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ERP導入の悩みを解消する、中堅・中小企業の新たなスタンダード「クラウドERP導入塾」(全2記事)

2024.07.18

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中堅・中小企業も、世界標準のデータドリブン経営基盤を利用可能 短期間でコストも低減できる、クラウドERP導入の新方式

提供:SAPジャパン株式会社

近年は、クラウドERP(クラウドベースの基幹業務関連システム)市場が急速に成長し、かつてのように大企業に限らず、広く需要が高まりつつあります。一方で、さまざまな課題によって、企業のクラウドERP導入がスムーズに進まないケースも存在しています。
そんな中、中堅・中小企業向けにクラウドサービスと導入方法論を提供する「クラウドERP導入塾」を始めた、SAPジャパン株式会社の内田誠治氏にお話をうかがいました。後編では、塾の特徴や経営者のコミットメントの重要性について語りました。

前例のない、“塾”形式でのクラウドERP導入プロジェクト

——クラウドERPを導入する時に、複数社が参加する塾形式というのは初めて聞きました。この「クラウドERP導入塾」のようなプログラムは、これまでにもあったんでしょうか?

内田:クラウドサービスといっても、案件管理といった軽いものから、本当に企業の根幹をなすERPまでいろいろあるんですね。ただ、私がクラウドサービスに15年以上携わってきた中では、どの分野でも集合形式でやってるケースは聞いたことも経験したこともありません。

先週も、たまたま海外のメンバーが日本のオフィスに来てくれていたので、「こういうモデルを考えてるんだけど、もし同じようなことをやってたらノウハウを教えてほしい」と聞いてみたら、みんな「ない」って言ったんですよ(笑)。「こういうモデルは考えたことがない」と興味津々だったので、世界的にも類がないことがよくわかりました。

——では、中堅・中小企業さまがこのクラウドERP導入塾を利用することで、どんなメリットがあると想定されていますか?

内田:まずはお客さま同士で悩みの共有ができたり、逆に「うちはこういうやり方なんだ」という成功例もどんどん共有されると思うんですね。そうすると、何気なくやってきた業務を見直して、よりスムーズにできるようになったり。あるいは、他社の業務で見習うべきところを見つけ出して、自社の業務に適用できたり。

あるいは、今まではシステムの操作方法の練習1つとっても、自社の人にわからないことを確認するのは難しかったと思います。でも、他社でも同じようにシステムの操作練習をしている方がいたら、お互いに教え合ったりして疑問点を解消していけると思います。

導入コストや運用コストを低減できる、画期的な仕組み

内田:また、操作方法以外にも各社さんがつまずきやすいポイントの多くは共通化していることがけっこうあるので、自社だけで悩まずに、さまざまな意思決定の部分も含めて仲間同士で悩みを共有しながら解決できるのがメリットだと思います。

結局、ERP導入のプロジェクトで時間がかかるのは、「この方法でやるんだ」という意思決定までの期間や、操作や運用テストの習熟度を上げる期間なんですね。ここがスムーズにいかないと、プロジェクトが長期化したり、コストがかさむ要因になります。

そこを複数社で取り組みながら、早期に課題解決ができることで、従来の方式に比べて、導入コストや運用コストの低減につながると思います。

——参加者の方々が気軽に悩みを相談できるような場づくりも、成功のカギの1つだと思うのですが、何か工夫されていることってありますか?

内田:今回のクラウドERP導入塾に限らずですが、SAPでは「SAP® Build Work Zone」という、いろいろなコミュニケーションがとれるツールを起点に、お客さまやパートナー企業さまとのやり取りをしています。

そうしたツールの利用やこれまでのノウハウを活かして、ドキュメントの共有や参加者の方々が悩みを打ち明けられるような場づくりを通して、導入を円滑に進められるようにご協力していこうと思っています。

ITプロフェッショナルサービス業界から他業界へも展開

——いろいろな業種業界の企業さんが集まると、業務内容もかなり違ってきてしまうと思うのですが、この「クラウドERP導入塾」に参加できる企業の業界や業種に縛りはあるんでしょうか?

内田:今回は、ITサービスを提供する企業やSIerといったITプロフェッショナルサービス業界の中堅・中小企業さまを対象にしています。この業界のみなさまをまず対象にした理由は、やはりクラウドERP提供側の事情によって、なかなか導入が進まないケースがあるからです。

導入前の検討フェーズで、ちゃんとクラウドERPのマインドセットができていないとつまずきやすいので、まずはITプロフェッショナルサービス業界のみなさまにクラウドERPの最適な導入方法をお伝えすることで、他の業界にも広げていっていただけたらという思いがあります。

——将来的には対象の業界を広げていくんですね。ちなみに、それがいつ頃になるかは決まっていたりしますか?

内田:そうですね。今回の第1期の塾で培ったノウハウを利用して、2025年頃というふうに認識しておいていただければうれしいです。

クラウドERP導入に、経営者の参画が不可欠な理由

——クラウドERP導入塾の参加者としては、どんな方を想定されていますか?

内田:ERPシステムを自社に導入することになりますので、まずは経営者の参画が不可欠です。その上で、プロジェクトをリードされる役員の方や、現場での使い方を見極めていただくために、各業務のリーダーの方に参画いただくかたちです。

プロジェクトチームを立ち上げていただくと思うので、リーダーの方や各業務担当の方も含めて、5人〜10人規模になると思います。

単に使いやすい案件管理のシステムを入れるのではなくて、企業の全体を司るERPというシステムを入れることになるので、やはり経営者の方にリーダーシップを発揮していただくことが肝になると思います。

また、Fit to Standardを実現する上でも、経営者の方に「うちの会社は必ずやりきるんだ」という強いコミットを持って関わっていただけないと、なかなか成功しにくい部分がありますね。

——なるほど。中堅・中小企業では、ITに明るい人材が限られるという困りごともよくお聞きします。参加するに当たって、どのくらいの知識があればいいんでしょうか? 

