採用力=面接数

岩瀬:ありがとうございます。南さんには採用の話を聞いたらおもしろいかなと思っています。僕は個人的に親しいのですが、飲みに誘うと大体「面接してるから行けない」って言うんですよ。平日の夜も週末も、地方に行っても面接してる。とにかく、ずっと面接しているイメージなので、あれだけ社員を増やしていく過程でどんな風にやられているかとか、その辺を伺いたいと思います。

:ありがとうございます。人数を増やすというのは2つあって、優秀な人を採るということと、優秀な人に残ってもらう。この2つに努めてきました。入ってもらうことに関しては、色んな人に色んな事を聞かれます。僕も曽山さんにも相談させてもらったのですが、いろいろな方に相談させてもらった結果、結局採用力=面接数なんじゃないかと。それ以上、それ以下ないんじゃないかと思っています。

僕も営業出身なので、結局テレアポを何件したのかが一番強い指数であって、何人にリーチできて、何社のリードを取れたのかというところにひたすら努めていたというところです。わかりやすく言うと、Facebook上で面識のない人であってもメールを送ってみればいいと思います。

Facebookって名前と年齢と会社名が書いてあるので、この会社のこのくらいの年齢の人なら声をかけてみたいな、ということで。「こんにちは。ビズリーチの南です、今こんな会社やっていて、こんな求人がありますけど興味ありますか?」と。初めてやった時、100人くらいにメールを送って10人くらいから返信があって、2人に内定を出して1人採用しました。

岩瀬:学生時代にクラブ活動で培ったスキルとノウハウが今……。

:そういうのは言わないで下さいよ。

(会場笑)

:結局、確率論という点では、センター街で何人かに声をかければ一緒にお茶ができる、というのとあまり変わらないような気がします。

5年で1300人と面接

岩瀬:これは伸びが鈍化したのかと思いきや、去年の12月から半年分なんですね?

:そうですね、5ヶ月ですね。僕は倍々ゲームをやらなければベンチャーではない、という教えを楽天イーグルズ時代のいろいろな師匠に教わりました。とにかくまずは成長すること、なんです。大きくするということは、優秀な人を採る。そして採りやすい人を採るのではなく、採りにくい人を採る。10人採るには13人に内定を出して、13人に内定を出すためには85人と面接して、85人面接するためには1000人に声をかける。こういうKPI設定をもってやればいい。僕の毎週のKPIは何人面接するかが設定されています。

岩瀬:今どれくらいされているんですか?

:今は毎週10人、1年半前までは15人。5年で1300人くらい面接しています。たくさん面接をすれば面接力も付く。

岩瀬:反省も含めてなのですが、皆「なかなかいい人採れないよね」ってぼやくじゃないですか? それに対しては、お前ら数が足りないだろうと?

:僕も言われた方です。とあるグローバル企業の人事の方に「全然いい人が採れないんですよ、ベンチャーなんで」と言ったら、「南君、先週何人面接したの?」スケジュール見たら3人で。「その前は?」4人、と。「はい、それが採用できていない理由です」。

結局トップが面接をどこまでやるかというのが重要なんです。今はフェーズが変わってきていますが、それでもやり続けなければいけない。それと、入社した後におもしろいと思ってもらえる雰囲気をつくるということですね。

岩瀬:ありがとうございます。ちなみに、ビズリーチ、ベンチャーは使ったら絶対良いと思います。採用する企業側から候補者の情報を直接のぞけるので、普通にしていたら、待っていたら来ないような人もこちらからアプローチできます。ライフネット生命の幹部もビズリーチ経由で来てくれました。「チームづくり困っています」と相談されると、ビズリーチ紹介していますので、ぜひ皆さんご活用ください。

:ありがとうございます。宣伝を。

岩瀬:宣伝です(笑)。

:やっぱり友達は大切ですね。

(会場笑)

異動を促進するCAの社内ヘッドハンター制度

岩瀬:それではもう一問、皆さんにお伺いしてからQ&Aにしたいと思います。各社ひとつだけ、社員にすごく評判のいい制度や仕掛けをご紹介いただけますでしょうか? では曽山さんからお願いいたします。

曽山:一番評判がいいのは「あした会議」ですが、先ほどお話したので4番の「社内ヘッドハンター」です。

これは人事本部の中に「キャリアエージェントグループ」というグループをつくって、事業経験のある社員と、話す人脈のある社員、全部で4人のチームで構成しています。事業部長と言っても、サイバーエージェントは事業がたくさんあるので、多分80とかそれ以上。

事業部長とヒアリング、社員と面談をしょっちゅうして、事業部長と合いそうな人がいたら裏でこっそり会わせて。で、合いそうだったらそれを役員会に提案します。この彼は、今営業で頑張っているけど、こっちの事業に抜擢したほうがもっと生きるんじゃないか? という提案をし、それが決議すると異動となります。

これは去年の5月に立ち上げ、もう1年で150人異動させています。すごい数、この150人異動させていなかったらどうなるんだろう? というくらい、すごくたくさんの異動が進んでいます。異動してからの声を聞くと、新天地になって自分から手を挙げていない人も結構いましたが、気づきやチャレンジが増えて、成長の背中を押すきっかけになっています。この制度は評判がいいです。

村上:当社に関してはまだ人数がそこまで多くないので、制度をつくっている最中です。今年から始まった「Egg(エッグ)」という新規事業の公募の仕組みは比較的好評です。全社員から新規事業を公募し、一次審査から二次審査までの間にメンタリング期間を入れて、そこでフィードバックをしてブラッシュアップする。何もない中で議論をするのではなく、実際の企画をブラッシュアップする。こういった議論を通じて成長がより促されるなと。これが非常に好評なのかなと思います。

曽山:メンタリングは誰がしているんですか?

