ダメ上司はなんの価値も提供せず、パワハラ上司は威圧してくる

赤羽雄二氏:次に、ブラック企業についてお話します。残業をさせて給料を払わないとブラックと言われますね。電通のようにそれなりに給料を払っていたけれど、社員が追い詰められて自殺するということもあります。社員が裸踊りをさせられることもブラックと言いますが、世界的な基準からしてあまりにもおかしいこと、ひどいことをして、少なくない社員がうつ病になったり自殺したりするのは全部ブラック企業と見なすべきです。

今後、そういう会社は淘汰されると思います。そういう会社で我慢して働く人は減っていく。顧客・消費者からも淘汰されるので、居残ることもできません。日本人の権利意識はだんだん高まっていくので、これまでのようにはいかないでしょう。欧米では、日本人ほど我慢強くないのでブラック企業は人が集まりません。ソーシャルメディアの時代には評判がすぐに伝わるので、そういう会社は選ばれない。この淘汰は今までよりも激しくなると私は思っています。

ダメ上司というのは「なんの価値も提供してくれない」上司です。「あれやれ」「これやれ」と言いながらずれたことを指示している。なにか困ったことを相談しても「お前が考えろ」と突き放して、なんの価値も出さない上司です。

パワハラ上司は「自分の立場を使って部下を威圧する」上司ですね。罵倒する人、人間性を否定する人。今まで残っていましたが、これからは通用しません。そういう上司のもとで部下がやる気を出すことはありませんし、素晴らしい結果を出すこともありません。今後、多くの会社が潰れ、生き残る会社はグローバルスタンダードにのっとっていると思います。したがって、いいことが何もなく悪いことしかないパワハラというバカげたものはどんどん淘汰されます。

日本には女性上司が少ない。取締役や管理職の数など、先進国の中で一番女性が活躍できていないのは日本です。グラスシーリングや明確な障壁があります。なぜ日本では女性が活躍できないのでしょうか。もちろん男性が阻害してきたからです 。

女性を差別し、社会進出を遅らせてきたのは他の国でもありましたが、違いは、他国ではすでに数十年前から解決へのアクションを取ってきたのに対し、日本はまだその動きが弱く、なかなか形になりづらいことです。

仕事がなくなる時代が来る前に身につけておきたいこと

ダメ上司やパワハラ上司はなくなっていきます。ブラック企業も減っていきます。それはいいのですが、一方、仕事をしたくても仕事がなくなります。あるいは仕事はあっても、それが自分にはどうにもこうにも受け入れられないということも起きます。

そうならないためのスキルを14に分けて詳しく書きました。もっと減らしたかったのですが、起こりうる問題を真剣に考えた時に、生き残るためにはどれか捨てるわけにはいかないんです。それぞれ詳しく、どうやってそのスキルを身につけるか、気持ちの整理のしかたも含めて説明しました。

第一は、「人生設計力・準備力」ですね。自分が取り得る、あるいは許容範囲であるオプションを持ち続けることが大事で、それを準備しておく力です。今、会社を辞めたら、会社が突然潰れたら、「あそこに行けるかも」「ここにいこう」という準備をしておくことです。それを増やしておくとよいと思います。選択肢をあげ、少しでも確実なものにしておきましょう。オプションを常に複数持っていれば、最悪の状況に追い込まれることが減ります。それがオプションを持ち続ける「人生設計力・準備力」です。このあと、A4メモに実際に書いて考えていただきます。

それから「成長力」。成長し続ける習慣を身につけることですし、それができるようになる力ですね。

それから「思考力」。自分の頭で考える楽しさを早く知っていただく必要があります。ダメな経営者・役員・部課長は、今ここでこういう経営をしないと会社がどうなっていくのか、真剣に考えないんですね。もちろん、目の前の仕事をどうこなすかは誰でも考えますが、それでは近視眼的になりますし、中期的に会社がよくなっていく保証や、欧米・アジアの競合企業に勝つための手段にはなりません。

次は「アンテナの立て方」「知識の収集方法」です。先を読む方法を早く身につけることが大切です。

「経営改革推進力」とは

個人としての一般的な問題把握・解決力に加え、生き延びるために必要な大事な3つのスキル・姿勢についてお話します。まずは「経営改革推進力」です。

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