内田:参加者のみなさんは、特に知識はなくても大丈夫だと思っています。また、プロジェクトを通して、クラウドを使うためのマインドセットや選び方・使い方といった基本的な概念を身につけられると思います。

クラウドERPシステムで販売や購買業務ができるといったところだけでなく、全体最適を実現するためのERPへの理解が進んだり、導入後も業務で利用できる機能がどんどん追加されていくので、そうした最新のテクノロジーを順次使っていただけると思っています。

また、この導入を起点に、もしもSAPの導入をサポートするパートナーになりたいという企業さまがいらっしゃれば、この「クラウドERP導入塾」を利用して、SAPビジネスを新しく始めることも可能だと思います。

クラウドERPの本稼働まで6ヶ月〜9ヶ月

——複数社での集団形式によって、スケジュールの短縮にもつながるというお話がありました。実際、クラウドERPの本稼働までどれくらいかかるんでしょうか?

内田:今募集を開始しておりますので、興味を抱いていただいているみなさま向けに、7月に説明会を差し上げて、経営者さまの意思や熱意を確認させていただきます。それから、どのようにシステムに業務を合わせていくかを見定める期間を3ヶ月間設けます。

この3ヶ月の間に、参加される方々にお集まりいただいてキックオフをしたり、今回のサービス概要のご説明や、クラウドERPによるビジネス変革の理解といったマインドセットの部分をお伝えしていきます。また、各社の販売・購買やプロジェクト管理といった業務を見極めるためのワークショップをやります。

それでプロジェクトの準備が完了するので、本格的にプロジェクトを開始し、システムの設定等を含めて移行や運用テストをするのが、だいたい6ヶ月から9ヶ月間と想定しています。そして本稼働という流れになると思っています。

期間やコストの削減効果と、導入後のサポート体制

——キックオフも含めて、全体ではだいたい9ヶ月〜12ヶ月ということですね。クラウドERP導入塾に参加する場合、システムの導入期間やコストの部分の削減効果はどうなんでしょうか?

内田:弊社のクラウドERPサービスでは、検討期間が60パーセント削減、導入期間が50パーセント削減、総費用が40パーセント削減という効果を実現しています。

このクラウドERP導入塾でも、同様の効果が享受できると思っていますし、複数社での集団形式で取り組むことで、期間や費用はさらに削減できる可能性もあると思います。

——正直、こういうシステムは「入れたら終わり」とはならないかと思います。クラウドERP導入後に、困ったことやわからないことが出てきたら、継続的にサポートしてもらえるんでしょうか?

内田:はい。我々としても、クラウドの時代は今までのようにシステムを導入して終わりという使い方はしないと思っています。新しい機能もどんどん出てくると思いますし、そのメリットを享受いただくためのいろいろなサポートを考えています。

今ではシステム自体は半年に1回バージョンアップがされて、新しい機能が使えるようになるんですけれども。Fit to Standardで業務をシステムに合わせていただいたことによって、そういった機能を使うためのサポートも実施させていただきます。

クラウドERP導入塾でも、せっかくつながりを持っていただいたので、塾の修了後もコミュニティを継続していって、他の期の卒業生の方々とも交流していただくようなことも考えています。

弊社は、お客さまにシステムを使っていただくことで、カスタマーバリュージャーニーを最大化していくことを目指しています。なので、例えば「SAP Preferred Success」といったサポートサービスなどを通じて、新しい機能の使い方から「こういう業界、業務領域でも何か違うことがやりたいんだよね」といった相談にも継続的にご対応していきます。

中小企業も大企業同様のデータドリブンな経営基盤を利用可能

——経営者ご自身が一定期間参加をされるというところが、1つのハードルのような気がするので、改めてその意義についてひと言いただけますでしょうか。

内田:今回のクラウドERP導入塾でみなさまに検討いただくのは、企業の「ヒト・モノ・カネ」の情報をどのように利用して、全体最適で会社のビジネスをより良くしていくかということです。そういった観点で言うと、一番このシステムを使って意思決定をするのは、経営者さまなんですね。そのため、経営者さまが本当に使いたいものを決めて選んでいただくことが必要というのが1点目です。

もう1つが、プロジェクトを成功させるという面です。やはりシステムに業務を合わせていくのは、なかなか難しい部分があります。そのため、「こうしたら実現できるのではないか」という視点で、経営者の方から前向きなメッセージを出していただくほうが、経験上うまくいっています。

この2つの面で、経営者さまに参画していただきたいので、最初に必ず面談をさせていただくことを検討しています。昔はERPの導入は敷居が高くて大企業のものだったというお話をしましたが、弊社の仕組みでは、大企業も中小企業もみなさん同じシステムが使えるんですね。

つまり、中堅・中小企業も、グローバルの大企業が使っているデータドリブンの経営基盤が使えるんです。大企業だから特別に使えるわけではないので、こういった最先端のシステムを導入していただき、意思決定に役立てることで、ビジネス革新につなげられるのが経営のメリットだと思っています。

今回は塾形式で、他社の経営者さまとも関わりを持ちながら、多くの仲間と共に研鑽しながら導入をしていただけると思います。自社だけだと腰が重かったかもしれないのですが、この塾に参加していただいて、一緒に中堅・中小企業から日本を変えていけたらうれしいと思っています。

——クラウドERPを使うことが、かなり身近になってきた気がしますね。お話ありがとうございました。

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