村上:役員や部長です。

曽山:では直接やり取りが出来る?

村上:はい。

社員全員で運動会!

岩瀬:本田さんもお願いします。

本田:創業の頃からずっとやっていることで、ランチを社員が2人以上で行った場合、それを会議と見なし、会社が負担する、という制度にしています。ランチに限らず、食に関する制度が充実しています。社内のプールに溢れそうなくらいのお菓子を月に1回大量に買ったりしています。あとは通常の部署ごとの月1の飲みがあります。

なにせこのランチがすごく効いています。創業の頃、5人や10人だと自然にみんなで食べに行って、自然とそれが他部署との交流にはなっていたのですが、これが20人、30人と増えていくごとに徐々にエンジニア同士が固まっていく、という現象が起きまして、これは交流としてどうなのかな? と。

今度は人事に相談をして、「シャッフルランチ」という名前を変えた制度を入れて、ちょっと回して男女もちゃんと混ぜてね、とかルールをつくっていくことで、ランチがうまい具合に他部署とのコミュニケーションに繋がっている。これが大きい制度です。

岩瀬:ありがとうございます。ビズリーチさんは?

:運動会ですね。いろいろなイベントをやりまくっているので、時間半分くらい、社内のイベントをどうやるかをいつも考えています。やりたいことは、「小学校の時楽しかったことを全部やる」、これをテーマにしています。一番楽しかったのが騎馬戦だったので、年に1回騎馬戦を、スターフェスティバルという会社とやらせていただいています。

キックオフも、会議室でやるのが好きではないのでキャンプ場でやりました。キャンプファイヤーが好きだったので、皆でキャンプファイヤーの周りでフォークダンスをすると、かわいい子とも手が握れるのかな、とそういうようなことを思い出しながら、全部小学校時代に面白かったことを。

今度ドロケイをやります、会社全員で。優秀な人を採って、仕事以外の楽しい思い出をたくさんつくることを目標にしています。僕は、学生時代に教室で勉強したこと一切覚えていないので。覚えているのは課外活動、部活動。部活制度も充実させたり、キャンプ、球技大会、運動会、ドロケイ、そういうのを会社でやり続けることが、うちの一番自慢の制度かな、と思います。

岩瀬:楽天の時に影響を受けたとか?

:楽天には影響受けてないですよ。小澤さんの影響ですね、大体。

岩瀬:それですべて説明できました(笑)。ありがとうございます。そしたら、会場からQ&Aにしたいと思います。

自分より優秀なやつをまず雇え

質問者:南さんのスライドにありましたが、5人から人数が増えていく。創業メンバーとこれから増えていく時に、例えばリブセンスの村上さんには桂さんという方がいらっしゃるだとか。創業メンバーはどれくらい主要ポジションに残っていくのか? それとも規模に応じて別の方と入れ替わっていくのか? そのあたりを教えていただければと思います。

村上:当社に関しては、厳密に言うと創業メンバーは4名で、1名がすぐ抜けてしまって、実質3名でスタート。私、桂、そして吉田というメンバーです。全員会社にはいるのですが、吉田というメンバーに関してはプロフェッショナル志向が高いので、役員や部長ではなく技術研究に取り組んでいます。

創業後に入ってきたメンバーに関してですが、今年役員になった柴崎は、創業1年後に入ってきて、学生の時から6、7年ずっと一緒にやって役員になりました。非常に濃い時間を過ごしていたメンバーで、担当範囲がとても広い。創業時は何から何まで1人の人材がやらなくてはいけない、成長できる場所ですので、そこにいたメンバーは比較的残って、上のほうに行っているなという印象はあります。実際は学生だったこともあり、そのまま卒業して違う会社に行くメンバーもいました。

:うちの会社は最初に6人いて、6人全員いますが、3人が役員で、3人が役員ではないです。ここは創業時によくわかっていなかった。昔楽天にいたので、三木谷さんと創業時に一度お食事した時に、ひとつアドバイスをもらったのがすごく印象に残りました。「南、お前どんな会社つくりたいんだ?」「僕、楽天みたいな会社をつくりたいです。三木谷さんみたいになりたいです!」

(会場笑)

「おぉ、じゃあお前は5000人の会社をつくりたいのか?」「そういう意味で言ったわけではないんだけれど」と思いながら、まあ「5000人の会社つくりたいです!」。「じゃあ、お前に1個アドバイスがある。5000人の組織になると必ずピラミッドになる。お前の役割は、5000人になった時に一番てっぺんにいる2、300人を一番最初に雇うことだ」。こういうアドバイスを受けました。

常にこれが意識にあり、去年まで26歳以下の社員は3人くらいしかいませんでした。とにかく一番優秀かどうか。23歳の奴が一番優秀だったらいいけれども、キーエンスで営業トップの30歳のほうが、どう考えても売れるだろうと。将来の役員、マネージャー候補を全員現場で揃えようと。全員現場に揃えて、全員現場で闘わせる。すると会社が大きくなると、彼らがマネージメントできるようになる。

三木谷さんが言っていたのですが、ほとんどのベンチャーの失敗例は、社長と子供達で会社をやることだと。それが失敗や成功に繋がらないかもしれないけれども、確率論的に言うと、南と子供達の会社にするなよ、と。とにかく南よりも優秀な奴をたくさん雇え、と。お前よりも優秀な奴を雇うことに集中すれば、きっと素晴らしい組織ができるぞ……というのが最初に受けたアドバイスです。