生の決断のポイントをお聞きしたいことがあって。自分自身での自分自身でやりたいっていうことがあるのと、周りの価値観にかなり影響をうけることがあると思って、例えば、周りがベンチャーやりたいって言ったら、俺もベンチャーやらなあかんのかなとか、周りが大企業に行ったら、俺も大企業にせなあかんのかなとか。

かなり僕は人がやっていることに合わせるのが嫌いなんで、周りがベンチャーとか起業とかしてるんで僕はひたすら勉強してるんですけど、そういう風に他の人の意見が参考になることもあって、自分自身がやるべき自分の文脈と、人の周りの環境を参考にするっていう部分の折り合いをお聞きしたいんですけど。

有安:折り合いですか? でも、人と同じになりたくないってことは、基本周りに逆に影響されていますよね(笑)。と思いつつ、僕が思っていたのは、僕が大企業の外資に入って2年で辞めて、周りが衝撃を受けても、同期の中でも一番早かったんですよ。「なんで辞めるの?」「もう辞めるの?」って言われて、母親に報告したら半べそかかれちゃって「なんで辞めちゃうの? 大企業辞めるなんて」みたいなことを言われたんですよ。

でも、僕がそこで思ったのは、この人生は誰の人生なのかと。自分の人生だと。他人の人生を生きているわけじゃないので、他人の価値観で他人の人生を生きているわけじゃないので、人は極論、関係ないなと。

人の目が気になるとか、人がみんなこういう風にやっているから自分は逆を行こうとか、当然なので、人は社会的な動物なので。でも、それを置いといて、自分が一番腹の底から満足できる、こうだったから後悔しない、失敗しても後悔しないと思える決定はどっちなのかなっていうのを考えて、決めてました。

結果的にそれが失敗だったり、ダメだったりしても、納得できるはずなんですよね。人の意見に左右されて決めた決断だと、相当後悔するはずですよね、失敗したら。なので、Follow your heartじゃないですけど、自分の心に聞いてみると意外と答えはあるんじゃないかなと思います。

質問者:ありがとうございます。